まさに
現代のシャーロック・ホームズ
鋭い観察眼と的確な推理力。 ちょっと偉そうな語り口で難事件を次々と解決——その名は〈江戸川コナン〉
僕が大好きな漫画 『名探偵コナン』を簡単5分でご紹介します。
結論
この本が教えてくれるのは、推理の楽しさです。
感想
『名探偵コナン』との出会い
友だちTが『名探偵コナン』の大ファンでした。
でも、僕は『金田一少年の事件簿』のファンでした。
何が違うかと言えば、『金田一少年……』はリアル。殺され方も、解き方も、現実に行われてただろうと思わせる内容です。
対して、『名探偵コナン』は子供向け。主人公が小学生になってしまうという非現実的な設定が、リアル志向から遠ざかっているように思えました。
しかし、何十年経った今でも『コナン』の人気は衰えません。
同年代の女性でも、読んでいる人がたくさんいます。
簡単あらすじ
高校生〈工藤新一〉は難事件を簡単に解決してしまう名探偵。
シャーロック・ホームズの作者:コナン・ドイルの大ファンです。
ホームズと同じように、握手しただけで相手の素性を当ててしまうほどの観察眼と推理力を兼ね備えています。
ある日、幼馴染の〈毛利蘭〉と遊園地に行くことになり、ジェットコースターに乗ります。
急角度のコースターに他のお客さんは絶叫する中、〈新一〉の顔に雫が当たります。
その直後、後方から「うげっ!!!」と言う声が聞こえます。
ジェットコースターが登場入り口に戻ってくると、〈新一〉の後ろの席の男性は首無し死体になっていました。
ジェットコースターに乗っていたのは〈新一〉と〈蘭〉を除いた5名。
容疑者はこの中に絞られます。
顔馴染みの〈目暮警部〉が現れ、〈新一〉の推理が始まります。
●一列目に乗っていた被害者の友人A
●同じく友人B
●被害者と同じ三列目に乗っていた被害者の恋人のC
●被害者の後ろに乗っていた黒づくめの男DとE
(新一と蘭は二列目に乗っていた)
当然のように、被害者の隣に乗っていたCに容疑がかかりますが、〈新一〉は犯人を指差します。
「犯人はあなただ!」
指差したのは、被害者の友人Bでした。
〈新一〉は、Bがピアノ線を使って殺害したことを解説していきます。
Bは被害者の元彼女でした。
被害者が死んだこと分かって涙を流し、その涙が雫となって新一の顔に当たったのでした。
——新一の名推理のおかげで解説した事件ではありましたが、新一は黒づくめの二人組の後を追います。
黒づくめの男は、観覧車の裏でいかがわしい取引を行なっていました。
新一はすかさずその様子をカメラで撮っていると、後ろからもう1人の黒づくめの男が鉄棒を振り下ろします。
倒れて意識が朦朧となった新一に黒づくめの男は妙な薬を飲ませると、「あばよ」っと言ってその場を去っていきました。
新一は体が燃えるように熱くなる感覚を覚え、意識を失います。
……どれぐらい経ったのか、警官たちが駆けつけます。「おーい、ちょっと来てくれ!! 誰か死んでるぞ!!!」
新一の存在にも気がつき、駆け寄ります。「大丈夫か? ボウヤ?」
新一の姿は子供の姿に若返っていました。
新一はその場を逃げ出し、隣に住む〈阿笠博士〉と一緒に自分の家の中に入ることに。
事情を聞いた〈阿笠博士〉は新一に子供になってしまったことを誰にも言ってはいけないと強く言います。
なぜなら、〈工藤新一〉が生きていると黒づくめの奴らに知られたら、また命を狙われるかもしれない。それに、周りの蘭たちにも危害が及ぶかもしれない。
——と、そこに、〈蘭〉がやってきます。新一を探しに来たようです。
新一は姿を隠しながら変装のつもりで目の前にあったメガネをかけます。
しかし、すぐに蘭に見つかってしまいました。「名前は?」
新一は苦し紛れに、背にした本棚の推理小説の作者の名前を見て「コナン!!!」と言います。
「僕の名前は江戸川コナンだ!!!」
コナンが好まれる理由
新一が1巻冒頭で言う、〈平成のシャーロック・ホームズ〉になりたいと言うセリフがあります。
平成のシャーロック・ホームズが江戸川コナンだとすれば、平成のワトソンは〈毛利小五郎〉であり〈毛利蘭〉であり〈少年探偵団〉であり〈その他のキャラクター〉です。
それぞれ立場が異なるキャラクターたちがさまざまな事件を呼び込み、コナンを事件に誘ってくれます。
シャーロック・ホームズ同様に、鋭い観察眼でトリックや犯人像を推理して事件を解決していきます。
1巻
・ジェットコーコースター殺人事件
・御令嬢誘拐事件
・アイドル宅殺人事件
2巻
・友人保険金殺人事件
・行方不明殺人事件
・亡霊洋館殺人事件
3巻
・資産家一家殺人事件
・奇妙な贈り物事件
※これは正式な事件名ではありません。筆者が分かりやすく伝えるために個人的に要約した事件名です。
ひとつの事件がだいたい3〜4話(48〜64ページ)で完結しているので、膨大な情報量に読み疲れるなんてことがほとんどありません。
不可能犯罪、怪しい依頼主、不可解な出来事、鉄壁のアリバイ、確執のある一族、奇妙な謎や冒険といった、推理ものが好きな人なら心躍る内容ばかりです。
ちょっと周りの人を小馬鹿にしつつ、自分だけが真実にたどり着き、ズバッと解決してしまう小憎たらしさもホームズさながらの快感があります。
これらがコナンが好んで読まれる理由だと思いました。
シャーロック・ホームズが好きならきっとコナンも好きになると思いますし、逆にコナンが好きならシャーロック・ホームズも好きになるような気がしました。
不思議なアイテム
コナンは状況によって不思議なアイテムを使います。
蝶ネクタイ変声機
蝶ネクタイの形をしていて、裏に付いているダイヤルを回して、老若男女のいろんな声で喋ることができる。
(子供の言葉は信頼されにくいため、周囲の大人の声色を使って喋るのに使う)
キック力増強シューズ
電気と磁力で足のツボを刺激して筋力を高める。ダイヤルでキック力の強弱の調整可能。
(犯人が逆上したり、逃げようとする時に制止させるために使う)
犯人追跡メガネ
ボタンを押せば、発信機の方角とそこまでの距離がレンズで映し出される仕組み。
(容疑者などの追跡に使う)
これらは、阿笠博士が小さくなったコナンが探偵業で不自由しないために作ってくれたものです。
初めてアニメでこれらのアイテムを見た時は「なんかズルくない?」と思いましたが、きちんとした理由があって使っていることが分かってスッキリしました。
読み方
大人でも十分に楽しめます。
ひとつの事件の中にひとつのトリックという構成で、物語と推理を楽しめて読み応えもあります。
キャラクターの役割や人物像がハッキリしているので、10ページほどですぐに物語の中に入り込めました。
人によっては「事件ものなのに絵がリアルじゃない」と思うかもしれませんが、リアルな遺体の描写が苦手な人からすれば返って読みやすいと思います。
最後に
原作コミック、スピンオフ、ガイドブック、小説や、アニメ、映画、たくさんあります。
ぜひ探してみてください。
価格:110円 |