まさに
幸福の先生
抑うつの友人、口喧嘩の絶えない両親、こなすだけの仕事……そんな時、青年はある1冊の本に出会い、変わっていく——。
僕は【まんがで読破】の大ファンで、全139冊読んでいます。
今回はその中から『幸福論』を簡単3分でご紹介します。
結論
この本が教えてくれるのは、幸福になる方法です。
感想
『幸福論』との出会い
幸せそうな人を見て「あいつは僕より幸せだ」と思うことはあっても、自分自身を幸せだとは一度も思ったことはありませんでした。
昔からドラマや映画でも〈幸せって何?〉というテーマがよく見られます。
幸福について、一度くらいはきちんと考えてみたくなりました。
簡単あらすじ
著者のアランは言います。
人間には幸福になる権利——幸福になる義務がある
18世紀 フランス
町の本屋で働く〈ロラン〉はちょっと困った友だち〈ドニ〉がいました。
〈ドニ〉は抑うつの傾向があり、なんでもネガティブに捉えて、周囲に癇癪を起こしてしまう一面がありました。
今日も良かれと思って言った一言が却ってドニの癇に障ったようです。
ロランが家に帰ると、両親は口ゲンカをしていました。
母は父がお酒を飲んで愚痴を垂れることに文句を言い、父は母のその態度に文句を言っています。
ロランは自室のベッドに寝そべり、考えます。
●事務的にこなすだけの仕事
●陰気な顔をした友人
●口ゲンカの絶えない家
●周りに合わせて無難に生きようとする自分
「幸福ってなんだ?」
ある日、本屋にドニのお姉さん〈マリー〉が本を買いにやって来ました。
マリーはドニと違って明るく活発な女性でした。ドニの病気もきっと治ると信じています。
マリーが買った本の中に『幸福について(著者:エミール)』という本がありました。
「これは読んだほうがいいわよ! エミール先生の方法を実践すれば、きっとドニも少しは楽になれれるわ!」
ロランはその本を読んでみることにしました。
(※エミールはアランの本名。アランという名前はペンネームです)
『幸福について』
ロランは公園のベンチで本を開きます。
不幸を遠ざける方法として「考え方を変える」というのは正しい方法ではない。
なぜなら、強大な苦痛の前では「思考」はまったく力を持たないからである。
そうではなく、必要なのは適度な運動をやってみることだ。運動は血液循環を良好にし、気分を和らげてくれるだろう。
——と、横から「本気で落ち込んでいるときにそんなものが効くはずがない……といった顔ですね」と微笑む紳士風の男が言います。
紳士風の男は、人の苦しみは想像力によるものだから体を動かせば気分が楽になるのだと説明します。
というのも、彼こそがその本の著者:エミールだったのです。
すると、マリーもやって来ます。エミールのことを先生と呼んでいるところからして知り合いのようです。
ロランは思っていることを話してみました。
自分の不幸の原因を知る
エミールは不幸の原因についてを説明するため、『名馬ブケファルス』を例に挙げます。
ブケファルスはアレクサンダー大王の馬のことで、この馬はひどく気性が荒い暴れ馬でした。
しかし、アレクサンダー大王はその本当の原因を見つけます。
ブケファルスは自分の影におびえていたのです。自分の影に驚いて飛び上がり、飛び上がった影にまた驚いてより暴れる。
「——なら、影を見ないようにすればどうだ?」と、アレキサンダー大王は下を見えないように馬の口元を掴み、顔を持ち上げました。
すると、馬は嘘のように静かにおとなしくなったと言います。
「本当の原因さえわかれば、対処法はさほど難しいことではありません」とエミールは言います。「しかし、人は苦しみばかりをみてしまうために原因に気づかず、そのため、ブケファルスと同じ状態になってしまうのです」
人は長時間立ちっぱなしだとイライラしてしまいがちですが、そんな人に理屈を言うのではなく、椅子を差し出してあげればいいと説明します。
不機嫌だったり苦しんでいる人は少なからず体の筋肉が緊張しているもの。だから、その緊張をほぐすために体を動かすことが効果的だと言うのです。
幸せはつくれる
アランは、幸福になるのも不幸になるのも自分次第だと教えてくれます。
「お金があれば幸せ」とか「素敵な恋人がいれば幸せ」とか、外の問題を解決しようとしがちですが、必要なのは「絶対に幸せになるぞ」という意思が大事だよ、と。夢や希望のように、幸福の映像を明確にイメージすることで〈幸福という目標を作り、幸福に向かう〉ことが幸福になるための第一歩だと気づかせてくれるのです。
そして、〈幸福を得ることは人間の義務〉でもあるとエミールは断言します。
読み方
ストーリー仕立てになっていたので、とても分かりやすかったです。
無意識に自分を苦しめている自分がいることに気づかされ、何度もハッとしました。
前向きでな言葉や実践的な解決法があって、読み終わった後、ポッと心が暖かくなりました。
僕は自分の身近にいる〈不幸な人〉をドニに当てはめて読みました。
最後に
まずは漫画で読むことをオススメしていますが、書籍で読むのもいいと思います。
書籍は、図書館や中古本など、たくさんあると思います。
ぜひ探してみてください。
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