【解説】手塚治虫『アバンチュール21』|結論|感想|読み方

赤い目の白兎

まさに

地底探検

地底列車で地球の内部へ。5人の乗組員と1匹のウサギが地底の謎に迫る——!

よーいち
「人間と動物の違いは何?」 知能や文化が違うだけで人間として認めてもらえなかったら、こんなに悲しいことはありません……。

僕が大好きな漫画 『アバンチュール21』を簡単3分でご紹介します。

結論

この本が教えてくれるのは、共存とは何かです。

 

感想

『アバンチュール21』との出会い

手塚治虫先生の漫画の中で一風変わった1冊の漫画があります。

文庫本の表紙には〈ウサギ〉のイラストが描かれています。

「ウサギの話?」と思いつつも、手塚治虫先生の漫画が大好きだったので、よく分からないままに買いました。

読んでみると思っていたストーリーとは180度違っていましたが、何十年経った今でもなぜか僕の心にずっーと残っているのです。

 

簡単あらすじ

世界初の成層圏マンモス旅客機〈ルナパーク2号〉はニューヨークを出発し、東京に向かっていました。

マンモス旅客機・ルナパーク

機内には映画館やプールやボーリング場まであります。

そこでボーリングをしている女の子〈カーラ〉を睨む1人の少年がいました。

彼の名前は〈西谷イサミ〉と言い、とても賢いウサギ〈ミミ〉を連れていました。

〈イサミ〉は〈ルナパーク1号〉の事故のせいで両親を失っていました。

その腹いせに、ルナパークの開発者の娘に嫌味を言って、そのウサギを使って〈カーラ〉にイタズラをします。

すると、その様子を見ていたある科学者の男が尋ねてきました。

怪しい科学者

「そのウサギはどうしてそんなに利口なのかね?」

〈イサミ〉は訳を話します。

彼のお父さんは科学者でした。〈ミミ〉が胎児の時、母胎に新鮮な酸素を送りこむ研究をしていました。

そうして産まれたウサギの赤ちゃんは人間のように頭がよくなりました。

それを聞いた科学者は〈ミミ〉に提案します。「このウサギを人間のようにしてみたくはないかい?」

イサミは反対しますが〈ミミ〉は自らその科学者の元へ行き、改造手術を受けたのでした。

——一方、〈イサミ〉は新しく開発される〈ルナパーク3号〉のテストパイロットとして選ばれます。

ルナパーク3号の正体は旅客機ではなく〈地底列車〉でした。

地球の内部がどうなっているか調査してきてほしいと依頼されます。

危険な調査になることは分かっていましたが、〈イサミ〉はこの依頼を引き受け、訓練に参加することになりました。

——そして、出発当日。

〈ミミ〉と〈イサミ〉は対面します。人間のように賢くなって、呼び名も〈耳男〉に変わっています。

〈耳男〉は賢いだけではなく、動物特有の危険を察知する能力を変われ、パイロットとして地底調査に同行することに……。

 

地底人との遭遇

地底には常識を超えた世界が広がっていました。

地下潜航

地底の世界は地上の常識では推し量ることはできません。

気持ちが悪いというよりは、理解できない世界と共存できそうにないから忌み嫌うような忌避感きひかんとでも言いましょうか。

本当にありそうな世界を描かれるのは手塚先生ならではです。

惜しくも1巻で完結してしまいますが、冒険ロマンを感じずにはいられませんでした。

「僕も未知の探検の旅に出てみたいな」と、くすぶっていた冒険心に勇気を与えてくれます。

 

新時代への挑戦

この作品をまとめると、新しい時代を迎えるためには、色んな人(生き物)と共存しなければならない。そんな思いを感じます。

●環境が違う。

●育ちが違う。

●食べる物が違う。

●価値観が違う。

●性質が違う。

●信じるものが違う

相違点を上げていけばキリがありません。

人との出会いや他者との共存は、まさに未知への探索であり、生死をかけた冒険ですね。

そう思って『アバンチュール21』を読むと、より一層感慨深い喜びを感じることができるはずです。

よき旅に幸運があることを。

 

読み方

僕は〈ミミ〉=〈耳男〉が大好きです。

賢いから好きなのではなくて、可哀想な気持ちになるのです。

守ってあげたいのでもなく、助けてあげたいのでもなく、ずっと見守っていたくなる不思議なキャラクターなのです。

とっても可愛い〈耳男〉を応援してください。

 

最後に

手塚治虫漫画全集、文庫本があります。

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よーいち

高校中退→ニート→定時制高校卒業→フリーター→就職→うつ→休職→復職|うつになったのを機に読書にハマり、3000冊以上の本を読みまくる。40代が元気になる情報を発信しています。好きな漫画は『キングダム』です。^ ^

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