【解説】ロック『ジョン・ロック〜「統治二論」より〜』(講談社まんが学術文庫)|結論|感想|読み方

まさに

独立する労働者

〈テリー〉は納得できなかった。 農地の所有者〈ネビル〉は汗ひとつかかずに大金をせしめ、労働者はいつもひもじいのか。 テリーは父から授かった『統治二論』を武器に一大決心をする——!

よーいち
「あなたは人間か?」そう言われたような衝撃でした。 ルールを守るのは当たり前。でも、そのルールが間違っていても従うのか……?

今回は【講談社まんが学術文庫】の中から『ジョン・ロック〜「統治二論」より〜』を簡単5分でご紹介します。

結論

この本が教えてくれるのは、侵害に対する抵抗権です。

 

感想

『ジョン・ロック〜「統治二論」より〜』との出会い

【講談社まんが学術文庫】を10冊ほど買ったあたりから、残り全部の本を読みきろうと思っていました。

絵がとても綺麗で、内容が分かりやすく、何より現代とマッチしている課題が多く感じられたからです。

 

簡単あらすじ

——18世紀 イギリス とある公爵領

貴族の青年〈ネビル〉は「生まれた瞬間から人間は2つの種類に区分される。君には特別にその2つを教えてあげよう」と言って愛人を外へ連れ出した。

この広大な農地はネビルの一族が管理する土地であり、代々父から子へ受け継がれてきた。ここで働く労働者たちは受け継ぐ財がないので、この土地で我々に労働を売り、わずかな賃金を得てどうにか生活をする。

かたや、ネビル一族は彼らの労働を元に莫大な金を得る。要するに——

「2種類の人間とは、”財を持ち生まれる者”か”それ以外の者”のことだ!」

2種類の人間の中で圧倒的な財や権力を持つのが〈王〉。その源泉は聖書の一節にある——

旧約聖書 創世記第1章28節

「生めよ、殖えよ、地に満てよ、これを従わせよ

また海の魚と空の鳥と地に動くところの全ての生物とを治めよ」

つまり、全人類の父である〈アダム〉とは全世界の王。

そして、その権利は統治者や国王らに脈々と受け継がれ、民衆にその統治が認められている。

この王権神授説がロバート・フィルマー著の『パトリアーカ』で提唱した主張であり、この世界を支配する真理とされていた……が、農業労働者の〈テリー〉は納得できるはずもなかった。

テリーは同じ労働者の〈コール〉にこう言う。

権力者が絶対的な支配者でい続ける——それは時代遅れの考え方。だから、金持ちは金持ちのまま、貧乏人は貧乏にのままと諦めてはいけないのだ、と。

 

自然状態と自然権

生前、〈テリーの父〉は病床に伏していた。

彼は自分の命が長くないことを悟り、息子のテリーに1冊の哲学書を渡した。それが『統治二論』。

その時は本の内容を理解できなかったが、最近になってようやくわかるようになってきた。


テリーはコールに父が残した統治二論について話します。

コールは、「生まれ育った環境はどうしようもないことで、これはこの先も変わらない社会のルールなんだよ」と言った。

しかし、テリーは「俺はどうしても納得がいかない。この状況から抜け出してみせる!」と言います。

「その本にいったい何が書いてあるっていうんだ?」とコールは言います。

天地創造——神によって創られたばかりの初期の状態で人間はみな平等だった。これを”自然状態”という。

この自然状態において人間は自由であり、他人の許可を取る必要はなく、服従関係も存在しないとある。本来、人間は独立して平等であるべき。誰も他人の生命や生存・自由・財産を損ねるべきではないとある。これが人間が持つ本来の権利”自然権”だ。

 

所有権

「ここにあるりんごの所有権は誰だ?」テリーはりんごをコールの前に置いて質問する。

「もちろん、用意した君だ」

「じゃあ、いつ? どの段愛から俺のものになった?」

「う〜ん……たしかにそう言われると……」

人間には生まれながらにして持つ”生存の権利”とともに”自然を享受する権利”がある。自然界にあるものを自由に食べたり生活に利用していいという権利である。自分の身体を使ってりんごを手に入れたように、自身の労働に対価にして手に入れたものが私的財産になる。これが”所有権”だ。

そして所有権の対象はやがて物から土地へと変化していく。

つまり、土地を所有しているからこそ、その領主が労働者を雇用・管理して富を築くことができ、ひいては貧富の差が広がったのだ。

この考えは工場経営も同じで、土地を所有しているからこそ工場を作ることができて、そこで商品と富を生み出せるのだ。

逆に言えば、テリーやコールのような人間は土地を所有していないから賃金労働者になるしかない、というわけだ。

「だから俺は祖国を出てアメリカ大陸に行く! そして自分の農園をつくる!」

テリーとコールは新天地での挑戦を決意する……!

 

99%鉄壁のルール

現在、資本家(経営者)によるルールは絶対です。

給与規定や就業規則などは最低限の法律に守られてはいますが、基本的には99%くつがえることのない鉄壁のルールです。

その給与規定や就業規則に納得していれば何ら問題はありませんが、不満があっても口に出せないのが現状ではないでしょうか。

中には、不満に感じていながら上司にこびる道を選ぶ人もいれば、いつか努力が報われると信じてサービス残業に精を出す人もいます。

しかし、それでは何も解決していないように思えます。なぜなら、資本家や法律が変わるたびにあなたの生活は脅かされるからです。

筆者は起業を勧めるつもりはありませんが、もしも自分の生活が侵害されたり持続不可能になるような、いざという時のために、抵抗する知識と技術を身につけておくことが人生を豊かにすると信じているのです。

 

読み方

賃金労働者のテリーとコールが非常な経営者から解放されて独立するストーリーです。

その中で、人間の本来持っている権利と現状をどう打破するのかを教えてくれます。

さらに、著者:ジョン・ロックが目指す社会にも触れ、個人的な働き方から社会全体の発展へと目を向けさせてくれます。

そして、その権利の侵害が国家によるものだった場合、全ての国民に抵抗権があるのだと教えてくれました。

僕たちは絶対に屈してはならない。

 

最後に

まずは漫画で読むことをオススメしていますが、書籍で読むのもいいと思います。

書籍は、図書館や中古本など、たくさんあると思います。

ぜひ探してみてください。

まずはレビューをご覧ください

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よーいち

高校中退→ニート→定時制高校卒業→フリーター→就職→うつ→休職→復職|うつになったのを機に読書にハマり、3000冊以上の本を読みまくる。40代が元気になる情報を発信しています。好きな漫画は『キングダム』です。^ ^

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