まさに
革命殺人事件
知的な精神異常者、社会の混乱を画策する者、人神思想を抱く者。 反政府組織に所属する〈シャートフ〉の離反をきっかけに世にもおぞましい事件が——。

僕は【まんがで読破】の大ファンで、全139冊読んでいます。
今回はその中から『悪霊』を簡単5分でご紹介します。
結論
この本が教えてくれるのは、あなたの生きる道です。
感想
『悪霊』との出会い
『罪と罰』を読みました。
まるで自分の身に起きたようなリアルがそこにありました。
『悪霊』もその当時の社会的な問題を取り上げた物語のようです。
簡単あらすじ
この物語はロシアの地方都市で起きた、あるおぞましい事件の顛末である。
その中心となった人物〈ニコライ・スタブローギン〉。
ニコライは地主で資産家の一人息子である。父とは死別している。
学習院を卒業するとペテルブルグで軍務についた。裕福な家柄と優れた学識と腕力、そしてその美貌で上流社会で名声を得ていった。
だが、彼は異常な行動を起こすようになる。
●馬に乗って街を暴れまわり、人を踏み潰したり……
●ある貴婦人と関係した上で公然と彼女を侮辱したり……
●やたらと因縁をつけて決闘騒ぎを起こしたり……
●その悪行を咎めた上官に決闘をけしかけて殺したり……
彼は裁判にかけられ、相応の処罰を受ける……ハズだった。
彼は自ら精神鑑定を要請し、その結果……精神異常が認められた。判決は「精神異常による錯乱行為であり罪の責任を負えない」——つまり、無罪放免となったのである。
その一件の後から彼に向けられる目は概ね2種類に分かれた。「憎悪と侮辱」そして「畏敬と羨望」
彼はとりわけ「畏敬と羨望」を注ぐ連中とつるむようになった。
その中でも特筆すべき人物〈ピョートル・ベルホベンスキー〉〈イワン・シャートフ〉〈アレクセイ・キリーロフ〉〈イグナート・レビャトキン〉——この4人こそ、おぞましい事件の当事者たちなのである。
もっとも心を痛めたのはニコライの母〈ワルワーラ夫人〉である。判決の後、ニコライに病気療養の名目で欧州外遊を勧めた。ニコライもあっさりと承諾。ピョートルが彼の後を追った。
それから3年後
町では妙なビラが配られていた。
「斧を手に取れ 自由と平等のために」
ピョートルの父〈ステパン・ベルホベンスキー〉は嘆いていた。
シャートフは「自由と平等を民衆に知らしめる必要性は認めるが、そのビラには破壊のみが求められている」と否定します。
と、ニコライとピョートルが帰ってきました。3年ぶりの再会に皆歓迎しています。
するとニコライの母・ワルワーラ夫人が困った顔をして口を開きます。最近届いた手紙に、ちょっと前から街に住むようになった気のおかしな女〈マリヤ〉とニコライが婚姻関係にあるのでバラされたくなければお金をよこせ、といった内容が書かれていたと言います。「こんな話……デタラメよね? ニコライ」
ニコライはにっこり笑って「もちろんですよ。そんな事実はありません」と答えます。
それを聞いていたシャートフは思わずニコライを顔を殴ります。
しかしニコライは怯まずにシャートフを睨みつけ、無言で彼に迫ります。
「……!!」シャートフは足早に去っていきます。ワルワーラ夫人は怒り喚いています。
ピョートルはシャートフを言い止めました。「待てよ! なんであんなこと……」
「君には関係ない!」
「関係あるね! 俺たちは仲間だろ? 組織の!」
「僕は組織を抜ける……」
シャートフは次の会合にだけは参加することを約束して帰っていきました。
ニコライの思想
シャートフは自宅のアパートに着くと、隣人で親友の〈アレクセイ・キリーロフ〉を訪ねました。
シャートフはキリーロフを見て「顔色が悪いな。また寝てないのか?」と心配します。
「ああ、ずっと考えてるんだ」とキリーロフは言います。「人間はなぜ……自殺しようとしないのか?」
キリーロフの持論は以下の通り
人が不幸な理由は自分の幸福が分からないから。
人が生きるのは自分の死が分からないから。
しかし、死の恐怖は未知ではない。なぜなら人はいずれ死ぬことを知っているから。
だとすれば、死の恐怖とはどこからくるのか……即死であれば恐怖を感じる暇もない——つまり、死の恐怖とは”あの世”なのだ。
人は”自殺”しないように神をつくり、”あの世”をつくり、人が死の恐怖を理解しようとすることをやめさせたのだ。
だから、俺(キリーロフ)は恐怖と苦痛に打ち勝つための方法が”自殺”だと考えている。
シャートフはキリーロフに気遣いの言葉を言うと部屋を後にしました。
自室へ戻ると、ニコライがいました。「やっと戻ったか……。鍵が開いていたから勝手にあがらせてもらったよ」
「何をにしここへ来たんですか?」
「……なぜ僕を殴った? マリヤとの結婚のことで殴ったんだろ?」
マリヤは哀れな女でした。周りの人から蔑まされ、嘲笑され、兄からは虐待を受けている。しかし、そんな彼女にニコライは紳士的に接した。それでマリヤもニコライに好意を寄せていった。
それに、ニコライはシャートフに以前こう言った。
”世界を救うべき神の体得者たる唯一の国民はロシア人である”
なのにキリーロフには背信と不信を説いた。キリーロフが狂気じみた考えに取り憑かれてしまったのはニコライが原因だった。シャートフにはニコライが何を考えているのか全く分からない……。
シャートフはニコライにこう言う。「あなたは……悪魔のような人だ……」
ニコライは去り際にこう言う。「それなら君は悪霊だ」
当時の社会背景
1853年〜1856年 クリミア戦争で敗北
不凍港を手にして貿易をしたかったロシアにとって、この敗北は経済発展の方向性を見失った時期でした。
その後、皇帝は農奴解放令を布告しますが、農民が土地を得るためには多額の支払いを余儀なくされたため、専制による社会矛盾が露呈するに至ります。
そういったことから、皇帝政府に対する不安と不満が強まり、多くの国民が革命への漠然とした期待を抱くようになりました。
しかし、自由主義や民主主義はヨーロッパで生まれた思想でロシア人のものではないのでうまく馴染まず、ファンタジーに成り果ててしまっていたのです。
バラバラ
この物語の登場人物は皆考えがバラバラなことに気づきます。
●生きようとする人
●死のうとする人
●革命を起こすと言って動乱を起こそうとする人
●組織に従う人
●暴動を起こす人
●諦める人
●無関心な人
●自分の利益しか考えない人
●そんなロシア人を憂い嘆く人
このほとんどの人が何らかの悪霊に取り憑かれた人たちです。
読み方
生まれも育ちも違う人には、考え方も生き方もそれぞれに合ったものがある。
例えば、水が豊富な土地で作られるお米を乾燥している地域で育てようとしてもうまくいかないのと同じです。
現在でも、体のいい格言に酔って自分の置かれている状況が見えていない人をよく見ます。
キラキラして見える異国の思想に酔って現実を見失う若者を見て、ドフトエフスキーは「もっと伝統(周りの人)を大事にしてほしい」と憂いていたのではないでしょうか。
最後に
まずは漫画で読むことをオススメしていますが、書籍で読むのもいいと思います。
書籍は、図書館や中古本など、たくさんあると思います。
ぜひ探してみてください。
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