まさに
正義の殺人
〈このノートに名前を書かれた人間は死ぬ〉 偶然それを拾った善良な高校生・夜神月はデスノートを平和のために使うことを決意する。
もしも〈デスノート〉が現実にあったとしたら、あなたは使いますか? 僕は——。
結論
この本が教えてくれるのは、人はいつか死ぬ。だから……です。
感想
『DEATH NOTE』との出会い
2005年、僕はアルバイト先で、年下のK君に「面白い漫画を教えてよ」と言いました。
K君は2〜3秒ほど考えた後、「ありますよ。今度持ってきます」と言って、翌日のバイト終わりに1冊の漫画を貸してくれました。
それが『DEATH NOTE』です。
「でも、好き嫌いがはっきり分かれると思いますよ」と、K君はそう言い残して帰って行きました。
タイトルからして、危険な匂いがプンプンしています。
絵は『ヒカルの碁』の小畑健先生で、以前から繊細で綺麗な絵を書くなぁと思っていました。
しかも、ジャンプコミックスです。
僕は「久しぶりに面白い漫画を読めるのかもしれないぞ」と、ドキドキしながら本を開きました。
読んでみて……絶句
息が詰まりました。
〈デスノート〉に名前を書かれた人間は死ぬ。
主人公・夜神月は1話から人を殺していました。
「こんな漫画、少年ジャンプで連載してもいいの?」
なんて斬新で残酷。誰もが思いつきそうな発想でありながら誰も表立って言えなかったアイデアです。
夜神月は〈デスノート〉を使った後、強烈な罪悪感に苛まれますが、「世の中、腐ってる。腐ってる奴は死んだ方がいい」という恣意的な理論を正当化します。
そして、1話の最後には「僕は新世界の神になる」と宣言します。
邪魔者は殺せばいいというデスノートの魔力に、僕はまんまと魅入られてしまいました。
夜神月は一体どんな運命を辿るんだろう。ワクワクしてきました。
キラ 対 L
1巻を読み終え、僕はK君に言いました。「めっちゃ面白かった。続きが読みたい!」
K君は「気に入ってもらえて良かったです」とにっこりと微笑んでいました。
僕はK君から続きを借りようと思いましたが、じっくり読みたかったので借りるのはやめました。
そして、新刊が出るたびに何度も何度も読み返しました。
——夜神月は人知れず悪を裁く神〈キラ〉として世間から崇められていきます。
僕はそんな彼を「間違っていることは分かっているけど、キラが描く新世界を見てみたい」と応援するようになります。
しかし、世界一の名探偵〈L〉が登場し、キラの正体を暴こうとしてきますが、夜神月は〈デスノート〉とその天才的な頭脳を使ってスッと交わしていきます。
やがて〈キラ VS L〉の構図ができ、物語は心理戦となっていきますが、僕は「Lなんて倒してしまえ!」と完全にキラ派でした。
数年後、読み返して
2019年、僕は鬱になり、「世の中の全員死ね!」と思うほど気が病んでいました。
僕は何気なく『DEATH NOTE』を読んでみました。
不思議なくらい落ち着いた気持ちでした。
その時の僕には、夜神月がデスノートに翻弄されているようにしか見えませんでした。
しかし、夜神月によって救われている人がいることも理解できます。
読み終えて、僕はこう思いました。
「結局、正義も悪もない。ただ、一生懸命生きているだけなのかもしれない」と。
『DEATH NOTE』は、「あいつなんか死んでしまえ」と思うと同時に「自分もいつか死ぬんだ」と、現代人に薄れてしまった〈死〉を身近に感じることができる作品なんだと思います。
読み方
デスノートにはルールがあります。例えば、名前を書く時にその人物の顔が頭に入っていないと効果がない、など。
「覚えるの面倒くさいなぁ」と思うかもしれませんが、これを知るだけで『DEATH NOTE』の醍醐味をより深く味わうことができます。
とは言っても全部覚える必要はありません。
主要な5つくらい分かっていればOKです。
まずは先ほど説明した
(1)名前を書く時にその人物の顔が頭に入っていないと効果がない。
(2)名前を書いた後、40秒以内に死因を書くとその通りになる。(死因を書かなければ心臓麻痺となる)
(3)死因を書くと、6分40秒以内に詳しい死の状況を書く時間が与えられる。(物理的に不可能なことは実現しない)
(4)デスノートの切れ端に名前を書いても効果がある。
(5)死神と取引を行うと、人の名前と寿命が見える〈死神の目〉にすることができる。(代償は自分の残りの寿命半分)
最後に
原作コミック(全12巻)、公式ガイドブック、文庫本、完全版、画集、小説、アニメ化、映画化、TVドラマ、たくさんあります。
ぜひ探してみてください。
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