【会議の流儀】意義のある話し合いを。会議をまとめるのはあなたです。

 

 

突然ですが、算数問題です。

時給2000円の人が10人集まって、2時間会議をしました。

人件費はいくらかかりましたか?

 

 

 

2000 × 10 × 2 = 40000

答えは4万円でした。

 

良い会議をする為にはまず、人件費を消費している意識を持つ事です。

先程の問題では1回の会議で4万が消費されました。つまり、会社に4万円の損失をもたらしたのです。

これが月一回、年12回だとしたら年間48万円の損失です。もったいないですよね。

座ってしゃべってる暇があったら1円でも利益をあげてほしいと会社は思っています。

 

良い会議をする為には何をすべきか、10分で読めて、内容の濃い会議をすることができますよ。

では、始めていきます。

 

【事前にしておく5つのこと】

(1)会議の参加者

会議は少人数制が1番です。

人数合わせ、役職に就いている人、話上手な人だからといって参加者を増やせば良い会議になるものではありません。

人数が多い会議は発言の機会が少なく、全員の意見を聞くとなるとそれだけで時間が長くなっていきます。

話が上手な人は話が長かったり、自分の意見を通そうとする話術(詭弁)を使う人もいたり、右往左往するのは目に見えています。

多人数は会議に不向きです。

必要最低限の人数さえ集まれば、会議を円滑に進みます。

 

(2)会議の時間

会議が早く済むのならそれが最善ですが、2時間、3時間も会議が続くと参加者の集中力はなくなって必ずダラけてきます。

ダラけてくると、冗談や雑談を言いたくなるのが人の常です。

会議の時間はあらかじめ決めてください。

おすすめは、短くて30分、長くて1時間です。

事前に会議の時間が決められていると、無駄なおしゃべりをしている暇はありません。

めちゃくちゃ良い事を思いついたとしても、すぐに発言せずに一度頭の中で整理して、本当にそれが良いのか吟味てから発言しましょう。

そうすることで、簡単に内容の濃い会議になります。

 

(3)会議室

議題にもよりますが、ドアを閉めて隔離した密室よりも、壁・仕切りがない部屋、またはドアを開けてください。

なぜかと言うと、横暴な意見を抑制できるからです。

外部から隔離されていると、人は豹変しやすく、言葉遣いも悪くなりがちです。

ちょうど、車を運転していると口が悪くなる人がいますよね。あれに似ています。

平等公平な空間を作る事も会議の大前提です。

 

(4)席の配置

円形に座るのがおすすめです。

席の配置によって不平等・不公平は起きやすく、そうなれば、声の大きい人や勢いの強い人に主導権を握られてしまいます。

四角いテーブル席のような配置は、隣の人は話しやすく、正面(対面)の人は話しにくい配置です。

その点では、円形のテーブルには角がない為、協力しあってる気持ちになりやすい配置です。

円形のテーブルがない場合は、L字の配置がおすすめです。みんなが同じ方向を向いている為、同じ意識を持っていると感じうやすいのです。円形のように隣の人だけの配置になるので話しやすいのもメリットですが、遠くの人の顔が見えにくいデメリットがあります。

1番話し合いに向いていないのが対面(向かい合う座り方)です。

人と人との距離ができてしまって意見が受け入れにくい傾向にあります。

 

ちなみに、隣の人とは30cm以上(腕を横に伸ばしたとき、肩から肘までの距離)は離してください。それ以内は近すぎて集中力に欠けます。

近すぎず離れすぎずといった感じの配置が望ましいです。

 

〈5〉言うことを決めておく

事前に会議で言いたいことを決めておきましょう。

「メリットは」「デメリットは」「なぜそう思ったのか」「予算は」「利益の見込みは」「計画性は」などなど。

メモか資料を用意しておくと緊張せずに済みます。

会議で誰がどんな事を言って、どんな展開になるのか、シミュレーションをしておくのも良いです。

会議の脳内トレーニングにも大事な事です。

 

【会議を円滑にする4つのこと】

〈6〉論理的な思考

会議では論理的な思考が必要不可欠です。

思いつきでしゃべったがゆえに、話が脱線したり、新たな問題・課題が露呈されたりして、本題を話しているつもりで、会議が停滞してしまうからです。

論理とは、筋道が通った言葉です。

りんごが地面に落ちるように、筋道が通った意見は万人が納得し、筋道が通っていない意見は誰もが首をかしげます。

ちなみに、りんごが落ちる論理はこんな感じになります。↓

 

りんごが落ちる論理

「りんごから手を離す」

「重力」

「地面に落下する」

 

