まさに
あやつり人形活劇
200年にわたる、殺戮人形と不死者との因縁の戦い。3人の主人公——中国拳法を使う青年、操り人形を使って戦う美女、そして命を狙われている大企業の息子。彼らは思いもよらない運命と戦う——。
僕が大好きな漫画 『からくりサーカス』を簡単3分でご紹介します。
もくじ
結論
この本が教えてくれるのは、幸せとは何か、愛とは何かです。
感想
『からくりサーカス』との出会い
20歳くらいの頃、弟が集めていました。
作者はあの『うしおととら』の藤田和日郎先生です。
「とりあえず3巻まで読んでみて」と弟から手渡され、何の疑いもなく読んでみました。
『うしおととら』のような古風な和風な作品かと思いきや、現代的で洋風な雰囲気です。
読んでいくうちに、本の中を駆け巡るキャラクターたちを見ているのがだんだん楽しくなってきました。
「これは大作になる!」そんな予感がしました。
序盤 あらすじ
加藤鳴海(18歳)は中国拳法の使い手です。しかし、〈ゾナハ病〉と呼ばれる特殊な病気にかかっていました。
症状は、呼吸困難になり衰弱して死に至ります。治療法は見つかっていません。
唯一の緩和方法(和らげる方法)は〈笑わせること〉です。
なのに、加藤鳴海は〈笑わせること〉が大の苦手。クマの着ぐるみを着てビラ配りをしているのもそれが理由でしたが、誰一人笑ってくれません。
そんな時、たった1人だけ笑ってくれる少年がいました。
少年の名前は才賀勝(小学5年生)。少年は背丈ほどの大きなトランクを持っています。
彼は大会社の息子で、遺産相続が原因で命を狙われています。黒づくめの男たちが勝を連れ去ろとしています。
鳴海は躊躇しながらも勝を助け、その場から逃げようとします。
が、黒づくめの男たちはどうやら人間ではなく〈人形〉のようです。殴っても腕を折っても倒れません。鳴海の体を簡単に投げ飛ばしてしまいます。
絶体絶命のピンチに追い込まれたその時、銀髪ショートの美女が現れます。
彼女が勝のトランクを開くと、中から出てきたのは身の丈3mはあろうかと思われる〈操り人形〉。
それを操り、凄まじいパワーでもって人形を撃破します。
彼女の名は〈しろがね〉
……この時から、3人の運命の歯車は動き始めます。
自動人形
勝を襲っていたのは、自分の意思を持ち、動く人形でした。(自動人形=オート・マータ)
ほとんどの自動人形はなぜかサーカスの道化のような姿をしています。
恐ろしいことに、自動人形は無差別に人を殺すだけではなく、通った跡に〈ゾナハ病の病原菌〉をばら撒いていきます。
自動人形がゾナハ病の原因だったのです。
しろがね
この物語のキーマンが〈しろがね〉です。
しろがねは個人名ではなく、団体名です。
簡単に言うと、しろがねは自動人形を破壊する目的を持って活動する不死者をまとめて呼ぶ総称です。
しろがねは皆、生命の泉と呼ばれる霊薬を飲んだ者で、そのおかげで死ににくい体になっています。
しろがねは世界各地に存在し、自動人形を破壊しています。
自動人形は実質、殺人兵器です。
その被害は凄まじく、しろがねであっても苦戦するほどです。
しかも、自動人形は自動人形を作るので、両者の戦いはイタチごっこのように200年近く続いていたのです。
マリオネット(操り人形)
マリオネットはしろがねの武器です。
マリオネットはたくさんあって、ひとつ1つ、デザインや機能に違いがあります。
剣やハンマーで戦うマリオネットもいれば、爆弾やミサイルを出したり、空を飛ぶマリオネットもいます。
「なんでわざわざマリオネットで戦う必要があるの?」と思う方もいると思います。
その理由は、ストーリーが進んでいくうちに明らかとなっていきます。
……ちなみに、僕が好きなマリオネットは〈スレイプニイル〉です。
洋風なマリオネットが多い中、鎧武者っぽくてカッコいいんです。ヴァイキングのイメージだそうです。
生命の水
飲んだ者の怪我や病気を治し、生命活動の時間の流れが1/5になる霊薬です。(生命の水=アクア・ウイタエ)
しろがねは皆、生命の水を飲んだ人間です。各々の事情は異なりますが、おおよその理由は皆同じです。
飲んだ人間は不死者になると同時に、ある意識に支配されます。
「自動人形を壊せ! 自動人形を壊せ!」
しろがねとなった人間は自動人形を壊し続けるあやつり人形となります。
とにかくキャラクターが多い
キャラクターの多さは随一です。
主要の3人の他、サーカス団の仲間、無数の自動人形に親玉、数万のしろがねとマリオネット、そして事の発端から現代までの200年。
厚みのある壮大なストーリーに、バトルあり、笑いあり、恋愛ありで、飽きは感じません。
いくつもの国を超え、過去を巡り、秘密が明らかにされる度に面白さは増していきます。
「そんなふうに考えてるんだ」「そんなことを思うのか」と、個人的には、たくさんの人と交流した気分です。
読み方
ストーリーが本編に辿り着くまで「長い」と感じるかも知れません。
ストーリーの全容が見え始めてくるのが7巻です。
それまでは、魅力的なキャラクターたちやマリオネットを楽しんでいただけたらと思います。
胸が熱くなること間違いありません。
最後に
原作コミック(全43巻)、ワイド版、文庫版、完全版、公式ガイドブック、アニメ、たくさんあります。
ぜひ探してみてください。
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