まさに
悪魔の姉・神の弟
仲の良い姉弟〈テレサ〉と〈ユンク〉。 人間をはるかに超越した力に目覚めていく2人は、やがて神と悪魔の争いに巻き込まれていく——。
僕が大好きな漫画 『セイントデビル』を簡単3分でご紹介します。
結論
この本が教えてくれるのは、争いとは何かです。
感想
『セイントデビル』との出会い
20歳の頃に衝動買いした2冊の漫画が『セイントデビル』でした。
小さい頃から、天使や悪魔を題材とした話が好きでした。
でも、この作品はちょっと他の作品とは趣が違っていました。
簡単あらすじ
——ある暗い夜の海での出来事。
空が光りを発して一隻の船を消し去った。
船名はサン・オブ・サンタ号。排水量13600t。日本人の乗客は20名。
「おぎゃあ〜、おぎゃあ〜」と、どこからともなく聞こえる赤ん坊の鳴き声。その声はサン・オブ・サンタ号の救命ボートからのものだった。
小さなボートに横たわる女性と女の赤ん坊。女性は死んでいるのか、ピクリとも動かない。
すると、「うおおおお」という唸り声と共に男の赤ん坊が生まれ落ちた。
——15年後
双子の姉弟は成長していた。
姉は〈テレサ〉。弟は〈ユンク〉。
テレサは美しく、誰もがうっとりするほどだった。
ユンクはゴツゴツとした大きい図体に醜い面相をしていたので、誰もが気味悪がっていた。
なので、いつもテレサがユンクを優しい言葉で慰めていた。
2人の母というと、あれからずっと病院に入院していたが、何一つ喋ることはなく無表情な顔を浮かべているだけだった。
ある日、金持ちのお坊ちゃんが運転する自動車にテレサとユンクは弾かれてしまった。
ユンクは完全に車の下敷きになり、テレサは吹っ飛ばされて地面に倒れ込んだ。
すぐに救急車を呼ばなければならないところだが、金持ちのお坊ちゃんと男らはテレサのはだけた姿を見て邪な考えを抱くのだった。
覚醒
金持ちの坊っちゃんらは2人を倉庫に運びます。
ユンクの内臓は破裂していて意識はありません。
それをいいことに、男らは意識のないテレサの衣服を剥ぎ取りとました。
テレサは目を覚まし「ユンク! たすけて!!」と叫びます。
すると、それまで意識のなかったユンクが起き上がろうとします。が、すぐに彼らに叩きのめされてしまいました。
絶体絶命のピンチ。
その時、ユンクの中で力が目覚め、髪の毛が伸びると、男たちをボロ雑巾のように捻り潰してしまいました。
最後に残ったお坊ちゃんは鋲打ち銃をズドドっとユンクに向けて撃ちます。しかし、間髪テレサが前に入ると、鋲はユンクではなくお坊ちゃんの額に撃ち込まれたのです。
悪魔の力・神の力
テレサとユンクの2人は本能のままに超能力以上の力に目覚めていきます。
テレサの力
●物質置換
物の形を全く別の物に変える。
●テレパシー
遠く離れた人に意思を伝え、その相手を意のままに操る。
●念動力
念によって物を動かしたり破壊する。
●物質通過
無機質(生き物でない)ものを通り抜ける。
●幻惑
相手に幻覚を見せる。
ユンクの力
●怪力
鉄でも人間でも、簡単にひしゃげしまうパワー。
●体力・回復力
どれだけ傷つこうとも立ち上がることのできる頑丈な肉体。
●創造
無から物(現象)を創り出し、それを自在に操る力。
大天使・魔女・堕天使
神のリーダーには、大天使ミカエル。
悪魔のリーダーには、魔女イシュタル。
両者は、自分こそが正しく相手こそが間違っていると考えていて、決してお互いを認めようとはせずに争い続けています。
共通しているのは、超越した力を奮って相手を打ちのめし、己の正当性を誇示しようとしていること。
テレサとユンクの力が大きくなるにつれて神と悪魔の争いに巻き込まれていくのですが、ここで堕天使ルシフェルが登場して、この熾烈な戦いと2人の運命に拍車をかけていきます。
読み方
それまでは神や天使は絶対的に正しいものだと思っていましたが、これを読んで分からなくなりました。
なぜなら、神や天使は自分の考えを他者に押し付けていて、悪魔はそれとは別の考えを押し付けようとしているように見えたからです。
「本当の正義って何なんだろう」「悪とは何だろう」と考えさせられました。
テレサとユンクの出生の秘密とその運命が見どころです。
最後に
石川賢先生の作品は他にもたくさんあります。
ぜひ探してみてください。
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