この論理を参加者を納得させる為には、重力という目に見えない存在を明らかにせねばなりません。

そのためにはまず現状の把握です。(りんごの話でいうと、世界の状態を観察します)

広い視野で全体を見るようにしましょう。

さらに過去のデータ・出来事を加えて未来を推測してみてください。

このとき、自分の都合だけを考えるのではなく、世界・現状も考えに入れてください。自分と世界、どちらか片方しか考えが及んでいない末での意見は、50点を超える事はあり得ません。

自分の頭の中で考えがまとまってきたら、「現状」と「自分の考え・推測」を箇条書きにします。(紙に書くと整理しやすくなります)

そしてその下に、その2つから導き出される「意見・アイデア」を書きます。

 

良い会議の論理

「現状」

「自分の考え・推測」

「意見・アイデア」

 

忘れてはならない事は、他にも優れたアイデアがないか、よく検討する事です。

現状・過去のデータが少なければ、調べ直します。

自分の考え・推測があまければ、現実的な想像を心がけます。

意見・アイデアが成功・解決には遠いと思うのなら、もう一度考え直したり、他者の意見を取り入れます。

もしも反論や質問されたとしても、論理がしっかりと積み上がっていれば、そう簡単には崩れはしません。

そのときは自信を持ってください。

 

〈7〉ベクトルをそろえる

100%成功するアイデア・企画はありません。

何度もやり直したり、軌道修正しながら成功に近づけていく努力が必要になってきます。

そのとき、参加者がバラバラの方向を向いていては意見や熱意にバラつきが出て、集団としてのまとまりがなくなります。

なので、会議が始めにゴールを設定します。

たとえば、利益の目標金額、集客人数、企画・対策を決める、など。

(すでにゴールがある場合は確認と称して前置きに話してもいいかもしれません)

ゴールが決まっていると、あとはそれに向かう話をするだけになり、ズレた意見が出にくくなるので話が進めやすくなります。

 

〈8〉他者の意見を認める

仮に間違っていたとしても、最後まで聞いてあげてください。

最後の最後に、意見の解釈が変わることもあります。

そして、何が言いたいのか、なぜそう思ったのか、その意見は最善なのかを自分の頭の中でまとめます。(メモに書いてもOK)

 

基本的には反論せず、とりあえずそのやり方でやってみようくらいの気持ちを持ちましょう。

現実的にやってみなければ分からない事も多いので、反論するのはそれが通用しないと分かってからでも遅くはありません。

明らかに間違っている場合は注意は必要ですが、「それは違うと思うな」などと、あからさまな拒否はしないように。

それよりも「それで、どうしてそう思ったの?」と理由を聞いてみましょう。

意外と納得できるかもしれませんよ。

基本はみんなと仲良く。

「受け入れられなくても認め合う」のが筆者の流儀です。

 

〈9〉より質の高いアイデアを構築する

会議は共同作業です。

いろんな意見を集めて、より質の高い結論に昇華させる事が会議の本質です。

質の悪い会議のあと、「私は何のために集まっているのか分からない」という声を聞く事があります。

会議は多数決をするためでも、優れた1つの意見を求めているわけでもありません。

質の良い会議にする為には、様々な違った意見を1つにまとめる必要があります。

 

意見は思いが言葉になって出たものですから、なぜそう思ったのか、理由を聞いてみると、思いはみんなと同じだったという事はよくあります。

 

いろんな意見の思いが分かったところで、それをもっと質の高いアイデアにするにはどうすれば良いのかをみんなで考えます。

いわゆる「いいとこどり」をします。たとえば

・わかりやすくしたい

・目立せたい

・かっこよくしたい

・かわいくしたい

・ニーズに応えたい

これらを1つに合わせてみましょう。

難しいとは思いますが、そのために参加者のみなさんがいるのです。

じっくり話し合えば、きっと斬新なアイデアが生み出され、思いもよらない結論が構築される事でしょう。

こういうやり方を折衷案せっちゅうあんと言います。妥協や同調、調和、整合する事ではないので間違えないように。

 

 

会議 Q&A

こんな上司だったらどうする? 9パターン

上司は会議の要です。

しかし、それゆえに上司がしっかりしていないと質の悪い会議になりかねません。

ここで言う解答アンサーは解決策ではなく処世術です。

なぜかと言うと、会議は意見が対立したり、反対されたりすると人間関係に歪みができやすいからです。

なので、人間関係を壊さずに両者の立場を守る方法を解答アンサーとさせていただきました。

 

