PBRで企業の安全性を推し量ろう【企業分析編】【3】長期的な成長を見越した投資

 

バフェットの言葉

世界で最も成功した投資家 ウォーレン・バフェットにこんな言葉があります。

愚か者でも経営できるビジネスに投資をしなさい

なぜなら、いつか必ず愚かな経営者が現れるからだ

 

要約すると、どんな経営者が企業を牽引することになっても利益に影響を受けないビジネスに投資をしなさい、という意味です。

 

経営者が代わって売り上げや利益が激減する場合があります。

 

しかし、それでもビクともしない経済性を持ったビジネスは民衆に長年親しまれています。

 

たとえば、バフェットが投資してきた『コカ・コーラ』はその独自性とネームバリューがあり、味や品質が変わらない限り、おそらくこらから先も多くの人に愛され続けるでしょう。

 

バフェットは、長期投資をする上で経済性に富んだビジネスを選ぶことを薦めているのです。

 

 

PBRとは

PBRとは株価純資産倍率のことです。

純資産から見た株価の割安性を判断するための指標です。

 

PBRは、株価 ÷ 1株あたりの純資産(BPS)で計算することができます。

 

BPSは、純資産 ÷ 発行済株式数で計算することができます。

 

PBRの適正値は1倍とされ、1割より低いと割安、1割より高いと割高とされています。

 

PBRで分かること

PBRで分かること——それは、資産から見た株価の割安性です。

平く言うと「この株は買い?」というのを判断するものです。

 

株価が高いからといって資産をたくさん持っているとも限りません。

株価が低いからといって資産が少ないとも限りません。

株価は需要と供給で成り立っているため、投資家が売買した際に激しく騰落します。

だから、純資産が多いからといって投資対象と対象と言い難いものがあります。

 

では、どうやって企業の資産価値を見極めればいいのか——その目安となるのが「PBR」です。

 

純資産から見た株価

純資産は企業の資産価値(解放価値)です。

 

株価が企業の資産価値に対して割高か割安かを判断する目安として使われています。

 

BPSの目安は1倍です

 

PBR(1株あたりの純資産)が1倍ということは、株価とBPSが等しく、株価と企業価値が等しいということ。

 

仮に、会社が解散した場合、理論上は株主に投資額がそのまま戻ってくるとされています。

(解放価値と呼ばれています)

逆に1倍を下回る場合、投資額以上のお金が戻ってくる計算になります。

 

 

もしもでPBRを実感してみる

A企業とB企業の資産で考えてみます。

(基準は、純資産=5000万円 発行済株式数=10万株 株価500円)

 

純資産が違う場合

A企業 B企業
純資産 5000万円 1000万円
株価 500円 500円
発行済株式数 10万株 10万株

 

A企業の純資産は5000万円。PBRは1倍です。

BPS=5000万 ÷ 10万株=500

PBR=株価500円 ÷ BPS500=1

 

B企業の純資産は1000万円。PBRは5倍です。

BPS=1000万÷ 10万株=100

PBR=株価500円 ÷ BPS100=5

 

A企業の純資産は5000万円でPBRは1倍。

B企業の純資産は1000万円でPBRは5倍。純資産が低いためにPBRが高くなっています。

 

B企業は資産から見ると、割高と判断することができます。

 

株価が違う場合のPBR

A企業 B企業
純資産 5000万円 5000万円
株価 500円 1000円
発行済株式数 10万株 10万株

 

A企業の株価は500円。PBRは1倍です。

BPS=5000万 ÷ 10万株=500

PBR=株価500円 ÷ BPS500=1

 

B企業の株価は1000円。PBRは2倍です。

BPS=5000万 ÷ 10万株=500

PBR=株価1000円 ÷ BPS500=2

 

A企業の株価は500円でPBRは1倍。

B企業の株価は1000円でPBRは2倍。

 

株価が安いA企業のほうが割安といえます。

 

発行済株式数が違う場合

A企業 B企業
純資産 5000万円 5000万円
株価 500円 500円
発行済株式数 10万株 100万株

 

A企業の発行済株式数は10万株。PBRは1倍です。

BPS=5000万 ÷ 10万株=500

PBR=株価500円 ÷ BPS500=1

 

B企業の純資産は1000万円。PBRは20倍です。

BPS=5000万÷ 100万株=50

PBR=株価500円 ÷ BP50=10

 

A企業の発行済株式数は10万株でPBRは1倍。

B企業の発行済株式数は100万株でPBRは10倍。

 

仮に解散になった場合、A企業の10万株よりもB企業の100万株のほうが分配数が多くなるわけですから、分配金もおのずと下がるのも頷けます。

つまり、同じ資産で発行済株式数が少ないA企業のほうが割安で安全な投資といえます。

 

 

リスク回避の指標

PBRの数値は、純資産・株価・発行済株式数によって変動します。

 

万が一、企業が解散した場合を考えて、資産が多い企業に投資しておけば安心というものです。

 

できるだけ損をしないためにPBRは必ず見ましょう。

 

目安は1.5倍以下とされています。

 

 

PBRの実例

実際の企業のPBRはどんなものなのか、見ていきましょう。

 

企業名 任天堂 トヨタ自動車 ファーストリテイリング
実績PBR 3.88倍 1.48倍 7.41倍

※2024年3/18 SBI証券のサイトを参考に作成(3社のデータ更新日は誤差あり)

 

・ゲームメーカーの任天堂のPBRは「3.88倍」でやや高めです。

・トヨタ自動車のPBRは「1.48倍」で割安です。

・ファーストリテイリング(ユニクロ・GUの親会社)のPBRは「7.41倍」で高めです。

 

安全な株を探そう

PBRは低いほど割安、安全性が高いとされています。

 

けれども、数値ばかりに目がいってはいけません。

 

企業の業務や流行をチェックすることも大事ですし、同じ系列の会社のPERとPBRを見比べてみると、その業界の知識も深まります。

 

パッと見て「割高か」と思っても、その業界では平均的だったり割安な場合もあります。

 

 

PBR まとめ

おさらいをしておきましょう。

・PBRは、『株価 ÷ 1株あたりの純資産(BPS)』で求められる

・PBRは安全な株を買う目安になる

・PBRが低ければ、(理論上は)企業が解散しても投資額は株価以上還元される

・万が一のリスクを心に留めておこう

・PBRは1.5倍以下が安全とされている

・PBRが低く、長期投資が期待できる企業を探してみよう

・同じ系列の企業のPBRを比べて、その業界の知識を深めよう

 

100%安全で元本が保証される企業はありません。

 

だからこそ、リスクを回避する意味でも、割安株を買う意味でも、このPBRが重要とされています。

 

また、バフェットは投資をする際、『企業の一部を所有するつもりで買う』とも言っています。

 

PERやPBRの数値だけを見て判断するのではなく、企業の長期的な成長も見越して投資をしていくことが大事だということが分かります。

 

 

 

⚠️この記事でご紹介した投資の方法や見解は一つの見方で推奨するものではありません。

投資は自己責任でお願い致します。

 

 

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よーいち

高校中退→ニート→定時制高校卒業→フリーター→就職→うつ→休職→復職|うつになったのを機に読書にハマり、3000冊以上の本を読みまくる。40代が元気になる情報を発信しています。好きな漫画は『キングダム』です。^ ^

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