まさに
少女に恋するオジサン
ある中年の小説家は、弟子を志願する19歳の少女を自宅に住まわせることにした。彼女は活発で才能がある、何より美しかった——。

僕は【まんがで読破】の大ファンで、全139冊読んでいます。
今回はその中から『蒲団』を簡単3分でご紹介します。
結論
この本が教えてくれるのは、男の人生とは何かです。
感想
『蒲団』との出会い
初めて見た時、「なんて読むのだろう?」と思いました。
裏表紙には”若くて美しい娘ともう一度恋をしたい”と書かれています。
なんて寂しくわびしい文言なのでしょう。
簡単あらすじ
36にもなって妻も子どももいて、あんなことを考えたかと思うと馬鹿らしくなる。
彼女への愛情は単に女性独特の無意識な自然の発展だったのか。いや、あれはたしかな恋だったのではないか——。
3年前——
「裏のだんなさん、若い女ができて奥さんを離縁したそうよ」妻がそう言った。その男の歳は34.5歳だそうだ。
会社員兼小説家の〈竹中時雄〉は通勤の道を歩きながら先程の妻の話を思い返していた……。
この年頃(中年)なら誰でも夢見ることだろう。こんな単調な毎日には男なら誰だって飽き飽きだ。朝起きて出勤して午後4時に帰って妻の顔を見て飯を食って寝る。しかも、世の中には若い女が溢れているのに……。
と、前方に、後ろ姿が色っぽい着物の女性が目に入ってきた。
〈竹中〉は妄想する……。
彼女が着物を脱ぎ去って全裸になる。その彼女の長く美しい髪を掴んで、グイッと引っ張って強引に淫らな行為に……。
さらに妄想する。……もしも妻が死んだら、彼女を後妻にすることができるのだろうか?
「フッ」自分の妄想が馬鹿馬鹿しい。でも、できるものなら若くて美しい娘ともう一度恋をしてみたい……。
「竹中先生!」背後から呼ぶのは竹中の小説のファンであり、彼に弟子を志願する青年だったが、竹中は弟子をとる気はなかった。
——ある夜、一通の手紙が竹中の元に届いた。
「またあの娘か……」手紙の差出人は〈横山芳子〉。彼女は竹中の弟子にしてほしいと手紙を何度もよこしていた。
その封筒は送られてくるたびにどんどん分厚くなっていく……。彼女の文学に対する熱い想いと才能は竹中の心を迷わせた。
結局、彼女——横山芳子を弟子として竹中の家に住まわせることにした。妻は呆れたような困った顔をしていた。
竹中の3人目の子どもが生まれて七日目の夜、芳子は父親につれられてやってきた。
芳子の両親は地元ではかなりの富豪で厳格なクリスチャン。兄は英国へ留学し、現在は官立学校の教授だそうだ。芳子は神戸の女学院へ通い、ハイカラ(=お洒落)な女学校生活を送っていたという。
密かな想い
竹中が外で酒を飲んで帰宅すると、芳子がいる。
芳子が居候するようになって、竹中の心は芳子の無邪気な笑顔と純真な心に癒されていた。
夏の暑い日に芳子が自作の小説を持ってきた。
竹中がそれに目を通している間、芳子は竹中の横に座った。
芳子は暑さのせいで着物をパタパタとして風を通すのだが、ほんの少し着物がはだけて胸元がチラリ。そして芳子の匂い、芳子の汗の匂いもその風と共に鼻に届いたであろう。竹中はまるで彼女が全裸で横に座っているような妄想をしてしまう。
竹中が師匠と弟子の関係を続けているつもりでも、親密になってくると、近所の人や妻や妻の姉が小うるさくなってくる。あの2人はあやしくないか、と。
チャンス
チャンスが今までに2度あった。
●1度目は芳子が力のなさを嘆いて心情を涙ながらに綴った手紙をもらったとき
●2度目は、湯上がりの芳子の首筋を見たとき
あと15分、一緒にいたらどうなっていただろうか……
若い女とどうこうするなんて考えはないが、もしもあったとしたらどうなっていたのだろうか……。
もう一花咲かせたい
中年——ひと昔前なら、人生の中間、折り返し地点。
もう人生のピークは過ぎてしまっていて、残りの人生には心が踊るようなドキドキはなく、今の生活をキープするために働き、ただ毎日を消化していくだけ。それは残酷にも、働き蟻のようにノルマをこなす人生を生きると同じ意味。
鉄の鎖で身動きが取れずにキラキラした周囲をじーっと傍観するしかないような、とてつもない虚無感に襲われる。
「自分の中の男の価値はもう終わってしまったのか……?」」そんな風に思ったのではないでしょうか。
読み方
この物語に善悪はありません。
あるのは、人間の感情をそのままに表現するリアルです。邪な心、醜い心、欲する心、淫靡な心、さみしい心……。
変態でしょうか? いいえ、転換期です。
この本には『蒲団』の他に、『一兵卒』『ネギ一束』『少女病』が収録されています。
最後に
まずは漫画で読むことをオススメしていますが、書籍で読むのもいいと思います。
書籍は、図書館や中古本など、たくさんあると思います。
ぜひ探してみてください。
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