まさに
ストレスの処方箋
夜だけ営業するメンタルクリニック。今宵もストレスを抱える人に心の処方箋を出してくれる——。
僕が大好きな漫画 『マンガで分かる ゆうきゆう式ストレスクリニック』を簡単5分でご紹介します。
結論
この本が教えてくれるのは、打たれ強い心です。
感想
『マンガで分かる ゆうきゆう式ストレスクリニック』との出会い
『マンガで分かる心療内科』でメンタルケアのスゴさを理解し始め、ますます興味が湧いていました。
そんな時、この本を手に取りました。
女医さんが〈ストレス〉を払拭する内容のようです。
帯には『打たれ弱い人が打たれ強くなる!!』と大きな字で書いてあります。
簡単あらすじ
新宿歌舞伎町にの夜にひっそりと看板を掲げるストレスクリニック『新宿の妹』
そんなアヤしい店にしがないサラリーマンが訪れ……。
登場人物は主に3人。
●姐御肌の精神科女医〈堂道生子〉
……美人で高飛車。家事・料理は苦手だが心のケアは一流。
●ガサツなナース〈那須塩原泉〉
……登場シーンは少ないがボケ&ツッコみ担当。
●悩めるサラリーマン〈鈴木ゆき〉
……彼女なし。仕事、人間関係、恋愛に悩みを抱える。スタンダードな32歳。
〈鈴木ゆき〉は変な所に来てしまったと、帰ろうとしたその時——〈堂道生子〉は「ただ私の話を毎晩聞きに来なさい。そうすれば、あなたの明日を大きく変えてあげられるわ」と言った。
まえがきに感動!
とにかく全文読んでください。
断言しても構いません。
このマンガを手に取っているあなたは、自分を「打たれ弱いと思っている人」です。
では「打たれ強い人」には、どういう人がいるのでしょうか。
その答えは、3つあります。
一つめは「鈍い人」。
殴られても痛みをあまり感じないように、生まれつきいろいろなものごとを感じる力が鈍い人です。反応が非常に鈍いため、ハタから見ていると「強い人」のように思えます。
ある意味、たまたま脂肪が厚いため、寒さを感じにくい人です。
しかしこれは、真の意味での強さではありません。
二つめが「ストレスを感じるけど、必死に耐えている人」。
表向きはストレスを感じていないように見えるため、周りからやはり「強い人」のように映ります。
しかし、ただ単に「ガマンしている」だけですので、それこそ寒さをガマンしつづける人と同じで、最終的にどこかでカゼを引きます。
そして、最後の一つが、「ストレスを感じるけど、テクニックによって、それに対処する方法を身につけている人」。
ストレスに敏感で、弱さを持っている。
しかし、その感情をうまくコントロールしたり、そのストレスの内容を片づけるテクニックを知っているため、つらいときも上手に頑張り続けることができる。
これは、自分で温かい服をつくれたり、カゼを引いてもすぐ効く治療法を持っているような人です。
そしてこのタイプの人こそが、本当の意味で、「打たれ強い」人です。
心の強さというのは、実は鍛えるものではありません。「身に付ける」ものです。
では、具体的にはどう身に付けるのか。
その答えは、マンガの中にあります。
打たれ弱い人に代表的な悩みは大体網羅してありますので、冒頭からでも、あなたの悩みに合った箇所からでも、気軽に読んでみてください。
読み終わったあとで、あなたの日々が、大きく変化しているのに、気が付くはずですよ。
ゆうきゆう
『マンガで分かるゆうきゆう式ストレスクリニック上巻』6.7ページから引用
僕はこれを読んで「なんて説得力のある言葉なんだ!」と感動しました。
優しくて力強くて勇気を与えてくれる〈ゆうきゆう先生〉の言葉。
子供の頃から親や周りの大人たちに「すぐに泣く」「根性がない」「それでも男か」「感受性が強すぎる」など、いろいろ言われてきたので、この『まえがき』を読んで、「そうか! 心に強いも弱いもないんだ。みんな、同じなんだ」と思うことができました。
