【解説】永井豪『魔王ダンテ』|結論|感想|ハイライト

 

デーモン イメージ

まさに

神魔大戦

突如、上空に降り立ったエネルギー体は自らを神と名乗り、人類の服従を強要し、全世界に向けて攻撃を開始した——!

 

よーいち
グッと胸が熱くなるのはこの作品が”革命”の物語だからだと思います。常識を疑え!

僕が大好きな漫画 『魔王ダンテ』を簡単3分でご紹介します。

 

■結論

この本が教えてくれるのは、何が正しくて何が間違っているのかです。

 

■感想

1994年、スーパーファミコンの『LIVE A LIVEライブ・ア・ライブ』が大好きでした。

幾人の主人公から選ぶタイプのRPGで、その最後の主人公がなんと〈魔王〉で、そのキャラの名前をなぜか〈ダンテ〉にしてプレイしていました。

『魔王ダンテ』のことは全く知りませんでしたが、魔王・ダンテという名前の取り合わせが不思議としっくり来て、お気に入りの名前でした。

 

簡単あらすじ

※1971年に連載された未完の『魔王ダンテ』は2002年に永井豪先生ご自身によってリメイクされました。

今回は2002年版の『魔王ダンテ』をご紹介します。

 

宇宙空間に眩い光を放つ光体。

——そいつは宇宙の彼方より意思あるもののように飛んでいた。そいつが地球に向かったのは地球に生命と心を持つ存在を感じたからに違いない。

 

〈ダンテ・ルーサー〉が悪夢から目覚めて朝食を摂っていると、外に美女が車で迎えに来た。

美女はダンテを「博士」と呼び、車を走らせた。

ダンテはわずか13歳で大学院を修了し、16歳から特殊な化学兵器の開発にたずさわっていた。現在は19歳、兵器工学の博士となっていた。

そして車を運転する美女の名は〈メドッサ〉。美人ぞろいの有名なゴーゴン家の三姉妹の1人だ。

——と、車が急に止まった。

計器類がメチャメチャな動きをしていると言う。他の車も止まっていて動けないようだ。

すると、空に大きな青い光の塊が出現。あたりは夜のように暗くなった。

青い光は稲光いなびかりを発しながら降りてくると、巨大な光の影となって人類にこう言った。「我は神! 我は神なり! 宇宙を統べる者。地球人類に告ぐ。我に従え!」

 

神と人類の戦い

人間たちは神と名乗るエネルギー体に驚きと嫌悪感を覚える。

「神だと! 化け物め!」「邪悪な魔物に見えるぞ」「神であることを証明しろ!?」

人間が口々にまくし立てると神は爆風を起こして人間たちを次々に殺し始めた。人間たちは圧倒的な力を目の当たりにして一目散に走り始める。街は一瞬にして恐怖と地獄に変わった。さらにエネルギー体はその姿を龍のような形や鬼のような形に変えていく。

神は己の目的を言う。「我ラ神々は遠イ昔ニ失ッタ肉体ヲ求メテ宇宙ヲ旅シテイル! 我ラニ肉体ノ提供ヲ同意スレバヨシ。サモナクバ……コノ世ハ地獄ト化ス!」

逃げるダンテとメドッサの前に特殊飛行機に乗った〈サタン〉が駆けつけた。「乗れ!」


——国立科学研究所

ダンテは仲間と合流する。

サタンと双子の妹〈ルシファー〉、研究員〈アスタロト〉〈アスモデウス〉〈バール〉〈アモン〉〈ベルゼブブ〉は自分たちが造ったマシーンに乗り込む。

——その名も、超兵器ディモン!  それは操縦者パイロットのイメージを増幅し、物理現象を起こす究極の超能力兵器!

「念じろ! ディモンは操縦者パイロットの念じる精神力を増幅してエネルギーとしてぶつけることができる!」

しかし、エネルギー体の神には大したダメージを与えられない。みんなで協力して一斉に精神エネルギーをぶつけ、離散した神に追い討ちをかけようとするが、今度は巨人が現れる。巨人の名は〈アダム〉

ダンテらがアダムに手こずっていると、ダンテは背後から神の炎を直撃してしまった。それは肉体のみならず精神まで焼き尽くす超絶の炎だった!!

神の炎に焼かれながらダンテは叫ぶ。「死なぬ!! 死んでたまるかー!」

 

魔王ダンテ誕生

憤慨するダンテは機体と共に姿を変えていく。

巨大な魔獣の姿——怒りと復讐の魔王ダンテと化したのだ!

他の仲間もダンテと同じように神の攻撃を受けて変身する——それは、後の世で悪魔と呼ばれる伝説の怪物達の誕生の瞬間!!

ダンテは巨人・アダムをたやすく撃破する。

人類の、ダンテたちの反撃に形勢を不利とみた神は己の体を小さく分裂し、人間や動物の中に入り込んだ。つまり、その体を乗っ取ったのだ。

それは戦争。

神と悪魔の超能力戦争だった!! 海は逆巻き、大地はうなりを上げて割れた!

しかし、激しい戦いの末、魔王・ダンテは地中深くに封印されてしまう。だが、ダンテの魂は神の気付かぬところで飛び出していった。

「負けぬ! 何度死のうがよみがえるぞ!!」

 

そして舞台は現代へ

主人公は〈宇津木涼〉——ダンテの生まれ変わり。

ダンテだった頃の記憶を失い、普通の高校生として生活している。

しかし、刻一刻こくいっこくと戦いの時は迫っていた。悪魔退治する神側の集団と魔王復活を目論もくろむ悪魔側の集団が動き出す。

※現代の宇津木涼のストーリーは初期『魔王ダンテ』と時代設定は重なっていますが、内容は微妙に違っています。

 

■読み方

初期『魔王ダンテ』は文庫本2冊。2002年版『魔王ダンテ』は単行本4冊。

両方読んで違いを楽しむと言うよりは、永井豪先生の描きたかったテーマがより鮮明に見えてくるという感じです。

もちろん、どっちから読んでもメチャクチャ面白いです。デビルマンの原型とも言われています。

正義と思っていたことが実は悪だったのか!? 正義ってなんだ? と、あなたの新しい価値観を発見させてくれるとともに、メラメラと生きる力が湧いてきます。

 

弱りきった僕に生きる力を与えてくれました。

固定観念をぶっ壊してくれる作品です。

 

■ハイライト

・主人公は悪魔

・敵は神

・善悪が逆転した世界

・巨大な神魔と極小な人間たち

・理由なき悪意

・どっちが正しいのか、間違いなのか

・1971年版は未完。リメイク版が2002年に発売。テーマは同じだが、内容は違う。

↓こちらが2002年版

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↓こちらが1971年版

 

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よーいち

高校中退→ニート→定時制高校卒業→フリーター→就職→うつ→休職→復職|うつになったのを機に読書にハマり、3000冊以上の本を読みまくる。40代が元気になる情報を発信しています。好きな漫画は『キングダム』です。^ ^

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