まさに
スーパーモンキー
西天取経の旅に出た三蔵法師。〈孫悟空〉〈猪八戒〉〈沙悟浄〉は次々と襲いかかる妖魔に立ち向かっていく——。
僕は【まんがで読破】の大ファンで、全139冊読んでいます。
今回はその中から『西遊記』を簡単7分でご紹介します。
結論
この本が教えてくれるのは、世界は広く、楽しいことがたくさんあるです。
感想
『西遊記』との出会い
子供の頃、堺正章さんが孫悟空役のドラマ『西遊記』が再放送されていました。
三蔵法師が夏目雅子さん、猪八戒が西田敏行さん、沙悟浄が岸辺シローさん、玉竜がおひょいさんこと、藤村俊二さんでした。ゴダイゴの主題歌『Monkey Magic』もドラマの雰囲気とマッチしてましたね。
簡単あらすじ
西午賀州 天竺国 両山雷音寺
「皆の者、ひとつ聞いてほしい……」
〈釈迦如来〉は弟子たちに言った。
四大部州の民はそれぞれ行いに違いがあり、東の州・北の州・西の州の民は穏やかに暮らしているが、南の州の民は自堕落で災いを好み、殺し合いが絶えない。そこで、三蔵の真経を授けたいが、これを取りに来る人物を探してほしいと言うのだ。
「では、ふつつかながらわたくしがお引き受けいたしましょう」そう言って立ち上がったのは〈観世音菩薩〉(=観音菩薩。=観音様)
釈迦如来は5つの宝を授けた。袈裟(=法衣)と錫杖(=杖)と3つの緊箍。妖魔の頭にこれをはめて呪文を唱えると激しい苦痛を与えられる。
観音菩薩は弟子の恵岸を連れて下界へ降りて行った。
五行山には、500年前、天宮を騒がせた〈斉天大聖〉が封じられていた。
観音菩薩は斉天大聖に、その身を助ける代わりに、取経の旅をする者の弟子となりお供をするように言いつけた。斉天大聖が承諾したので、観音菩薩は法名(=仏教徒としての名前)を授けようとしたが、すでに法名はついていて〈孫悟空〉といった。
大唐国 長安
「菩薩さま、太宗さま……、この玄奘、かならずや真経を手に入れてまいります」
玄奘はこれより三蔵法師と名乗り、遥か西を目指して出立した。
その道中、猿の妖怪〈孫悟空〉、豚の妖怪〈猪八戒〉、水妖〈沙悟浄〉が三蔵の弟子となった。
破門
「悟空……また人を殺めましたね!!」
三蔵は、半日のうちに3人の人間を殺した悟空を厳しく責め立てた。
まずは若い娘さん、次にその母親、そしてその父親まで……。
「お師匠さま! あれをよく見てください!!」悟空は白骨を指差した。
普通の人間が死んですぐに骨になるわけがないと弁解した。が、三蔵法師はその言葉を信じようとしない。それどころか、呪文を唱えて孫悟空の頭の輪っかを締め付けた。
「がああああああああ。やめてください、お師匠さま!!」
「そなたを破門します!」
三蔵法師は証文を書いて悟空に渡した。
悟空は三蔵法師に固い決意があることを察すると、筋斗雲を呼ぶと空の彼方へ消えていった。
悟空がいなくなった三蔵たち一行は林道を進んでいました。
八戒はお斎(=食事)を探しに行ったが、なかなか戻ってこない。悟浄が八戒を探しに行くと、草むらで昼寝しているのを見つけた。
しかし戻ってみると三蔵の姿がない。馬がいるだけだ。見上げると遠く山の合間に塔が見えた。
塔のそばまで行くと洞窟があり、その入り口は大きな鉄の門が立っていた。ここはどうやら”碗子山波月洞”というらしい。
八戒は、三蔵がこの中にいるに違いないと、「開けろ、妖怪!」と叫んだ。
すると、ギギ……と門が開いて「誰だ、お前は!?」身の丈が2倍はあろうかという妖怪〈黄袍朗〉が現れた。
八戒は馬鍬を振りかざして〈黄袍朗〉に打ちかかるが相当強い。八戒は悟浄に応戦を頼んだ。
「いいだろう! 2人まとめて相手をしてやろう!!」
——一方、三蔵は洞の中で、柱に縛り付けられていた。
「お坊さま、お気づきになりまして?」
そう言って三蔵に近づいてきた高貴な風貌の女性は〈百花羞〉だった。
ここから西にある宝象国の姫でだったが、黄袍朗のにさらわれて無理やり妻にさせられてしまったのだと言う。13年が経つ今も故郷が懐かしく思い、両親に手紙を渡してほしいと頼んできた。
「そういうことならば……」と、三蔵は快く引き受けた。
百花羞は外で戦っている黄袍朗に三蔵法師を逃すよう頼んだ。黄袍朗は愛する妻の頼みならばと、すんなり受け入れて、三蔵を解放した。
黄袍朗
「なんと……姫からの手紙を……!?」
宝象国の国王は驚いた。
三蔵は預かった手紙を国王にわたして、旅の出来事を話した。
「誰か! 魔物を退治して姫を救い出してくれる者はおらぬか!?」
しかし、相手が妖怪では分が悪い。ということで、三蔵法師に妖怪退治を依頼することにした。
「では、2人とも頼みましたよ!」三蔵は猪八戒と沙悟浄に姫救出に向かわせた。
「また貴様らか!」
