まさに
哲学博士の授業
「哲学は難しい!?」 2人の男女は哲学の基礎を学び、未来を切り開く手段を自分のものとします。
哲学は、分からないことを分かろうと探求した学問だということが分かりました。
今回はその中から『方法序説』を簡単3分でご紹介します。
結論
この本が教えてくれるのは、効率の良い頭の使い方です。
感想
『方法序説』との出会い
哲学といえば、難しいというイメージしかありませんでした。
でも、アドラー心理学やニーチェの著書を読んでみて、自分が思っている以上に役に立つことが分かってきました。
だとしたら、デカルトの著書にはどんな意味があるのでしょう?
簡単あらすじ
「我思うゆえに我あり」
世界のすべてのものが存在していないとしても、それを疑っている「私」はたしかに存在する
近代哲学の父といわれるデカルト。
その原点が記された書。それが『方法序説』である。
「君たちは私は私であるとはっきり証明することができるかね?」
〈哲学博士〉と銘打つ白衣のお爺ちゃんは2人の大学生〈英太郎〉と〈理子〉に問います。
2人が答えを出せないでいると〈哲学博士〉は、デカルトははじめて私という存在を追求しようとしていた人だと説明します。
——まずはデカルトの生きた時代。
16世紀末のフランスで生まれたデカルト。中世ヨーロッパの時代が終わり、ルネサンスや大航海時代などによって、それまで信じてきていた常識が揺らぎ生きる道しるべを見失ってしまった時代でした。
地動説を唱えたガリレオ・ガリレイは異端として有罪判決を受けたり、まだ魔女狩りが行われていました。
そんな時、1637年に出版された論文——それが通称『方法序説および三試論』です。
三試論とは、屈折工学・気象学・幾何学について述べた論文のこと。
つまり、『方法序説』はその3つの論文のための序文だと〈哲学博士〉は言います。
デカルトは理性を使って真理を探究する方法を見つけた。
そして、その方法で、全ての学問を統一しようとした。
(※理性とは、筋道を立てて事を判断する能力のこと)
デカルトの半生
デカルトは幼い頃、たくさんの学問を勉強しました。
語学、歴史学、雄弁術、錬金術、占星術など、手当たり次第に読破しました。
しかし、それによって分かったことは、対して役に立たないことが分かっただけでした。
デカルトは自分が理想とする学問がないことを知り、旅に出て真理を追求しようとするが、それでも理想とする学問は見つかリませんでした。
そして1618年、転機が訪れます。
医者であり自然学者の〈イザーク・ベークマン〉に出会い、数学を自然学で適用できるのではないかと考え始めます。
デカルトは炉部屋にこもり一日中、思索にふけ込みます。
ある日、こんな夢を見た。
思うように進めない道を歩いていると強風に煽られ、たどり着いた教会でメロンがもらえると言われる。
部屋の中に電気が散り、机の上に2冊の本が並んでいる。
1冊は辞書。1冊は詩集。
それを開くとある言葉が明示される。
〈肯定と否定〉
デカルトはこの夢を天啓として受け止め、さらに思索を深めていきます。
こうしてデカルトは4つの規則を作った。
真偽の判断方法
①明証性の規則
少しでも偽なるものがあれば疑う。
②分析の規則
問題を分類分けをする
③総合の規則
簡単なものから解決していく
④枚挙の規則
見落としがなかったが見直す
こうして自身の思想の根幹を気づいたデカルトは再び旅に出て、世界や神や人間の存在について考えます。
その期間、実に9年。
その当時の哲学の基礎ともいえる〈形而上学〉の真偽を追求し始めます。
まずは自分の存在を証明しようとし、感覚や推論を疑い、現実を疑い、すべてを疑う中である考えに行き着きます。それが——
我思うゆえに我あり
=すべてを疑う私は確かに存在する。
絶対不変の真理——これがデカルトの哲学の第一歩となります。
正しいかどうか判断できないことを
世の中、正しいとも間違ってるとも言えるような曖昧な事柄が多いものです。例えば……
「私のやり方が正しいのだ! だから従え!」と命令される。
優先順位の低い事柄を「絶対に今すぐ必要だ」と要求される。
対立するA案とB案を多数決で決められてしまう。
「本当にこれでいいのかな?」というような経験はないでしょうか。
デカルトは、そんな曖昧な事柄に白黒をつける方法を教えてれます。
読み方
どんなことも絶対的な答えなんてないのかもしれない。
しかし、デカルトはすべての物事の真偽をはっきりさせる方法を考え出したのです。
そして、すべての人間には物事に筋道をつけて考える力(=理性)が備わっている。だから、理性の使い方を知ろう。そんなカンジです。
1時間ほどで読めます。
パズルや建築(家)で例えられていたので分かりやすかったです。
最後に
まずは漫画で読むことをオススメしていますが、書籍で読むのもいいと思います。
書籍は、図書館や中古本など、たくさんあると思います。
ぜひ探してみてください。
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