【解説】手塚治虫『未来人カオス』|結論|感想|読み方

惑星

まさに

孤独な宇宙少年

親友に裏切られ、荒れ果てた星へ送られた少年〈カオス〉。 裏では陰謀を企む者たちが——。

よーいち
人生が思い通りにならなくても、生き方は1つじゃないんだということを教えてもらいました。

僕が大好きな漫画 『未来人カオス』を簡単3分でご紹介します。

結論

この本が教えてくれるのは 友だちの是非です。

 

感想

『未来人カオス』との出会い

中学生の時、〈火の鳥〉や〈ブラックジャック〉を好んで読んでいた僕は、文庫本でたった2冊の本に興味を持ちました。

タイトルに『未来人』とあるのに、表紙には半裸に近い格好のキャラが……。

手には光線銃らしい物を持っているので「戦うんだろうな」と思いました。

 

簡単あらすじ

高いビル(学校)を前に少年2人が肩を組んで見上げています。

ビル

名前は〈須波光二すなみこうじ〉と〈大郷錠だいごうじょう〉。

彼らは幼稚園の頃からの幼馴染おさななじみで、銀河総合学院への最終試験を間近に控えていました。

2人は「いっしょに合格しよう」と誓い、握手を交わします。

しかし、〈大郷錠だいごうじょう〉は試験に受かる自信がありませんでした。

「もし、あいつだけが入れてオレが不合格だったら……」

唐突に1台の車が〈大郷錠だいごうじょう〉の前に止まると、謎の一味はを無理矢理連れ去って行きました。

アジトで目を覚ますと、ボスらしい男が言います。「きみの友人の須波光二を殺してもらいたいのだ」

引き受けならいのなら今度は〈大郷錠だいごうじょう〉が危険な目に遭うと脅してきました……。


須波光二すなみこうじ〉は〈由利アンヌ〉と自宅で食事をしていました。

〈アンヌ〉は〈大郷錠だいごうじょう〉を好きだと言っていましたが、結婚相手は〈須波光二すなみこうじ〉だと言います。

銀河総合学院に入学できれば、宇宙移民局の幹部になれて司法官になれる……それは星の統治者で、わたしは王妃さまだと、アンヌは語ります。

しかし、〈須波光二すなみこうじ〉は〈大郷錠だいごうじょう〉との友情を壊したくありませんでした。


——受験当日

大郷錠だいごうじょう〉は、試験会場で〈須波光二すなみこうじ〉と〈アンヌ〉と一緒にいるところを見て心が動揺します。が、不安定な気持ちのまま試験を受けます。

——すぐに合格者が発表されました。

合格者 〈須波光二すなみこうじ〉……他10名

大郷錠だいごうじょう〉は落ちたのです。

家に帰ると、送られてきた小包の中から短剣を取り出し、再び外へ出ます。

そして、レストランで合格祝いをしている〈須波光二すなみこうじ〉を見かけると、持っていた短剣で彼の胸に突き刺しました。

凍る短刀

須波光二すなみこうじ〉の体は氷のように固まって倒れ、短剣を抜くと、ボロっと体が崩れます。

大郷錠だいごうじょう〉は急に恐ろしくなってその場から逃げ出してしまいました。

 

物語のテーマ

この物語のテーマは、『友情は不滅か否か』です。

本作のあとがきで手塚治虫先生が言うには……

自分自身は子供の頃、クラスで1番のチビで、お人好しで、ドジだったので、よくみんなに冷やかされたりバカにされたりしていました。

付き合っているクラスメイトはいたが、なぜか孤独感を感じていた。

マンガ家になってからもその思いは消えることはなかった。

未来になれば、試験管ベイビーが生まれて親子愛は無くなるだろう。

子供はコンピューターで勉強するから師弟愛も無くなるだろう。

競争社会が激しくなれば、義理人情も無くなるだろう。

だが、……友だちはきっと残るだろう。

未来に残る友情とはいったいどんなものだろうか?

そんな思いを込めて描いたと書かれています。

友情の人

友情を手放した男と友情を求めた男

分かりやすい二項対立で描かれています。

●友情を手放し、孤立した男〈大郷錠だいごうじょう

●友情を失ったものの、新たな友情を求めた〈須波光二すなみこうじ=カオス〉

受験をするまで同じような人生を歩んでいた両者は、その後、まったく正反対の人生を歩んでいきます。

大郷錠だいごうじょう〉は順風満帆な生活ですが、〈カオス〉は生きるか死ぬかという波瀾万丈です。

最初は正義か悪かといった単純な話かと思っていたのですが、読んでいくうちに、実は、失敗や挫折から立ち上がる話なんだと分かってきました。

 

読み方

僕は、テーマの友情がどうとかよりも、〈カオス〉の生き方や人生観に感動しました。

不屈の精神で、良心と柔軟な思考を持ち、まさかあんなことを始めるなんて。w(読む楽しみを残したいと思います)

もちろん、〈カオス〉1人の力ではありませんが、最後の展開も予想していたものとは随分違っていました。

「競争したり、報復したりするだけが人生じゃないんだな」と、中学生の僕に生き方まで教えてくれたことを覚えています。

『未来人カオス』はすごく好きな作品で、今でもたまに読み返します。

 

最後に

手塚治虫先生の作品はたくさんあります。

ぜひ探してみてください。

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よーいち

高校中退→ニート→定時制高校卒業→フリーター→就職→うつ→休職→復職|うつになったのを機に読書にハマり、3000冊以上の本を読みまくる。40代が元気になる情報を発信しています。好きな漫画は『キングダム』です。^ ^

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