まさに
≒史実ドラマ
歴史が嫌いな人でも読める歴史漫画。戦国時代の魅力、ここに極まれり!
僕が大好きな漫画 『センゴク』を簡単3分でご紹介します。
結論
この本が教えてくれるのは、歴史の事実と武士の生き様です。
感想
歴史モノはつまらない
少年漫画に飽きてきた30歳頃、本屋で綺麗なコミックを見かけました。(2008年)
その山吹色の本の表紙はキラキラと艶っぽく、黒字で大きく『センゴク天正記』と書いてあります。1巻には甲冑を着た武士らしき人物。2巻には織田信長らしき人物が描かれていました。
「なぁんだ、歴史漫画か……」
僕は歴史モノが大嫌いでした。
理由は以下の通りです。
●第1に、そもそも興味がない。
●第2に、空想が多い。
●第3に、結末が分かっている。
でも、今回は1つだけ違っていました。
その表紙は歴史漫画とは思えない〈和〉の美しさがありました。
簡単あらすじ
物語の主人公となるのは、実在の人物〈仙石権兵衛秀久〉22歳です。
彼は織田信長が認めた武士で、羽柴秀吉(後の豊臣秀吉)の部下として活躍し、大出世したと説明があります。
歴史漫画なのでやたらと漢字やルビが多く、少し読みづらさもありながら読み進めていくと、〈ある文献〉が出てきました。
どうやら、その当時に書かれた書物の一文のようです。
『センゴク』は歴史の事実(=史実)に基づいて忠実に描かれた歴史漫画だと分かりました。
歴史モノは残された文献を元に創作されます。
すると、事実とは違うことも出てくるので、結局のところ、自分の好みに合うかどうかがその漫画の評価基準となってしまう気がしていました。
要するに、「こんな織田信長は嫌だ!」「こんなセリフを言うのはおかしい」みたいなことが起きてしまうのです。
作者・宮下英樹先生はコメントで、「自分は元々、歴史に興味はなく、甲冑や鎧がカッコよくて興味を持つようになった」と語っていました。
僕は「歴史を知らなかった人が勉強しながら書いているなら、空想は少なくて、分かりやすく書いてくれるかもしれないな」と思い、続きも読んでみることにしました。
注釈のおかげで
注釈が多い作品だと思います。
〈文献〉や〈古語〉や〈専門用語〉などがよく出てきます。
歴史に詳しくない僕は一度読んだだけでは理解できませんでした。何度も何度も読み返してようやく70%ほど理解できた感じです。
注釈がなければ、20%も理解できなかったと思います。
サクッと読む漫画ではありませんが、注釈を読んでその前後のコマを見てなんとなく理解する。そんな感じで読み進めることができました。
1番気になる武将
それは〈明智光秀〉です。
2020年に〈麒麟がくる〉で明智光秀を主役とした大河ドラマが放送されましたが、未だに謎多き人物です。
『センゴク』の〈明智光秀〉は顔に歌舞伎のような化粧を施していて、異様な雰囲気を漂わせています。
読んでいて分かったのが、〈明智光秀〉に関する文献はほとんど存在していないということです。
なので、〈明智光秀〉が登場するシーンはとても少ないです。
例えば、漫画の中で〈明智光秀〉が参加した戦があった場合、織田信長や関係者が送った書簡(手紙)などから、この戦に参加していた可能性が高いという注釈が入ります。
〈明智光秀〉は織田信長とかなり近い関係にあり、秘密裏に動くことが多かったため、証拠を残さないように行動していたと言われています。
また、羽柴秀吉などの他の織田軍の武将たちにも〈明智光秀〉の所在や任務を知らせなかったと聞きます。
作者・宮下英樹先生の、史実にないことを100%の空想で埋めないその姿勢に、僕はとても好感を持ちました。
シリーズ
『センゴク天正記』を読んでいると、前作『センゴク(全15巻)』があることを知ります。
『センゴク天正記(全15巻)』は第2部の作品だったのです。
それが終わると、第3部に『センゴク一統記(15巻)』、第4部に『センゴク権兵衛(全27巻)』と続きます。
主人公は〈仙石権兵衛秀久〉に変わりありません。
●第1部は、仙石と織田信長の出会いと活躍。
●第2部は、武田家滅亡まで。
●第3部は、本能寺の変まで。
●第4部は、戦国時代の終焉まで。
そして、僕が何より好きなのが『センゴク外伝 桶狭間戦記(全5巻)』です。
あの有名な、織田信長と今川義元の戦いです。
屈指の今川軍3~4万人に対し、未熟な織田軍3000~5000人。しかし、勝つのは織田軍。
しがない小さな尾張の領主・織田信長と駿河の戦国大名・今川義元。双方の視点で、生い立ち〜桶狭間の戦いまでが描かれています。
読み方
僕のオススメは『センゴク天正記』です。
1番たくさんの武将が登場するので見応えがあります。
織田信長、明智光秀、羽柴秀吉(木下藤吉郎)、徳川家康(松平元康)、山県昌景、竹中半兵衛、黒田官兵衛、上杉謙信、柴田勝家、毛利元就、武田勝頼など、盛り沢山です。
歴史モノには興味がありませんでしたが、絵はとても綺麗で誇張しすぎていない〈和〉が感じられました。
最後に
原作コミック第1部〜第4部、廉価版、外伝、スピンオフ、公式ガイドブック、小説、たくさんあります。
ぜひ探してみてください。
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