まさに
VS巨獣
勝てるはずがない! 無慈悲な戦いに身を投じる、1人の剣士の物語。これぞ、ダークファンタジーの最高峰。
妖精、精霊、魔法使いが存在する世界でありながら、トロールやケルピーなどの幻獣、魔獣、怪物も存在する世界。
結論
この本が教えてくれるのは、男の戦いです。
感想
『ベルセルク』との出会い
1995年頃、弟が集めていた漫画がありました。
「これ、面白いから読んでみて」と、数冊渡されました。
絵はリアルタッチな画風で、中世ヨーロッパを舞台とした世界観でした。
「面白そうだな」と思い、読み進めていると、普通の漫画とは全く違う作品であることを知ります。
敵が強すぎる
敵は身の丈数十メートル。まるで怪獣です。
圧倒的なパワー、悪魔的な残虐性、おまけに傷を負っても自動で修復してしまう。
レベル1〜2でラスボスと戦うような感覚です。
〈主人公・ガッツ〉は剣に腕がある剣士のようですが相手が悪すぎます。
「勝てるわけない」と、口からこぼれます。
(しかし、漫画なのだから負けるはずがない。どうにかして勝つに決まっている。でも、どうやって!?)
そんなことを思っていると、主人公は瀕死でボロボロになりながら泥臭い勝ち方をします。
正々堂々と必殺技なんかでカッコよく勝つのではなく、己の力のみで勝つのです。
それはただの命の取り合いでした。
邪神と闘う物語
コミック3巻。巨獣との戦いが終わると、物語は突然、〈主人公・ガッツ〉の子供の頃に遡ります。
ガッツの誕生、血にまみれた境遇、仲間との出会い、そして運命の悪夢が語られると時代は再び現代に戻り、ガッツの旅が描かれていきます。
この物語を簡単に言うと、〈邪神と戦う男の物語〉です。
最初に〈VS巨獣〉と言いましたが、その巨獣には親玉がいて、それは〈ゴッドハンド〉と呼ばれていることが分かってきます。
それは天使なのか悪魔なのか地獄の番人なのか、その正体は不明です。
分かっているのは、ゴッドハンドが巨獣の主人であり、世界の支配者だということです。
唯一のデメリット
すっかり『ベルセルク』の虜になった僕は、弟に代わって新刊を買うようになりました。
すると、あるデメリットに気がつきます。
単行本の発売が遅いのです。
1年に1〜2冊ぐらいでしょうか。週刊誌なら3~4ヶ月に1冊発売なので、とにかく遅いのです。
原因は絵が緻密すぎるからでしょうか。
ベルセルクほど絵が丁寧な作品はないと思います。背景や建物や小物。それらの影や皺を1本1本、線の細いペンで描いているように見えます。
ヤングアニマルで連載していた『ベルセルク』は隔週(2週に1回)なので、週刊誌に比べると半分の量です。
しかも、たまに休載することもありました。
作者の死
2021年5月6日、作者:三浦健太郎先生が亡くなったと、白泉社より発表されました。
現在の単行本は41巻まで発売されています。
物語はようやく本筋に入ろうとした所でした。
連載開始時から積み上げられた世界観は30年を越えた月日の中で、予想以上に壮大で重厚なものになっています。
このまま未完の大作となるのか、作者の意思を継いで別の人物が続きを描くのか。白泉社の今後の動向に注目したいと思います。
「この物語に決着を付けてほしい」というのが僕の本心です。
読み方
『ベルセルク』を簡単に区分けすると、1〜3巻が、ガッツという人物紹介。4〜13巻が、ガッツの過去。14〜41巻が、現在のガッツです。
ファンタジー要素を持ちながら、リアルで残酷なシーンが多々あります。
それが返って真実味を増しています。
そして何よりも、絵画のように綺麗な作品です。
最後に
アニメ化、ゲーム化もされています。
僕のオススメは漫画ですが、小説(ノベルス)、ドラマCD、ガイドブック、イラストレーションブックなど、たくさんあります。
ぜひ探してみてください。
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