黄袍朗は激怒した。
「しらばっくれるな! オイラたちは王さまに頼まれてお姫さんを取り返しに来たんだ!」
「なんだとお!? もう許さんぞ!!」
黄袍朗が槍を振りかざすと地面に大穴が空いた。八戒・悟浄はそれをかわすのがやっとだった。
やはり黄袍朗の剛力には到底かなわない。八戒は「ちょっと用を足しに行ってくるぜ!」と言って走って逃げてしまった。悟浄が唖然としているとその隙をつかれて黄袍朗のに捕まってしまった。
黄袍朗は悟浄を縄で縛りあげ、洞の奥に連れて行くよう家来に命じた。そして、姿を美青年に変え、宝象国へ向かった。
宝象国へに着いた黄袍朗は国王に謁見して、自分は〈百花羞〉の婿だと言って事の成り行きを語った。
「わたくしは狩りをなりわいとしております。13年前、若い娘を背にのせた虎を射ました。その娘が陛下の3番目の姫でございました」黄袍朗は話を続ける。「——ところで、逃げた虎ですが……人に化けるのだそうでございます。その虎こそが……今そこに座っている和尚なのです!!」
黄袍朗は三蔵を指差した。
「正体をあらわせ!!」
黄袍朗はが呪文を唱えると、三蔵の姿は虎に変わってしまった。
「む……婿殿の言った通りじゃ! その虎を捕らえて檻に入れよ!」
国王たちはそれを信じ込んで疑わず、三蔵は捕らえて檻に入れられてしまった。
「——おい、聞いたか?」
家来たちがヒソヒソと話しているのを、玉龍は侍女の姿に化けて、一部始終を聞き、黄袍朗がいる場所へと急いだ。
黄袍朗は離れで1人、酒を飲んでいた。
玉龍は「わたくし、宝象国の4番目の姫でございます」と言って酒鉢にたっぷり酒を注いだ。
「わはははは! これは愉快だ」
上機嫌の黄袍朗は「お前、舞はできるか?」
「ええ! 剣の舞が」玉龍は1本の剣を取り出して踊り始める。そして、その勢いに乗じて黄袍朗に飛びかかったが、黄袍朗はとっさに剣を受け止めた。
「!」玉龍は足を負傷しながらなんとか逃げ切った。
一方、八戒はというと……例のごとく居眠りをしていて、今ちょうど目を覚ましたところだった。
「……とりあえず、お師匠さまのところへ戻ろう!」
宝象国へに着いた八戒が宮殿を歩いていると、玉龍が呼び止めた。
玉龍はここで起きた一部始終を説明すると八戒に頼んだ。
「お願いだ……悟空兄貴を呼びに行ってくれ!!」
登場人物紹介
意外に知られていない登場人物の紹介をしたいと思います。
●三蔵法師(さんぞうほうし)
法名は玄奘。
三蔵の真経を取りに行く僧侶(法師)なので、三蔵法師と呼ばれる。
●孫悟空(そんごくう)
またの名を斉天大聖。
石から生まれた猿で、筋斗雲をはじめとした多くの術をあやつる。
●猪八戒(ちょはっかい)
またの名を猪悟能。
元天の川の水軍を率いていた。罰せられて下界に落とされ、豚に転生した。
●沙悟浄(さごじょう)
またの名を沙和尚。
元天界の大将。罪を犯して下界に落とされた。
●玉龍(ぎょくりゅう)
白馬の姿をしている。西海龍王の息子。
ちなみに、沙悟浄はカッパではなく、強面の和尚です。水妖なので、日本に伝わった時に、馴染みのあるカッパに変わったとされています。
注意:中略多し
【まんがで読破】の『最遊記』の内容は中略された部分がとても多いです。
三蔵法師が取経に行くまでの始まり、白骨夫人の話〜黄袍朗と戦う話、それと金角・銀角の話、最後に天竺到着までがすべての内容です。
孫悟空誕生のシーンや天界で大暴れして五行山に封じ込められるエピソードが見たかった筆者としては「正直、物足りない……」のが本音です。最低10巻は書いてほしいと思うほどです。
サッと『西遊記』を思い返すにはちょうどいい量と言えるでしょう。
読み方
三蔵法師と孫悟空・猪八戒・沙悟浄たちが天竺に仏教の経典を取りに行く、妖怪ファンタジーです。
『西遊記』の世界は自然がたくさんで現代のように娯楽があまりない反面、人間や妖怪たちは活き活きとして、各々の事情を抱えながらも各々の人生(妖生?)を生きています。それを見ていると、罪や間違いを犯しても、世界は広く、楽しいことが無限に続いているかのように思えてきます。
『西遊記』の書籍、漫画、ドラマ、映画が何度も作成され、今も人々を魅了し続ける理由は、まさに生きる喜びを感じさせてくれるからに他ならないと思います。
最後に
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
今回ご紹介した本のいいところはどこだと思いますか?
まずは漫画で読むことをオススメしていますが、書籍で読むのもいいと思います。図書館や中古本など、たくさんあると思います。
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