【解説】福沢諭吉『学問のすすめ』(まんがで読破)|結論|感想|読み方

悲しげな武士の少年

まさに

諭吉少年物語

「そんなのバカバカしすぎるだろ!?」 下級武士の家に生まれた〈諭吉〉は、将来が決まっている”身分制度”に息苦しさを感じていた——。

よーいち
これからは「勉学に年齢は関係ない!」と胸を張って言えそうです。

僕は【まんがで読破】の大ファンで、全139冊読んでいます。

今回はその中から『学問のすすめ』を簡単5分でご紹介します。

結論

この本が教えてくれるのは、勉学とは何かです。

 

感想

『学問のすすめ』との出会い

1万円札の福沢諭吉……それぐらいの知識しかありませんでした。

”天は人の上に人を造らず……”は学校で聞いたような気がする程度。

どうせ勉強しなさい的な説教くさいことが書いてあるんだろうと思っていました。

 

簡単あらすじ

1835年 1月 10日 大坂(現在の大阪)中津藩蔵屋敷なかつはんくらやしき

〈福沢諭吉〉は下級藩士〈福沢百助ひゃくすけ〉の次男として生まれる。名前は父が今日手に入れた本『上諭条例』から1文字取って名付けられた。

しかし突然の不幸が訪れる。その2年後、父・百助は45歳の若さで他界してしまう。

百助の家禄(=給料)もなくなり、家族6人は故郷・豊前国中津ぶぜんこく なかつ(=大分県)へと戻り、貧乏生活を余儀なくされた。


ある日、諭吉がムスッとした顔をして帰ってきた。「中津の人間とは話が合わんよ!」

大坂弁が抜けない諭吉や兄弟たちは言葉使いを馬鹿にされ、中津の子供たちとうまく馴染なじめないでいたのだ。が、母は手習い(=塾)に行かせてないせいだろうと思った。

母〈お順〉はこの時代めずらしくリベラル(=自由主義)で合理的な考えの人間だった。

お順 福沢諭吉の母

身寄りのない子どもを家に連れてきたり、墓参りは欠かさないが仏様を拝んだことは一度もない。

諭吉が「母上は変わっておる。みんな仏様をおがんでいるのに」と言うと、お順は「それはできないよ。神様も占いも迷信もただ信じるなんておかしくてできないよ。心に信じられることをするのが1番だよ」と笑った。

 

身分制度

諭吉14歳

近所の子どもが本を読んでいるのを見て、「読み書きくらいできないとマズいかな」と思うようになり、恥ずかしながら年下の者と一緒になって習い事を始めた。

この時代の勉強法は素読すどくである。漢文の本を繰り返し読み、字や文章の意味を覚えるのである。

諭吉には文才があり、少し素読すればすぐに理解できた。勉強は出遅れたがめきめきと力をつけていき、ついには中津一の学力を身につけた。

しかし……「調子にのるな!」

パンチ

上級武士の子どもに「下級武士の分際でが出しゃばるな」とぶん殴られた。

 

兄〈三之助さんのすけ〉は「侍は死ぬまで忠信ちゅうしん(=主人に尽くすこと)。下級武士は下級武士のままだ」と言う。

諭吉は身分制度に納得できなかった。三之助の話では父もそのことになげいていたらしい。

「家老の子は家老に。足軽あしがるの子は足軽にしかなれない……。そんなのバカバカしすぎるだろ!? こんなちっぽけな藩、いつか出ていってやる!!」

 

転機

1840年 アヘン戦争。清国しんこく(=中国)がイギリスに大敗し、日本の識者は「西欧は清国よりも強いのか」と衝撃を受けていた。

そして1853年 黒船来航。

 

——その頃、中津藩では「守りのために大砲が必要だ」ということになったが、当時の大砲は西欧製。大砲を扱うにはオランダ語が読めなければならなかった。案の定、オランダ語を読める者など誰もいない。というわけで、オランダ語を読める者を育てようということになり、諭吉に声がかかった。この時、19歳。

諭吉に思わぬ風がふいた。「いざ長崎へ!!」

日本唯一の外国との窓口の出島でじま。そこには蘭学らんがく(=オランダの学問)を学ぶため、多くの人が集まっていた。

長崎の出島

こうして、砲術家〈山本物次郎ものじろう〉の元での蘭学修行が始まった。

諭吉は三日がかりでアルファベットを覚え、化学・医学・天文学も自らすすんで学び、日を追うごとに上達していった。

しかし、こうなっては面白くないのが兄弟子〈奥平壱岐おくだいら いき〉。なんと自分の父・家老の〈奥平与衞よへい〉に手紙で”諭吉が蘭学の勉強を邪魔する”と訴え、与衞よへいは諭吉の従兄弟いとこ〈藤本元岱げんたい〉に「諭吉を家に呼び戻すように手紙を書け」と言いつけた。

後日、”母が倒れた”との手紙を受け取った諭吉。しかし、もう1枚手紙があり、そこには、”実は母は元気で、これは壱岐いきの計略だ”と書かれていた。

憤慨ふんがいする諭吉だったが、上級武士に逆らえば家族に迷惑がかかる。諭吉は中津へ帰郷するふりをして江戸に向かうことを決意する。

 

自分の道

その後も諭吉はたくさんの困難と対峙しますが、不屈の精神で勉学の道へと身を投じていきます。

やがて、江戸で慶應義塾けいおうぎじゅくを開き、渡米してアメリカの文化に触れることに。自由で平等な考えを持つアメリカ人を見て、日本人の輝かしい未来を想像します。

アメリカ大陸 上陸

そして世界情勢が大きく変革していく中、これからの日本人が歩むべき道を一冊の書物に書きつづります——それが『学問のすすめ』です。

 

読み方

全体の70%にあたる前編が福沢諭吉の半生、残り30%にあたる後編が『学問のすすめ』の解説になっています。

なぜ勉強をするのか?——それがよくわかります。

その答えがわかっていながら勉強しない人であっても、これを読めば勉強したくなります。

なぜなら、勉強は自分のためではなく未来のためだからです。

 

最後に

まずは漫画で読むことをオススメしていますが、書籍で読むのもいいと思います。

書籍は、図書館や中古本など、たくさんあると思います。

ぜひ探してみてください。

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よーいち

高校中退→ニート→定時制高校卒業→フリーター→就職→うつ→休職→復職|うつになったのを機に読書にハマり、3000冊以上の本を読みまくる。40代が元気になる情報を発信しています。好きな漫画は『キングダム』です。^ ^

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