まさに
時短文学
知らないのに懐かしい。要点がギュッとまとまっていて分かりやすい。
僕が大好きな漫画 『〇〇すぎる文学作品をだいたい10ページくらいの漫画で読む。シリーズ』を簡単5分でご紹介します。
もくじ
結論
この本が教えてくれるのは、文学の肝です。
感想
『〇〇すぎる文学作品をだいたい10ページくらいの漫画で読む。』との出会い
おもしろそうな漫画を見つけました。
水木しげる先生の、脱力感のあるキャラが表紙に描かれています。
タイトルは『有名すぎる文学作品をだいたい10ページくらいの漫画で読む。』
僕は「水木しげる先生はこんな仕事もしていたんだなぁ」としみじみ思い、手に取りました。
〈帯〉の裏には有名な作家さんたちの有名な作品タイトルがずらっと20以上書いてあります。
読んでみて驚いた
さっそく読み始めた僕は、純粋に作品を楽しんでいました。
30分ほど経ち、ふと本の〈背〉の、タイトル名と作者名のロゴを見て驚きました。
ドリヤス工場:著
水木しげる先生ではありませんでした。
読んでいても気づかなかったので、もう一度本を開いて絵を見て、そのそっくりさにまた驚きました。
『ドリヤス工場』なる人物をWikipediaで調べてみると、水木しげる好きの同人作家とのこと。
しかし、裏切られたような気はまったくなく、むしろ、嬉しい気持ちになっていました。
作品案内①『有名すぎる文学作品……』
「人間失格」
太宰治
NOと言えない男が女に酒に麻薬に溺れる話。
「山月記」
中島敦
虎になってしまった役人の成れの果て。
「檸檬」
梶井基次郎
病弱な男が町をぶらぶらとさすらう話。
「舞姫」
森鴎外
エリート公務員がドイツで踊り子に恋する話。
「桜の森の満開の下」
坂口安吾
女をさらう山賊が新しい女にあやつられてしまう話。
「変身」
フランツ・カフカ
朝起きたら害虫に変身していた男の話。
「注文の多い料理店」
宮沢賢治
森の奥の料理店で起きた奇妙な出来事。
「濹東綺譚」
永井荷風
老作家が娼婦の家に出入りする話。
「高野聖」
泉鏡花
旅僧が語る、飛騨で出会った魔性の女の話。
「三四郎」
夏目漱石
東京の大学生になった三四郎の淡い恋の話。
「雪の女王」
アンデルセン
雪の女王にさらわれた男の子を助けに行く話。
「羅生門」
芥川龍之介
リストラされた男が羅生門で奇怪な老婆に出会う話。
「蒲団」
田山花袋
オジサン作家が若い女にヤキモキする話。
「五重塔」
幸田露伴
1人の大工が五重塔を造る話。
「ごん狐」
新見南吉
男にイタズラをする狐の話。
「たけくらべ」
樋口一葉
吉原に身売りされた気の強い女が叶わぬ恋をする話。
「阿Q正伝」
魯迅
思いつきで行動する自信過剰な中国人の話。
「野菊の墓」
伊藤左千夫
両思いなのに別れる運命をたどる男女の話。
「イワンのばか」
トルストイ
悪魔はイワンを誘惑するが思い通りにならない話。
「モルグ街の殺人」
エドガー・アラン・ポー
奇想天外な事件を名探偵か解決する話。
「恩讐の彼方に」
菊池寛
主人を殺した侍が主人の妾と逃避した後に出家する話。
「浮雲」
二葉亭四迷
突然リストラされた男が好いた女を取られそうになる話。
「ラプンツェル」
グリム兄弟
高い塔に囚われている髪の長い少女を王子様が救い出そうとする話。
「ドグラ・マグラ」
夢野久作
先祖の記憶が遺伝して人格を支配しているのかも、という話。
「風立ちぬ」
堀辰雄
結核に犯された婚約者との療養生活の話。
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作品紹介②『定番すぎる文学作品……』
「坊っちゃん」
夏目漱石
無鉄砲な男が田舎の教師に赴任して嫌がらせをされる話。
「夫婦善哉」
織田作之助
どうしようもない男と駆け落ちした女の話。
「武蔵野」
国木田独歩
武蔵野で暮らす人々と自然との営みの美しさを讃える話。
「地獄変」
芥川龍之介
殿様に「屏風に地獄の絵を描け」と命じられた天才絵師の話。
「桜の園」
チェーホフ
旧家を売りたくない人と別荘地にしたい人の話。
