まさに
戦時中〜戦後の日本
戦時中の日本人は皆一丸となって祖国のために尽くした。しかし、戦争に負けた日本に、かつての美しさは微塵も残っていなかった——。
「僕は【まんがで読破】の大ファンで、全139冊読んでいます。
今回はその中から『堕落論・白痴』を簡単3分でご紹介します。
結論
この本が教えてくれるのは、人間の正しい姿です。
感想
『堕落論・白痴』との出会い
挫折して立ち直れなくなってしまった時期、引き合うように『堕落論』を手に取りました。
何の希望も持てなくなった僕にの目には、神様・仏様よりも美しく神聖で尊い書物に映りました。
簡単あらすじ(堕落論)
1945年8月——戦争は終わった。
半年のうちに世相は変わった。
特攻隊の若者は闇屋となり、未亡人は新しい面影に恋をした。
人間が変わったのではない。人間は元来、そういうものであり、変わったのは世相の上皮だけのことだ。
人間は堕ちる
戦時中の日本は嘘のような理想郷で、ただ虚しい美しさが咲きあふれていた。
太平洋戦争では多くの国民が徴兵されて命を落としたが、女性たちは軍需工場で兵器を作り、学校も工場になった。
勉強なんてやってるヒマはない。学生たちは毎日10時間働き、戦地の兵隊あてに励ましの手紙を書いた。
国力はすべて戦争に投入され、家庭のナベなどの金属は兵器の材料として回収される。食料や服は配給制となり、芋をかじり、お湯をすすった。米などなかった。
”欲しがりません 勝つまでは”というポスターが町の所々に貼られ、日本国民は皆一丸となって貧窮に耐えた。
戦時中の日本は美しかった。
特攻隊
若者は汽車の窓際に立ち、家族と別れの言葉をかわす。
1944年のレイテ沖海戦を皮切りにたくさんの特攻隊の若者が花と散った……。アメリカの圧倒的な軍事力に対抗するため、日本軍は人間を兵器にする特攻作戦を発案したのだ。
武士道——日本独特の精神論がこの作戦を可能にさせた。
自分1人が命を張ることで多くの敵兵を討ち、祖国が守れる。そして、女たちは帰らぬ夫を健気に待ち続ける。
簡単あらすじ(白痴)
1914年の映画法ですべての映画製作が内閣情報局の指導下に置かれ、戦争映画が増えた。
とある映画会社で働く〈伊沢〉は嫌気が差していた。
〈伊沢〉が帰り道に通る辺りは安アパートが林立し、そのほとんどに妾と淫売が住んでいる。アパートの半数以上が軍需工場で働く女子挺身隊の寮となっていく。
戦時夫人だの……2号だの……会社を休んで日給を貰っている妊娠中の挺身隊だの、元人殺しだの、スリの達人だの、55歳のバアさんですら情夫を探すありさまだ。
一方で、家の屋根に立ち、日本の武士道がいかに美しいかを大声で論じる秀才(狂人)が「いざ! 切腹じゃー」と大騒ぎをする……。
そんなご時世で、伊沢は独特な雰囲気の〈サヨ〉と出会う。
彼女は精神障害者だったのだ。
子供のように感情的で、要領が悪く、無邪気な女性〈サヨ〉に伊沢は次第に興味を持ち始める——。
人生、思い通りにいかないことだらけ
頑張って努力して汗水垂らしても何の成果も得られない。
そんなこと、社会に出れば、何ら不思議なことではありません。
懸命に努力することは美しい。
辛いことを耐えることは美しい。
だからって、それが必ずしも報われるとは限らない。どれだけ努力してもダメな時はある。
「そんな時、人はどうやって立ち直ればいいのだろう?」
この『堕落論』は単に「堕落しろ」と開き直ることを勧めているのではなく、「人間の本来の姿を思い出して生きろ」と励ましてくれています。
人生、思い通りにいかないことだらけ——だからこそ、真面目に堕落し尽くすことが必要だと教えてくれました。
読み方
本の構成は、堕落論(前編)・白痴・堕落論(後編)となっています。
『堕落論』の思想を物語にしたのが『白痴』のようです。
どちらも、堕落した人間の愚かさや醜さこそが人間らしいのだと論じています。
「もうダメかもしれない」——そんな時に是非お読みください。新たな希望の道が見えてきます。
最後に
まずは漫画で読むことをオススメしていますが、書籍で読むのもいいと思います。
書籍は、図書館や中古本など、たくさんあると思います。
ぜひ探してみてください。
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