【解説】スタンダール『赤と黒』（まんがで読破）｜結論｜感想｜読み方

よーいち

主人公が本当に手に入れたかったものは何なのか痛感しました。そして自分も……。

僕は【まんがで読破】の大ファンで、全139冊読んでいます。

今回はその中から『赤と黒』を簡単3分でご紹介します。

結論

この本が教えてくれるのは、権力とは何かです。

感想

『赤と黒』との出会い

日韓合作ドラマ『赤と黒』を先に観ました。

愛憎ドロドロ、わびしさが溢れていました。

「原作はきっと違うんだろうな」と、興味が湧きました。

簡単あらすじ

19世紀初頭　フランス　

小さな町・ヴェリエールにナポレオンに憧れる青年〈ジュリアン・ソレル〉。

「赤の時代は終わった……。いや、まだチャンスはある！　司祭の道がある。司祭なら、生まれに関係なく頂点に立てる。教会には貴族と同等の権力がある。そのためなら、聖書でもラテン語でもなんでも必死で勉強してやる」

ジュリアンはある日、〈レナール町長〉の息子の家庭教師に働くようにと、師〈シェラン司祭〉から勧められた。

家庭教師になったら出世もなにもないじゃないか。

しかし、シェラン司祭の「下男としてよりむしろ貴族と同等の扱いを受ける」という言葉を聞いて、ジュリアンは快く引き受けることにしました。

「貴族である町長に気に入られれば出世に有利だ。僕が貴族を利用すればいいんだ！！」

レナール家

レナール家の屋敷は広く立派でした。

「何かご用？」ジュリアンに後ろから声をかけたのはレナール夫人〈ルイーズ〉でした。

ルイーズはジュリアン目を奪ってしまうほど美しい貴婦人でした。

この家でのジュリアンの世話は、使用人〈エリザ〉がすることになりました。ジュリアンはシャツをあまり持っていないので、毎日洗濯を頼みました。

ジュリアンの努力の甲斐あって、程なくしてレナールの息子たちになつかれる存在になっていました。

ある日、ルイーズがエリザが洗濯しているのを見て「今日も先生の服をお洗濯するの？」と聞きました。

「実は……」エリザはその理由をルイーズに話します。

ルイーズはいつも頑張ってくれているお礼にと言ってジュリアンにお金を渡そうとしました。

しかし、ジュリアンは「ほどこしを受ける気はございません」と突き返します。見下された気がしたのです。

ルイーズがそのことを夫に話すと「貴族の申し出を断るとは生意気な！」と激しく怒りました。

ルイーズは1人になってから、夫の態度に感じた違和感について考えていました。

「夫の考え方は貴族のプライドと優劣が基準になっている。それに比べてジュリアンは純粋そのものだわ……」

ある日、使用人のエリザはルイーズに「シェラン司祭に告解こっかいをして、ジュリアンとの婚意を伝えてほしいとお願いした」と言いました。

シェラン司祭からそのことを聞いたジュリアンは強く断ります。

「僕は頂点に立つんだ。そして、生まれや階級に左右されるこの偽りの世の中を僕が否定してやる！」

結婚を断られたエリザを不憫ふびんに思ったルイーズはジュリアンに本心を聞きに行くと、ジュリアンは「気持ちは嬉しいが、僕はエリザを愛していないのです」とキッパリ答えました。

ルイーズは自分がジュリアンに恋をしていることに気づいてしまったのです。

ジュリアンという男

平民出身の身でありながら女性に恋心を抱かせるジュリアン。彼はどんな人物だったのでしょう。

●容姿

……レナール夫人ことルイーズいわく、女の子みたいでかわいい人。

漫画で見る限り、髪の毛は口元まであるロングヘアで、顔立ちは幼さが残る綺麗な顔です。

●学識

……ラテン語ができる。

……聖書を暗唱あんしょうできる。

ジュリアンにとっての勉学は成功への架け橋。そのための努力は惜しみません。

●性格

……上昇志向が強く野心家でプライドが高い。

……貴族に憧れ、貴族を軽蔑している。

からかわれたり、馬鹿にされたりするのを嫌っているところから、自尊心の強い性格がうかがえます。

読み方

常に主人公の心の中にあるのは”怒り”でした。

才色兼備な青年は自身の溢れるエネルギーで立身出世の道へと突き進んでいきます。

果たして、ジュリアンは出世できるのか。輝かしい人生を手に入れることができるのか。

そしてその怒りがどう消化されていくのかがこの作品の1番面白いところです。

最後に

まずは漫画で読むことをオススメしていますが、書籍で読むのもいいと思います。

書籍は、図書館や中古本など、たくさんあると思います。

ぜひ探してみてください。

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