Q1.上司が思いつきでしゃべる

A.静観する。

上司の性格にもよりますが「それは違うでしょ」「思いつきで喋らないでもらえませんか」と言って角が立つと後々が面倒です。

その上司の発言は上司自身が回収するまでじっと待ちましょう。

そのときの表情はお地蔵様のように笑顔と無表情の間が好ましいです。

「この人は何言ってるんだ?」と思っても顔に出さないように気をつけましょう。

 

Q2.上司が黙っている

A.「〇〇さんはどう思いますか?」と聞いてみる。

最初から最後までダンマリを決め込むダメ上司もいます。

いらぬ一言で波風を立てたくないのでしょう。

ですが、上司であるなら意思表示をしてもらわなければなりません。

上司の決断によって会議が進まない事もあるので、ここは発言を促すのが得策です。

 

Q3.上司が内容を理解していない

A.スルーして会議を進める。

さすがに上司に「言ってる事、分かります?」とは言えないでしょう。

説明するにも時間がかかるので、こういう場合あえてそっとしておいてあげましょう。

 

Q4.上司が見当違いの発言をする

A.清聴する

静かに聞くのが得策です。

「私、間違った事言ってる?」と周囲に圧をかけてくるようなら、「どのような考えなのか詳しく教えてもらえませんか?」と聞いてみましょう。

自分の発言がどう間違っていたのか、自分自身で気づくはずです。

 

Q5.上司がマウントを取ってくる

A.静観する

他者の意見を否定したり、抑止するのは、自分の意見を通したいからでしょう。

そんなワンマン上司には好きにさせるのが無難です。

ここで張り合って溝を深めるよりも、今後の機会をうかがいましょう。必ずチャンスはあなたに訪れます。

 

Q6.上司の話が長い

A.静聴したあと、さりげなく話をまとめる

話が長い人はどこにでもいます。

何が言いたいのか、要点をまとめ、話が終わったあとで「要するに、〇〇が重要ということですね」と一言にまとめてあげましょう。

上司も要点をまとめてもらって悪い気はしません。

 

Q7.上司の私語・雑談が多い

A.静観する。

私語や雑談は会社にとって時間の損害に他なりません。

なので、それがいつまでも続くはずがありません。

それでも私語・雑談が多い会議が続くようであれば、他の上司から注意してもらいましょう。

 

Q8.上司が1人で決められない

A.「〇〇さんはどの意見が良いと思いますか?」と、決定を求める。

参加者の意見をまとめて決定するのも上司の仕事です。

なので、「こっちが良さそうだからこっち」という感情論ではなく、論理的な解答が求められます。

後々、改善するとなったとき、感情論では改善のしようもありませんからね。

 

Q9.上司が独断で決めてしまう

A.静観する。

「何のための会議なんだ?」と言いたいところですが、独断で決めてしまうような上司をいさめてもおそらく結果は変わらないでしょう。

マウントを取る場合と同じで、上司自身がその間違いに気づくまで待つのが上策です。

それでも納得いかなければ、他の上司に相談してみましょう。

 

まとめ

(1)会議の参加者

→少人数制

(2)会議の時間

→短くて30分。長くて1時間

(3)会議の場所

→壁・仕切りのない部屋、またはドアを開ける

(4)席の配置

→円形がベスト

(5)言う事を決めておく

→事前のシミュレーションが大事

(6)論理的な思考

→「現状」「自分の考え・推測」「意見・アイデア」

(7)ベクトルをそろえる

→会議の始めにゴールを設定する

(8)他者の意見を認める

→受け入れられなくても認め合う

(9)より質の高いアイデアを構築する

→折衷案

 

会議は1人が頑張ってもうまくいきません。

 

しかし、誰かがまとめてくれるだろうと質の悪い会議を続けていても、永遠に無駄な時間と経費を浪費するだけです。

これからはあなたが会議をまとめてください。

 

難しいと思うなら、会議でこう言ってみてください。

「〇〇さんと△△くんの意見はとても良いね。でも、両方の意見を合わせる事ができたらもっと良くなると思うな」と。

こう言うだけで会議の空気は一変します。諦めずに頑張りましょう。

 

それでは、あなたのご健闘と質の良い会議を実現できることを願って、この記事を締めくくりとささせていただきます。

ご清聴ありがとうございました。

 

 

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よーいち

高校中退→ニート→定時制高校卒業→フリーター→就職→うつ→休職→復職|うつになったのを機に読書にハマり、3000冊以上の本を読みまくる。40代が元気になる情報を発信しています。好きな漫画は『キングダム』です。^ ^

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