PERで10倍株を選ぼう【企業分析編】【1】企業価値の高い割安な株を買う指標

 

バフェットの言葉

投資の神様 ウォーレン・バフェットにこんな言葉があります。

 

まずまずの企業をすばらしい価格で買うより、すばらしい企業をまずますの価格で買うほうがよい

——1990年 バークシャー・ハサウェイ株主に向けた手紙の一文

 

優良企業の株を安い価格で買おう、という意味です。

 

そして、その企業が成長し、株価が成熟した時に売れば大きな儲けとなります。

 

株式で儲けるための王道ともいえる言葉ですね。

 

では、今は未成長の優良企業をどうやって探せばいいのか?

 

——その目安となるのがPERです。

 

 

PERとは

PERとは利益から見た株価の割安性のこと。

 

Price Earnings Ratioプライス アーニングス レイシオの頭文字をとってPERピーイーアールと呼ばれています。

 

PERは低いほど良いとされています。

 

 

PERの計算式

PERは、『株価÷1株あたりの純利益(EPS)』で求められます。

 

1株あたりの純利益(EPS)は、『当期利益÷発行済株式数』で求めることができます。

 

たとえば、A企業の当期利益が1000万で発行済株式数が10万の場合

1000万÷10万=100

100円——これが1株あたりの純利益(EPS)。


・現在の株価が500円なら

500÷100=5倍

その場合のPERは5倍となります。


・もしも株価が1000円なら

1000÷100=10倍となります。

 

 

もしもで比較

先程、PERを計算したA企業と業績の同じB企業を比較して考えます。

(基準は、当期利益=1000万円 発行株式数=10万株 株価100円とします)

 

株価が違う場合のPER

A企業 B企業
当期利益 1000万円 1000万円
株価 100円 500円
発行株済式数 10万株 10万株

 

A企業の株価は100円PERは1倍です。

EPS=1000万÷10万=100

PER=株価100円÷EPS100=1倍

 

B企業の株価は500円PERは5倍です。

EPS=1000万÷10万=100

PER=株価500円÷EPS100=5倍

 

当期利益と発行済株式数が同じで株価はA企業は安く、B企業は高い。

 

つまり、市場でのA企業の評価は低く、B企業の評価は高いということです。

 

ということは、A企業は将来、B企業と同じような評価を受けて株価が高騰する可能性があるといえるので、A企業の株は割安となります。

 

発行済株式数が違う場合のPER

A企業 B企業
当期利益 1000万円 1000万円
株価 100円 100円
発行済株式数 10万株 20万株

 

A企業の発行済株式数は10万株PERは1倍です。

EPS=1000万÷10万=100

PER=株価100円÷EPS100=1倍

 

B企業の発行済株式数は20万株PERは2倍です。

EPS=1000万÷20万=50

PER=株価100円÷EPS50=2倍

 

発行済株式数が少ないA企業のEPSは高くなり、PERは低くなります。

発行済株式数が多いB企業のEPSは低くなり、PERは高くなります。

 

つまり、発行済株式数の増減によってPERは変動するということです。

 

しかし、増資を行うということは何らかの業務の展開が考えられますので、それの評価に伴って値動きが予想されます。

 

当期利益が違う場合のPER

A企業 B企業
当期利益 1000万円 1億円
株価 100円 100円
発行済株式数 10万株 10万株

 

A企業の当期利益は1000万PERは1倍です。

EPS=1000万÷10万=100

PER=株価100円÷EPS100=1倍

 

B企業の当期利益は1億PERは0.1倍です。

EPS=1億÷10万=1000

PER=株価100円÷EPS1000=0.1倍

 

利益の高いB企業のPERはA企業のPERより低くなります。

 

高い利益は経営が優良と評価できます。

 

つまり、高い利益を生み出しているB企業の現在の株価が低いということは、これから先、世間の評価が上がって値上がりする可能性があるということです。

 

 

割安の指標

PERの数値は、株価・発行済株式数・当期利益によって変動します。

 

安く買って高く売れば大きな儲けとなります。

 

今はまだ未成長の企業を探し出し、投資することができれば、失敗する可能性をかなり減らすことができます

 

その目安となるのが「PER」というわけです。

 

PERの実例

実際の企業のPERはどんなものなのか、見てみましょう。

 

企業名 任天堂 トヨタ自動車 ファーストリテイリング
予想PER 21.42倍 10.33倍 43.55倍

※2024年3/18 SBI証券のサイトを参考に作成(3社のデータ更新日は誤差あり)

 

 

・ゲームメーカーの任天堂のPERは「21.42倍」で、やや高めです。

・トヨタ自動車のPERは「10.33倍」で、割安に該当します。

・ファーストリテイリンググループ(ユニクロ・GU)のPERは「43.55倍」で、企業は成熟しているようです。

 

 

割安株を探そう

PERは実際に計算することはなく、企業の業績や投資指標などの項目から見ることができます。

 

一般的に、PERは15倍以下が割安とされています。

 

「この株は割安か? 割高か?」といった購入の判断に役立つことが分かりました。

 

 

PER10倍株を選ぼう まとめ

PERのおさらいです。

・PERは、『株価÷1株あたりの純利益(EPS)』で求められる。

・PERは割安株を買う目安になる

・PERは15倍以下が割安

・PERが低く、今後が期待できる未成長の企業を探してみよう

・PERで安く買って高く売る、10倍株を選び抜こう

 

バフェットによれば、PERは100%信頼できるものではないとされています。

 

なぜなら、経営者の経営理念や技術、企業努力などで評価すべきとしているからです。

 

とはいえ、成熟しきった老舗の企業に投資をしても、大きな株価の上昇は期待できないでしょう。

 

そういった意味でも、PERは今も実用度の高い指標といえることが今回の学びの収穫です。

 

 

 

⚠️この記事でご紹介した投資の方法や見解は一つの見方で推奨するものではありません。

投資は自己責任でお願い致します。

 

 

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よーいち

高校中退→ニート→定時制高校卒業→フリーター→就職→うつ→休職→復職|うつになったのを機に読書にハマり、3000冊以上の本を読みまくる。40代が元気になる情報を発信しています。好きな漫画は『キングダム』です。^ ^

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