【解説】山本常朝『葉隠』(まんがで読破)|結論|感想|読み方

茅葺小屋

まさに

世捨て人とリストラ侍

ワケあってリストラされた青年は、山奥に住むに元藩士の男から奉公の極意を享受する——。

よーいち
何のために働くのか、自分のするべきことが見えて来ました。

僕は【まんがで読破】の大ファンで、全139冊読んでいます。

今回はその中から『葉隠』を簡単3分でご紹介します。

結論

この本が教えてくれるのは、働く人のための実学です。

 

感想

『葉隠』との出会い

日本の哲学書は珍しく、興味が湧きました。

道徳論というよりもサラリーマンの仕事論のようです。

 

簡単あらすじ

武士

葉隠・格言

『武士道とは死ぬことと見付けたり』

これは〈山本常朝じょうちょう〉の『葉隠はがくれ』の有名な序文である。

『葉隠』とは、元佐賀・鍋島藩士なべしまはんしの常朝から武士道訓や個人の遺訓の他に、歴史・逸話・伝説・実話・人物評などを〈田代陣基たしろつらもと〉が聞き取り、さらに自分で調べた記録などを加えて整理してまとめ上げた書物である。


時は江戸時代

宝永7年(1710年) 肥前佐賀藩ひぜんさがはん——

佐賀・鍋島藩

ここに主君の城を離れて山里を目指す青年さむらい……田代陣基たしろつらもと・32歳。

13年余りご奉公していたが、理不尽な理由で免職されてしまったのだ。

——今から14年前の元禄9年(1696年)、19歳の頃、祐筆役ゆうひつやく(書紀)として城勤めをすることになった。3代城主〈鍋島綱茂なべしまつなしげ〉にお仕えし、大変充実した日々であった。

ところが——綱茂公つなしげこうが病気でご逝去せいきょされ、4代城主が〈吉茂公よししげこう〉の代になると——新しくやとわれる奉公人も増え、新旧の奉公人が心を合わせるものと思いきや……。

前藩主の持ち物を高値で売ってお金もうけをしようとする者や主君をそそのかして贅沢ぜいたくをしたり、不要な役職を作ってそこに身内を引き入れたりと、やりたい放題。

陣基つらもと〉はそんな不心得ふこころえな者たちに改心してもらうべくそれぞれに声をかけたのだが……皆知らん顔であった。

上の者へ意見してみたが……まともに取り合ってはもらえなかった。

そうこうしているうちに〈陣基つらもと〉は”目障めざわりなやつ”として目をつけられ、孤立していき、あらぬ噂を立てられ、次第に体調を崩して休みがちになると……さらに噂は輪をかけて膨れ上がった。

しまいには——噂は城主じょうしゅの耳にも入り、お役御免ごめんとなってしまった。


そんなわけで〈陣基つらもと〉は失職以来、失意のどん底である。

失意の田代陣基

「いっそ……佞臣ねいしん(不正な臣下しんか)どもを切り捨てて、私もその場で腹を切って果てようか……」などと考えていると、来客が見えた。

訪れたのは〈陣基つらもと〉の元同僚の先輩〈金丸郡右衛門かなまるぐんえもん〉だった。〈郡右衛門ぐんえもん〉は突然免職になった〈陣基つらもと〉を心配して来たのだ。

陣基つらもと〉が城内の愚か者を斬り自決する旨を伝えると、〈郡右衛門ぐんえもん〉は「この機会に本当の武士道の覚悟やお家への真のご奉公を知りたいと思わんか?」と、〈山本常朝じょうちょう〉の元に行くよう勧めた。

〈山本常朝じょうちょう〉は北の金立山きんりゅうざんふもといおりにいるという……。

 

山本常朝という男

陣基つらもと〉は〈郡右衛門ぐんえもん〉に言われた通りに道を進んでいくと、人里離れた寂しげな所にいおりを見付けた。

常朝じょうちょう〉は〈郡右衛門ぐんえもん〉の便たよりで〈〈陣基つらもと〉の事情は飲み込んでくれていた。

山本常朝

陣基つらもと〉は悩みを解決してもらって早く勤めに復帰するぞと意気込んでいたが……「風紀乱れるところに油断あり!」と〈常朝じょうちょう〉がピシャリ。

常朝じょうちょう〉は説きます。「お家の若い衆は大きな油断の中にいる。今、多くの者たちは自分の職務に興味を持たず、他人の仕事ばかりを気にしている。古臭いものを嫌い、新しいもの、贅沢なものだけを好んでいる。そして、今の殿様は生まれた時からおだて慣れて全く苦労がなく、わがままになり、この緩みから不心得者が入り込んでくるのだ」

「どうしたら奉公人の風紀がよくなるのでしょうか?」〈陣基つらもと〉は聞きました。

「国学を学ぶことである」と〈常朝じょうちょう〉は言います。「当家とうけの歴史や伝統を知る必要がある。常に先人の苦労やそのときの教訓をあがめるのだ。お家の歴史や伝統を知らないから物事の正邪に無関心になり、世渡りの知恵だけを身につけようとするのだ」

陣基つらもと〉はお家のことを詳しく知らない自分が恥ずかしくなってきました。

 

反骨精神

『葉隠』は『武士道』とは違い、組織の中での働き方を示してくれています。

これを読むあなたは「職場を改善したい」と思っているのではないでしょうか。

それに、何もできない自分自身にも腹が立つ……それはあなたが徳を愛し悪を憎む、反骨精神を持っているからです。

だったら、私たちは一体どうすればいいのでしょう。

 

読み方

江戸時代にも職場の悩みを抱える人がいたことに驚きました。

戦乱の世が終わって太平たいへいになり、いつの間にか武士道が忘れ去られ、口が上手い世渡り上手な人がのさばっていく世間にウンザリする。

読む前は「いい人になるぞ!」「不正を正すぞ!」と考えていましたが、純粋に貢献する道に軌道修正してくれました。

職場での気苦労が多い昨今、『葉隠はがくれ』の教訓は今を働く私たちに必要な精神なのかもしれません。

 

最後に

まずは漫画で読むことをオススメしていますが、書籍で読むのもいいと思います。

書籍は、図書館や中古本など、たくさんあると思います。

ぜひ探してみてください。

【中古】 葉隠(文庫版) まんがで読破/バラエティ・アートワークス(著者) 【中古】afb

価格:550円
(2023/3/9 17:52時点)
感想(0件)

  • この記事を書いた人
  • 最新記事

よーいち

高校中退→ニート→定時制高校卒業→フリーター→就職→うつ→休職→復職|うつになったのを機に読書にハマり、3000冊以上の本を読みまくる。40代が元気になる情報を発信しています。好きな漫画は『キングダム』です。^ ^

-まんがで読破, 学べるマンガ
-,

© 2024 Powered by AFFINGER5