【解説】ジョージ・オーウェル『1984年』(まんがで読破)|結論|感想|読み方

服従する人々

まさに

洗脳帝国

軍事国家〈オセアニア〉でその管理体制に疑問を抱く〈ウィンストン〉はある日、同僚の女性から”I LOVE YOU”と書かれた手紙を受け取る——。

よーいち
世界が狂ってることに気づいた時、自分が不自由であることを知る——それは幸か不幸か。

僕は【まんがで読破】の大ファンで、全139冊読んでいます。

今回はその中から『1984年』を簡単3分でご紹介します。

結論

この本が教えてくれるのは、人間らしさとは何かです。

 

感想

『1984年』との出会い

生きているのがつまらないのは世界が原因なのか、それとも自分が原因なのか。

異世界に行ってみたくなりました。それも、悪夢のような世界に。

あとで知ったのですが、これは1848年に発行された本で、36年後の未来を描いたフィクションで、ディストピア(=暗黒世界)小説というそうです。

 

簡単あらすじ

1984年 世界は3つの世界にわかれて争っていた。

1984年 世界分布図

人々の生活や思想は国によって統制され、思考警察による監視下にあった。

イギリスは〈ビッグ・ブラザー〉が指導するオセアニアに属し、人々は3つの階級[党中枢とうちゅうすう(支配層)]・[党外郭とうがいかく(役員層)・[プロール(奴隷層)]にわけられいた。

そして、愛情省・平和省・真理省しんりしょう潤沢省じゅんたくしょうという機関によって統治されていた。

娯楽もない、自由もない、人の行動が厳しく管理された社会がそこにあった。


——第1エア・ストリップ(かつてのロンドン)

〈ウィンストン・スミス 39歳〉……党外郭に属するこの男は過去の出来事が思い出せないでいた。

彼は日記を書こうとペンを握ったまでは良かったが、なぜ、何のために書こうと思ったのか動機が思い出せなかった。しかも、日記を書くことは思考警察に捕まってどこかへ連れ去れてしまう恐れがあった。

「あ……そうだ」ウィンストンの頭にある男の顔が浮かんだ。「”2分間の憎悪”でのことがきっかけだったんだ……」

その男の名は〈オブライエン〉。オセアニア国の上流階級。党中枢とうちゅうすうの人間だ。

オブライエンとウィンストンを含めた多くの政府関係者が会場に集められ、中央にある巨大なモニターに注目する。

反政府組織指導者

モニターには反政府主義の男の映像が映し出され、こう発言する。「諸君! 党の教義は欺瞞ぎまんに満ちている! 君たちはこの現状に甘んじ、むざむざとあわれな羊の群れになるのか!?」

1人の女性が「こんなのでたらめよ!」と言うと、他の党員たちも皆声を揃えて「そうだ、そうだ」と野次やじを飛ばす。

ウィンストンはこの様子を見ながら(ああ、なんてみんな馬鹿なんだ。わかりやすい敵を示し、内輪の連帯感を高める洗脳じゃないか)と歯をくいしばっていた。

するといきなり、映像がビッグ・ブラザーが映し出されると、党員たちは今度は「B」「B」「B」と大きな歓声を上げて立ち上がった。

気がつくと、ウィンストンは”DOWN WITH BIG BROTHER (ビッグ・ブラザーをやっつけろ!)”とノートに書きなぐっていた。

 

仕事

真理省——報道や娯楽を管理。記録の改竄かいざんをおこなっている。

真理省 業務

ウィンストンは筒から書面を取り出し、マイクに向かってその文面を読み上げる。実在しない人のニュースを記録しているのだ。

ウィンストンが次の書面を開くと、そこには処刑された元指導者たちの写真と記事が載っていた。彼らの発言と写真の撮影場所に明らかな相違があることに気づいたが、すぐに捨ててしまった。

ランチの時間、同僚〈サイム〉と食事をしていると、彼は今おこなっている辞書の編集の素晴らしさについて語り始めた。

何でも、サイムによると、単語が徹底的に削除されていると言う。思考を表現する言葉がなければ考えることがなくなる。つまり、自由な思考ができないので、思考犯罪の撲滅に繋がると自慢気じまんげに話すのだ。

「やあ!」と高らかに〈パーソンズ〉がやってきた。彼は、自分の子どもが熱心な党員だと自慢していた。

 

セックス

「6079号 スミス! 起きなさい」と、部屋のモニター命令する。

ウィンストンは言われた通りに起き上がり体操を始めた。そして、妻〈キャサリン〉のことを思い出していた。

ある夜、ウィンストンが寝ているキャサリンの上に覆い被さろうとした時、彼女は反射的に「いやっ」とウィンストンを押しのけた。

しかし、その直後、彼女は怯えたようにすぐに謝罪してこう言った。「子づくりは党員の義務だもの」

セックス

党員の女性にとってセックスは義務なのだ。


ある日、ウィンストンは古道具屋から出てきたところを女性党員に見られてしまった。

彼女が思考警察に通報すれば、逮捕されて過酷な拷問……死の粛清しゅくせいが待っている。

ウィンストンは彼女の口を封じるために跡を付けると、突然彼女は転倒し、ウィンストンが駆け寄ると1枚のメモを手渡し、礼を言って去っていった。。

そこには”I LOVE YOU”の文字が……。

ウィンストンは再び彼女と接触し、党への反撃を開始する——。

 

この物語の要

小難しい印象を受けるかもしれませんが、要は、独裁者のせいで人間の自由な思考が奪われしまった世界の話です。

教育・規律・指導、それを取り締まる監視システムで人間は常に見張られ、いついかなる所での言動も許されません。

何が正しいのか、何が間違っているのか、それさえも判断できません。

主人公はただ人間らしく生きたいと望んでいるだけです。

 

読み方

思考を支配された世界。

思考の支配はその人にとって幸福なのか不幸なのか。それとも幸も不幸もない、ロボット同然なのか。

どうして人は人間らしく生きたいのだろう。

あなたは人間か?

僕は人間だ。

 

最後に

まずは漫画で読むことをオススメしていますが、書籍で読むのもいいと思います。

書籍は、図書館や中古本など、たくさんあると思います。

ぜひ探してみてください。

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よーいち

高校中退→ニート→定時制高校卒業→フリーター→就職→うつ→休職→復職|うつになったのを機に読書にハマり、3000冊以上の本を読みまくる。40代が元気になる情報を発信しています。好きな漫画は『キングダム』です。^ ^

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