まさに
火の鳥の対話
伝説の鳥——火の鳥。その生き血を飲むと永遠の命が手に入るという。
人類の夜明け〜現代〜未来。日本、世界、宇宙。想像を超える壮大なストーリーは何物にもかえがたい貴重な体験になりました。
結論
この本が教えてくれるのは、命の使い方です。
感想
家族そろって
僕はテレビで『火の鳥』を見た記憶があります。当時、小学3.4年生でした。
ある日の夜、珍しく父と母が一緒に居間に来ると、遊んでいた僕と弟に「座りなさい」と言い、テレビをつけました。
父は普段アニメは観ません。
母は子供の頃にアニメは観たことはあると言っていましたが今は全く観ません。
なのに、なぜかこの日は家族そろって『火の鳥』を観ることになったのです。
手塚治虫作品
『火の鳥 鳳凰編』というタイトルが出てきます。
静かな音楽。綺麗な映像。陽気なアニメっぽさはなく、大人向けのリアルな作りです。
何やら重々しく、暗い雰囲気に包まれていきます。
「これ何?」僕は両親に聞きました。
すると、父が答えます。「これは手塚治虫の火の鳥や」
僕は手塚治虫を知っていました。
〈鉄腕アトム〉〈ブラックジャック〉〈ジャングル大帝〉〈リボンの騎士〉などの作者で、漫画の神様と呼ばれている人です。
簡単あらすじ(鳳凰編)
主人公は〈ガオウ〉という名の青年です。
ガオウには左目と右腕がありません。
その目つきはすさんでいて、どこか寂しげです。
〈ガオウ〉は夜の森の中で〈木彫り師・茜丸〉と出会います。
しかし、〈ガオウ〉は健全な〈茜丸〉を妬み、ナイフで腕を斬りつけます。
次に〈ガオウ〉は〈速魚〉という名の美しい女性と出会います。
〈ガオウ〉は〈速魚〉に乱暴して、結婚してしまいます。
〈ガオウ〉はやぶれかぶれでした。
なぜなら、〈ガオウ〉は無慈悲な世の中を恨んでいたからです。
親はいないし、左目も右腕もない。環境に恵まれてもいないし、夢も希望もない。
その恨みを目に映るものにぶち撒けていたのです。
しかし、月日は流れ、とうとう〈ガオウ〉はその報いを受ける日がやって来ます。
罰として残った右腕を切り落とされてしまうのです。
〈ガオウ〉は息絶え絶えに去っていきます。そして、壮大なエンディングを迎えます。
火の鳥=不死鳥
「火の鳥って何なの?」テレビの放送が終わって、僕は父に聞きました。
父は言いました。「俺にも分からん。でも、絶対に死なない鳥でいつも燃えてる。神様なのかも知れんな。だから、人間はみんな、火の鳥の生き血を飲んだら永遠の命が手に入ると信じて狙ってるんや」
死なない鳥だの、神様だの、永遠の命だの、幼い僕にそのスゴさはよく分かりませんでした。
——その数年後、中学2年生の時、僕は転校したせいもあって、家でも外でもよく1人で過ごしていました。
そんな時、本屋で『火の鳥』の文庫本を見ました。13巻まであります。
背表紙を見ると、『火の鳥』の文字の下に〈〇〇編〉と書かれています。
僕が小学生の時に観た『火の鳥 鳳凰編』は、その中の1つだったんだとその時知りました。
〈黎明編〉〈未来編〉〈ヤマト・異形編〉〈鳳凰編〉〈復活・羽衣編〉〈望郷編〉〈乱世編〉〈宇宙・生命編〉〈太陽編〉〈ギリシャ・ローマ編〉と、それぞれが独立したストーリーのようです。
オススメは3つ〈未来編〉〈望郷編〉〈宇宙編〉
〈未来編〉は、西暦3000年以降の未来が舞台です。
滅亡寸前の地球。
その時代、世界人口は2500万人ほどしか存在していません。日本らしき国の総人口は500万人ほどです。
核戦争のせいで地上は放射能に覆われ、人類の生活圏は地下へと追いやられていました。
天然の動物は存在せず、政治や行政は電子頭脳の指示に従って行っています。
しかし唯一、地上で暮らす老人がいました。
彼は科学者で、そこで動物を復活させようと生命の謎を研究していました。
〈望郷編〉は、若き日に地球を離れ、とある惑星で暮らしていたロミが何十年と経つうちに地球が恋しくなり、帰郷の旅に出るというストーリーです。
宇宙の旅はハプニングだらけで一筋縄には行かず、立ち寄った惑星で奇怪な生物がたくさん出てきます。
次は何が起こるのか、ハラハラドキドキです。
〈宇宙編〉は、宇宙船の乗組員5人のうちの1人(牧村)が不可解な死を遂げ、その謎に迫るストーリーです。
突如、宇宙船はある惑星に衝突し、損傷し、このままでは死を迎えるのみです。
残された4人は救命用の個人ボートで脱出し、宇宙に離散します。
個人ボートは宇宙空間でも通信によって会話をすることができました。
すると、隊長が恐ろしいことを口にします。
「牧村はショックで死んだのではない。おそらく殺されたのだ」
読み方
オススメから読んでみるのもいいと思いますし、インスピレーションで選ぶのもいいと思います。
手塚治虫先生の作品ということもあって、内容が重圧で、買ってよかったと思える作品ばかりです。
僕にとって、永久保存作品です。
最後に
原作コミック、文庫本、小説、アニメ映画、実写映画、テレビゲーム、たくさんあります。
ぜひ探してみてください。
価格:171円 |