まさに
無鉄砲野郎、教師になる
頑固で馬鹿正直な少年が大人になり、四国の教師として赴任することに。しかし、理不尽な問題が続出で——。
僕は【まんがで読破】の大ファンで、全139冊読んでいます。
今回はその中から『坊っちゃん』を簡単3分でご紹介します。
結論
この本が教えてくれるのは、自分を貫く強さです。
感想
『坊っちゃん』との出会い
2〜3年前、初めて青空文庫(無料)で流し読みをしました。
「夏目漱石もこんな不真面目な作品を書くんだ!」と、別の喜びを感じたことを覚えています。
簡単あらすじ
親譲りの無鉄砲で子供の時から損ばかりしている。
小学生の時、校舎の2階から飛び降りて1週間ほど腰を抜かしたり、自分の手をナイフで切りつけて消えぬ傷をつけたり——他にも、台所で宙返りをして肋骨を折ったり、いたずらもたいぶやった。
母は早くに亡くなっていたので、兄と喧嘩して父に愛想を尽かされそうになった時、味方になってくれたのは下女(家事手伝い)の〈清〉だけだった。
〈清〉は変わった女性だった。
こんな融通の利かない頑固な俺なのに、なぜか〈清〉は「よいご気性(性格)」なんて言うのだ。
〈清〉は父や兄に隠れてよくお菓子をくれた。
「きっと将来、坊っちゃんは出世します!」と清は何度も言った。何度も言われるので本当にできるような気がしてきたものだ。
——そんなある日、父が卒中で他界した。
家は売ることになり、清はしばらく甥の家に厄介になることになったのだが、俺が結婚をして家を買ったらまた一緒に住まわせてくれと言った。
父の財産を受け取り、兄は九州で働くと言って行ってしまった。が、どうせ一緒にいても喧嘩するだけだからせいせいした。
俺はそのお金を3年間の物理学校の学資にあてた。そして、卒業して8日後、校長先生から”四国の中学校の数学教師をしてみないか?”と勧められ、即決した。
東京を離れる日、清はひどく寂しそうだった。
狸顔の校長
四国の学校に着いた坊っちゃんはいきなり辞令を突き返した。
狸顔の校長が「教師とは何か」「教育者とは何か」という教師論を偉そうにペラペラと語り出したからだ。
ここでも坊っちゃんの正直さが出ます。「校長先生のおっしゃる教師像は立派です。ですが俺はそのような立派な教師にはなれないでしょう。だからこの話もなかったことで結構。それでは」
狸顔の校長は坊っちゃんが怯むと思っていたのに真逆の反応をしたので、たじたじと手のひらを返して引き止めてきた。
フン! 狸め! だったら最初から威嚇などするでない!!
あだ名
坊っちゃんは狸以外にもあだ名をつけることにします。
●年中、赤いシャツを着る教頭を〈赤シャツ〉
●赤シャツの腰巾着の画学教師を〈野だいこ〉
●たくましい悪僧とというべき面構えの数学教師を〈山嵐〉
●顔色が悪く蒼くふくれた英語教師を〈うらなり〉
ひとクセもふたクセもありそうな教師たち。そして、生徒もクセだらけ。
坊っちゃんは教師や生徒たちと揉めに揉めまくります。
芯を通す難しさ
危なっかしいやら愛しいやら。坊っちゃんは自分の正直さと無鉄砲さを肯定し、信念を貫き通します。
今、令和の時代でそんなことができるだろうか?
「俺は嘘が嫌いです。正直、あなたの希望に添えませんので、この仕事、辞めさせてもらいます!」なんて言える人はいないと思います。っていうか、そんなこと言わずに「うんうん」「はいはい」って言っておけばいいのに、と思う反面、スカッと爽やかな爽快感は何なのでしょう。
自分を誤魔化すために言い訳上手になることが立派な社会人なのか?
と言われているような気がしました。
坊っちゃんは芯が通った”個人主義”です。
自分に嘘をつけない頑固さ。言い換えれば、馬鹿みたいな不器用さです。
自分に正直でまっすぐな坊っちゃんに感動しました。
読み方
「自分らしく生きて何が悪い!?」
まさにそんな作品です。
新入社員のような初心の気持ちを思い出させてくれました。
登場人物は坊っちゃんがあだ名をつけてくれたので覚えやすかったです。
最後に
まずは漫画で読むことをオススメしていますが、書籍で読むのもいいと思います。
書籍は、図書館や中古本など、たくさんあると思います。
ぜひ探してみてください。
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