「金色夜叉」
尾崎紅葉
天涯孤独な男が許嫁に裏切られて金貸しになる話。
「不如帰」
徳冨蘆花
妻が肺結核にかかり、母に無断に離縁される男の話。
「蟹工船」
小林多喜二
ブラックすぎる労働環境に労働者が怒る話。
「フランダースの犬」
ウィーダ
心清い貧乏な少年が報われない話。
「マザー・グース」
作者不明
ブラックユーモアたっぷりの童謡・童話。
「徒然草」
吉田兼好
お坊さんが経験して思ったこと。今でいうエッセイ、ブログ。
「カインの末裔」
有島武郎
冬に厳しい北海道で、乱暴な男に不幸が重なる話。
「斜陽」
太宰治
戦後、日本貴族が没落する話。
「ガリバー旅行記」
スウィフト
ある男が小人の国や巨人の国、空の国に行く話。
「魏志倭人伝」
陳寿
3世紀、中国から見た日本。
「桜の樹の下には」
梶井基次郎
桜の樹の下に死体が埋まっていると思い込む男の話。
「破戒」
島崎藤村
差別と父の約束との間で葛藤する男の話。
「人間椅子」
江戸川乱歩
椅子職人が椅子の中に入る話。
「人魚姫」
アンデルセン
海で溺れた王子に恋した人魚が人間になる話。
「ヰタ・セクスアリス」
森鴎外
性欲を研究する哲学者の体験談。
「銀河鉄道の夜」
宮沢賢治
2人の少年が銀河鉄道に乗って旅する話。
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作品紹介③『必修すぎる文学作品……』
「蜘蛛の糸/トロッコ」
芥川龍之介
お釈迦様が罪人に糸を垂らす話 / トロッコを押していたら夜になっていた話。
「学問のすゝめ」
福沢諭吉
明治初期、これからの日本国民に生き方を説く話。
「猿飛佐助」
織田作之助
アバタ顔の男が忍術を使って大暴れする話。
「瓶詰地獄」
夢野久作
無人島に難破した兄妹が迎える末路とは。
「吾輩は猫である」
夏目漱石
猫が人間を見てつぶやく話。
「山椒大夫」
森鴎外
母と生き別れ、人買いに買われる兄妹の話。
「堕落論」
坂口安吾
戦後、日本人に正しく堕落する道を説いた話。
「狂人日記」
魯迅
周りの人間が人喰い人種だと思い込む男の話。
「風の又三郎」
宮沢賢治
風の精のような不思議な転校生の話。
「若草物語」
オルコット
アメリカのとある四姉妹の青春の風景。
「海底軍艦」
押川春浪
海底軍艦が海賊船と戦う話。
「セメント樽の中の手紙」
葉山嘉樹
ある男が誤ってセメントに落ちたと告白する手紙を読む話。
「春琴抄」
谷崎潤一郎
盲目の三味線少女と少年の献身的な愛の話。
「田舎教師」
田山花袋
田舎教師になった男が恋愛に煩悶し、病気になる話。
「富嶽百景」
太宰治
傷心の男が富士山の見える茶屋で過ごす話。
「初恋」
ツルゲーネフ
酒の席で初恋話をする男の話。
「共産党宣言」
マルクス/エンゲルス
労働者は団結して強欲な資本家を倒せ!という話。
「最終戦争論」
石原莞爾
戦争の性質、日本の未来の話。
「父帰る」
菊池寛
20年前に家出した父が突然帰ってきてモメる話。
「D坂の殺人事件」
江戸川乱歩
古本屋の女房が殺された事件を明智小五郎が推理する話。
「クトゥルフの叫び声」
ラヴクラフト
教授だった大叔父の遺品の中から、おぞましい研究資料を発見する話。
「夜叉ケ池」
泉鏡花
夜叉ヶ池に封じられた竜神を鎮めるために、村の守り人となった男の話。
「李陵」
中島敦
李陵という中国の将軍が匈奴(モンゴル)との戦争に敗れ、捕虜になる話。
「手袋を買いに」
新美南吉
人間を恐れる狐が町へ手袋を買いに行く話。
「死者の書」
折口信夫
謀反の罪で殺された皇子の魂を弔うため、曼荼羅を織る才女の話。
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読み方
読み応えあります。
絵と作品はミスマッチのようで、実に軽快であっさりとしています。
「とりあえず、どんな作品か知っておきたいな」という人にオススメです。
最後に
2022年現在、続編の連載がスタートしたようです。
ぜひ探してみてください。