【解説】ユゴー『レ・ミゼラブル』(まんがで読破)|結論|感想|読み方

ジャベール警部のイメージ

まさに

改心する前科者 VS 執念の刑事

パンを1つ盗んだ罪で19年服役した〈ジャン・バルジャン〉は社会から疎外された。が、これからは正直な人間になることを誓う——。

よーいち
罪の意識はいつまで持たなくてはならないのか。その答えが分かったような気がします。

僕は【まんがで読破】の大ファンで、全139冊読んでいます。

今回はその中から『レ・ミゼラブル』を簡単5分でご紹介します。

結論

この本が教えてくれるのは、罪が消える時です。

 

感想

『レ・ミゼラブル』との出会い

小学生の時に、夏休みの読書感想文のいくつかのお題の中に『ああ無情』がありました。

それの原作が『レ・ミゼラブル』と知ったのは随分経ってからのことでした。

内容はほとんど覚えてはいませんでしたが、〈ジャン・バルジャン〉という名前だけはしっかりと覚えていました。

 

簡単あらすじ

——ある雨の夜、コンコンと教会の戸を叩く者がありました。

その者の名は〈ジャン・バルジャン〉。

えを凌ぐしのためにパンを1つ盗み、その罪で19年もの間、服役していた前科者です。

〈ミリエル司教〉はジャン・バルジャンをこころく迎え入れ、夕食を振る舞ってくれました。

ベッドの中でジャン・バルジャンはこんな夢を見ました。

刑務所の労役場ろうえきじょう

囚人しゅうじんたちは過酷かこくな肉体労働をいられている。

ジャン・バルジャンがうずくまると刑務官は寄ってたかって警棒で叩きのめした。

刑務官の1人〈ジャベール〉は冷ややかな目で見下ろしてこう言った。

ジャベール刑事

「罪人は死ぬまで罪人なのだよ」

ジャン・バルジャンは飛び起きました。

そして、銀のスプーンとフォークを袋に詰め、夜が開ける前に教会を出ました。


翌日、ジャン・バルジャンは警察官に連れられて教会の前に戻ってきました。

警察官は銀のスプーンとフォークをミリエル司教の前に差し出します。きっとジャン・バルジャンが盗んだものだろうと思っていました。

ミリエル司教はこう答えました。「たしかにそれは私が彼に与えた食器です」

ジャン・バルジャンは無罪放免となりました。

ミリエル司教はジャン・バルジャンを優しくさとします。

「私はあなたを信じています。正直な人間になるのですよ」

ミリエル司教

数年後

〈ジャベール警部〉は〈マドレーヌ市長〉に辞令を届けるため、モントルイユに来ていました。

〈マドレーヌ市長〉は変わり者でした。自身が経営する工場の利益を町にの人々に分配して町を発展させ、儲かったお金のほとんどを慈善事業じぜんじぎょうついやしていました。当の本人はというと、ボロ家で粗末そまつな生活をしていました。

ジャベールと対面したマドレーヌは驚愕きょうがくします。

そう、マドレーヌはジャン・バルジャンだったのです。

ジャン・バルジャンは自分を捕まえに来たのではないかと困惑します……。


ある日のこと、お爺さんが馬車の下敷きになってしまうという事故が起きました。

馬車横転

何人もの大人たちが助けようとあれやこれやと動いていますが救助にはいたらず、お爺さんは虫の息です。

マドレーヌ市長ことジャン・バルジャンは持てる怪力パワーで馬車をひっくり返しました。

お爺さんは助け出され、めでたしといったところでしたが、その様子をジャベールはしっかりと見ていました。

ジャベールはジャン・バルジャンに歩み寄って言います。「私は以前にもあなたと同じような怪力の男を見たことがあります」

「誰ですか? それは……」

「刑務所にいた囚人しゅうじんのジャン・バルジャンです」

 

悲劇の女性・ファンティーヌ

この物語に感動の添えるもっとも重要な人物がいます。

それがファンティーヌです。

ファンティーヌ

彼女は、マドレーヌ市長ことジャン・バルジャンの経営する工場で働いていましたが、支配人に解雇かいこさせられてしまいます。理由は子供がいることを隠していたからですが、本当の理由はドジな彼女がうとまっしかったのでしょう。

ファンテーヌは娘〈コゼット〉とは暮らしておらず、里親の家に預けていました。

しかし、その里親というのがずる賢く、養育費や医療費と口実を言ってはお金を請求してくるのでした。

職を失ったファンティーヌは我が子のために、髪を売ったり、体を売ったり、前歯を売ったりしますが、それが原因で体を壊してしまいます。

ジャン・バルジャンは工場での解雇かいこがファンティーヌの破滅はめつ発端ほったんだと知り、彼女の力になろうと尽力じんりょくするのです。

 

【考察】罪とは何か

この本を読んでいてスゴく思ったのは、罪とは過去の出来事だということです。

確かに犯罪は良くない。

しかし、その罪についてどれだけ言及しても過去は変わらない。

犯罪を犯すような人間は性根がくさっているから心から改心することはないという考え方は、後ろ向きで消極的な考えだと思います。

罪は過去である

過去は経験である

よって、罪は経験である

どんな罪だろうとそれを経験として踏まえて、地に足をつけて生きていく原動力に変えてほしい。そんなふうに思います。

僕はジャン・バルジャンに贖罪しょくざいを求める気持ちはありませんでした。

 

読み方

ジャン・バルジャンとジャベールの二項対立という図式で、とても分かりやすくスラスラと読めました。

ジャン・バルジャンにスゴく感情移入してしまいました。

「犯罪は犯罪だろ」と思う人もいるかと思います。そんな場合は、犯罪を失敗に置き換えてみてはどうでしょう。この物語の見方が少しは変わってくると思います。

 

最後に

まずは漫画で読むことをオススメしていますが、書籍で読むのもいいと思います。

書籍は、図書館や中古本など、たくさんあると思います。

ぜひ探してみてください。

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よーいち

高校中退→ニート→定時制高校卒業→フリーター→就職→うつ→休職→復職|うつになったのを機に読書にハマり、3000冊以上の本を読みまくる。40代が元気になる情報を発信しています。好きな漫画は『キングダム』です。^ ^

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