そして、〈少年の頃の僕〉の心が救われたような気がしました。
ストレスを対処するテクニックを身に付けて、何が起きても動じない人間になりたいと思いましたし、このテクニックをストレスを抱えて困ってる人に教えてあげたい。
そんなふうに思いました。
失敗がなくなる方法
「あなたの悩みを全てここに書きなさい」と、〈堂道生子先生〉は白紙のカードとペンを机の上に置きました。
〈鈴木ゆき〉は言われるままに何枚か書きます。
〈堂道生子先生〉はその中からランダムに1枚めくりました。
失敗が恐くて告白できない
「じゃあ突然だけど、ゆきくんは『ロット』というクジは知ってる?」
ロットとは、90の数字から5つの数字を選んで当選番号を決めるという、日本でいうロトと同じくじのことです。
これが、2005年の1月頃、イタリアで問題になったと言います。
それは、20ヶ月(178回)近く『53』という数字が当選番号になっていなかったことでした。
——と、ここで〈堂道先生〉は質問します。「ゆきくんは次のどちらを選ぶかしら?」
A. 次こそは53が来るに違いない!
B. 次も53は来ないに違いない!
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「この答えは、AもBも正解ではない」と、〈堂道先生〉は言います。「53が今まで出ていてもいなくても、今回の抽選には全く関係ないわ。だから53が出るか出ないかはやはり全くの運」
しかし、当時のイタリアの人は「次は絶対53が来るに違いない!」と、全財産を注ぎ込んで自殺した人や53に賭けるために100万ユーロのお金を横領した銀行員、53に賭け続けて出来た借金が返せなくなり妻子を殺害した人が出てしまう事態を引き起こしてしまったそうです。
なぜこんなことが起きてしまったのか……。
その理由は、抽選のたびにニュースで『53が出ていない』と情報が流れていたから。
これによってイタリア人の一部の人は単なる確率(偶然)だったはずが「次は当たる」という確信を抱いてしまい、お金をつぎ込んでしまったのだと言います。
要するに、人間はどんな内容の話でも手を替え品を変え何度も目にすると、ついそれを信じ込んでしまうようになる。
〈堂道先生〉はこれを応用して、告白の時、単に「好きです」だけを伝えるのではなく、『どう好きなのか』を過去のエピソードを交えて語るとうまくいくと言います。
例えば
最初に会ったとき覚えてる?
あのとき僕、変な喋り方してなかった?
あれ、すごく意識しちゃってほとんど喋れなかったんだ
前に資料を貸してもらったことあったよね?
あのときも、なんかお礼ほとんど何も言えなくてごめん
意識しすぎて何も言えなかったんだ
そういえば昔、カラオケ歌ったよね
あのときすごくいいなぁ……って思ってたんだ
そのときはもちろん言えなかったけど
「これらは全て『あなたを昔から好きだった』ということ。切り口を変えてるけど、どれも内容は同じ。だけど、何回も繰り返すことで相手の心の中で信憑性はより高まっていくはずよ」
さらに大切なことは「好きだからこそ意識してうまく〇〇できなかった」という話し方だと〈堂道先生〉は言います。
失敗談と絡めることで話しやすくなる。
そして、失敗談が相手への好意に結びつけることができる。
そう思えば、相手の前で失敗することも恐くなくなるはず。
さらにこの方法は自分自身にも使えると言います。
パソコンの中などに『嬉しいことメモ帳』を作ってメモして、落ち込んだときなどに見返すと、過去にいいことがあったとネガティブな心を癒してくれるはずよとアドバイスしてくれました。
〈堂道先生〉の診察は続きます……。
読み方
最初は「何の話をしているのだろう」と思っていたことが、実はこれがストレス対処法になるなんて思いもせず驚いてばかりでした。
それに、(マンガではありますが)女医〈堂道生子先生〉もとても素敵な人だと分かりました。
ちょっと上から目線な感じでデリカシーが欠けているように見えますが、心の奥にしっかりとした愛情を持っています。
最後に
〈ゆうきゆう・ソウ〉コンビシリーズの『マンガで分かる心療内科』、『モテるマンガ』、『おとなの1ページ心理学』他、多数あります。
ぜひ探してみてください。
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