まさに
民族戦争
3人のアドルフとドイツ人・ユダヤ人・日本人の物語。
僕が大好きな漫画 『アドルフに告ぐ』を簡単3分でご紹介します。
結論
この本が教えてくれるのは、戦争が起こる理由と戦争を終わらせる方法です。
感想
『アドルフに告ぐ』との出会い
ヒトラーが理解できませんでした。
何が彼をそれほどまで殺戮へと駆り立てたのか。
どうして民衆はヒトラーを支持したのか。
簡単あらすじ
これは、アドルフと呼ばれた3人の男たちの物語である。
昭和11年(1936年)8月
新聞記者の〈峠草平〉はベルリンオリンピックを取材しに来ていた。
急に外線が入り、電話に出ると、弟の〈勲〉だった。
何やら、元気がなく、焦っているようだった。そしてこう言う。「にいさん。あさっての夕方、8時に来て。重大な話がある」〈草平〉が茶化すと〈勲〉は怒鳴った。「あるものをにいさんに渡したい」
この品物が公開されたらヒトラーは失脚し、ナチスはひっくり返ると言う。
——しかし〈草平〉は遅れてしまった。約束の8時に。
〈勲〉のアパートの部屋に入ると酷く荒らされた跡があった。メモ紙に”R.W”の書き置き。
窓から下を見下ろすと並木に〈勲〉が引っかかっていた。しかも、血だらけで。
……〈勲〉は息絶えていた。
すると、数人の警官がやってきて「〈勲〉を警察署へ運ぶのであなたはあとから来てください」と言って車に乗せて行ってしまった。
警察署に向かう途中、〈草平〉はある殺人事件を思い返していた。
兵庫県川辺郡小浜町村の山林で発見された芸者の絞殺事件だった。
その時〈峠草平〉は仕事で来ていたのだった。
その芸者と弟〈勲〉の共通点——それは爪の間の白い粉だった。石膏の粉か……。
芸者は芳菊という置き屋の芸妓で、名を〈絹子〉だと明らかになった。
捜査本部では〈絹子〉に関わりのある人間を洗ったが、実業家や政治家などもいたため、捜査は難航した。
結局、事件は迷宮入りになりかけた時、〈草平〉は担当から戻されてベルリンへ派遣されることになったのだった。
警察署に着いた〈草平〉は驚いた。
なんと、〈勲〉の遺体が来ていないと言うのだ。
西地区、東地区、北地区、どこに行ったのか分からない。
アパートに戻ってみると、〈勲〉の住んでいた部屋は別の人間がいて、5年前から住んでいると言う始末。
〈草平〉は何が何だか全く理解できない。
しかし、〈草平〉には手がかりが2つあった。謎のメモ”R.W”と〈勲〉の指についた白い粉だ。
死の謎を追って
〈草平〉は弟を殺した犯人を捕まえるために、尋ね人の広告を出すことにした。
さっそく連絡があった。
〈オットー・フリック〉と名乗る百姓だった。彼は〈勲〉を郊外のニュースタンスドルフ村で見たと言う。
もう1人、〈リンダ・ウェーバー〉と名乗る若い女性がやって来ていた。イニシャルはR.W。
彼女は〈勲〉が死んだことを知ると、だったらもう用はないとばかりに帰って行ってしまった。
ニュースタンスドルフ村に着いた〈草平〉はまた驚いた。
〈オットー・フリック〉の一家は皆殺しにされていたのだ。
ふと窓の外を見ると一本の木があり、木の下の地面がわずかに盛り上がっている。しかも、そこだけに草が生えていない。
〈草平〉はそこを掘ってみた。
すると土の中から出てきた……〈勲〉の死体が。
突然、黒服の男たちがやって来て、〈草平〉は拉致されてしまう……。
3人のアドルフ
生まれも人生も違う3人ですが、運命は彼らを結びつけます。
●ナチス・ドイツの総統〈アドルフ・ヒトラー〉
●ナチスの父と日本人の母を持つ〈アドルフ・カウフマン〉
●その親友のユダヤ人〈アドルフ・カミル〉
昭和11年 神戸
〈アドルフ・カウフマン〉は学校の同級生からイジメられていた。
そんな時に助けてくれるのは親友でありユダヤ人の〈アドルフ・カミル〉だった。
しかし、〈アドルフ・カウフマン〉の父は「ユダヤ人とは付き合ってはいけない」と彼を叱りつけた。
ある日、ユダヤ人の〈アドルフ・カミル〉は、自宅で父がお客と話し込んでいた会談の内容を、こっそり盗み聞きしてしまう。
それは、ナチスの命運を揺るがしかねない〈アドルフ・ヒトラー〉の秘密だった……!
ドイツ人・ユダヤ人・日本人
ヒトラーは純粋なドイツ人こそがを優れた人種(=アーリア人)だと公言し、それ以外の人種を劣等民族としました。
ヒトラーはユダヤ人に異常なまでの殺戮を開始します。
ユダヤ人の一部の人はドイツの地を離れ、世界各地に離散します。〈アドルフ・カミル〉の家族はドイツから逃れてきたのです。しかし、住み着いた神戸が安住の地とは限りませんでした。
日本人はドイツ人にもユダヤ人にも深く関与していません。
ユダヤ人とは
ユダヤ人とはユダヤ教を信仰するユダヤ教徒のことです。
古代のユダヤ人は戦争に負けて祖国を失い、列強国の奴隷となり、やがて世界に散り散りになった民族です。
祖国がないので帰る国もなくいつもアウェーで肩身の狭い思いをしています。
読み方
いつまでも続く恨みの連鎖が胸を打ちました。
3人のアドルフは、文字だけの歴史書に彩りを加えてくれました。
僕は文庫本(全5巻)を10時間くらいかかって読みましたが読み応えは十分、すごく面白かったです。
最後に
原作コミック、文庫本があります。
ぜひ探してみてください。
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