今日は『「繊細さん」の本』ってこんな本だよっていうのをお話していきます。
HSPについて分かる内容になっています。
感想・解説
この本はHSPの教科書です
アメリカの心理学者エレイン・アーロン博士が提唱したHSP(Highly Sensitive Person)という概念がベースになっています。
『「繊細さん」の本 』7ページより引用
いろんな事に気がつきすぎて疲れる人。そんな人を著者・武田友紀さんは親しみを込めて「繊細さん」と呼んでいます。
「繊細さん」はその繊細な感性ゆえにたくさんの物事を感じ取ってしまうために疲れやすくもあります。
「じゃあ、気にしなければいいんじゃない?」と言われても出来ません。
なぜなら、それは自ら感じ取ろうとして感じ取っているのではないからです。
見たくないものまで見えてしまう。
聞きたくないものまで聞こえてしまう。
それで、たくさんの誰かのことを考えて、処理できなくなって大きなストレスを抱えてしまう。
そんな「繊細さん」がラクに生きるための本です。
1章
こんなあなたは「繊細さん」
「職場で機嫌が悪い人がいると気になる」
「人と長時間一緒にいると、疲れてしまう」
「小さなミスに気づいて仕事に時間がかかる」
こんなこと、ありませんか?
『「繊細さん」の本 』16ページより引用
——1章はこんな文章から始まります。
簡単にまとめて言うと、「繊細さん」の感じやすい性質は、長い間「気にしすぎ」などと誤解されてきました。
しかし、エレイン・アーロン博士の調査によって生まつき繊細な人がいることが分かってきました。
繊細な人と繊細でない人では、脳の神経システムに違いがあると言います。
これは人間だけではなく犬やネコなどの動物にもあって、種として生き残るために危険を敏感に察知する機能を持った個体が生まれたのではないかと考えられています。
他人が気づかないことを気にする私はおかしいんだろうか?
必要なのは気にしないのではなく、気づいたことにどう対処したらいいのかという対処法だといいます。
「繊細さん」診断テスト
アーロン博士によるHSP自己テストです。
23の質問に「はい」か「いいえ」で答えて下さい。
・自分をとりまく環境の微妙な変化によくきづくほうだ
・他人の気分に左右される
・痛みにとても敏感である
・忙しい日々が続くと、ベッドや暗い部屋などプライバシーが得られ、刺激から逃れられる場所に引きこもりたくなる
・カフェインに敏感に反応する
・明るい光や、強い匂い、ざらざらした布地、サイレンの音などに圧倒されやすい
・豊かな想像力を持ち、空想に耽りやすい
・騒音に悩まされやすい
・美術や音楽に深く心動かされる
・とても良心的である
・すぐにびっくりする(仰天する)
・短期間にたくさんのことをしなければならないとき、混乱してしまう
・人が何かで不快な思いをしているとき、どうすれば快適になるかすぐに気づく(たとえば電灯の明るさを調節したり、席を替えるなど)
・一度にたくさんのことを頼まれるのがイヤだ
・ミスをしたり物を忘れたりしないようにいつも気をつける
・暴力的な映画やテレビ番組は見ないようにしている
・あまりにもたくさんのことが自分のまわりで起こっていると、不快になり神経が高ぶる
・空腹になると、集中できないとか気分が悪くなるといった強い反応が起こる
・生活に変化があると混乱する
・デリケートな香りや味、音、音楽を好む
・動揺するような状況を避けることを、普段の生活で最優先している
・仕事をするとき、競争させられたり、観察されていると、緊張し、いつもの実力を発揮できなくなる
・子供の頃、親や教師は自分のことを「敏感だ」とか「内気だ」と思っていた
『「繊細さん」の本 』28〜30ページより引用
この質問に12個以上「はい」がある人はHSPである可能性が高いとのことです。
どうだったでしょうか?
ちなみに僕は22項目が「はい」でした。
2章・3章
この章では、HSPの特徴や対処法を教えてくれます。
●人といると疲れる。けど、人が嫌いな訳じゃない。
●仕事や大事なことを雑にできない
●考えすぎて動けないことがある
●他人の機嫌に左右されてしまう
●つい他人を優先してしまう
●自分の意見をうまく言えない
「繊細さん」は生まれ持ったこの感性や感情を大切にしたままでいいと書かれています。
そして、次の2章では〈実践編〉となり、五感に基づいて刺激を和らげる工夫が紹介されています。
外部からの刺激を抑える方法を教えてくれます。
3章では〈人間関係をラクにする技術〉を教えてくれます。
●相手の分からないが分からない
●「配慮が足りない人」に振り回されない方法
●人が嫌えるようになろう
●相手の気持ちはどこまでわかる?
●相手と境界線を引いて自分のペースを守る
●人を頼る練習
●「繊細さん仲間」を見つける方法
人間関係はどこにいても付いて回ることなので、すごく為になりました。
ずっと人付き合いが苦手だったんです。
「そうだったのか!」と思えることがたくさんあって、今までよく分からないままだったことがようやく理解することができました。
4章・5章
のびのび働く方法を教えてくれます。
「繊細さん」が苦手とする仕事への対処法がいくつも載っています。
●マルチタスク
●仕事に時間がかかる
●気づかない人の真似をする
●「いいと思えること」を仕事にする
●「がんばっても自信を持てない」ときのチェックポイント
●適職の選び方
僕も仕事には気苦労が絶えませんでした。
「仕事が面白くない」「自分に合った仕事が分からない」「手抜きが出来ない」など、すぐに解決出来ないこともありますが、出来ることから始めて、気持ちがラクになってきました。
恥ずかしい話ですが、自分がやりたい仕事のことを真剣に考えてこなかったのでいい機会になりました。
最後の5章は、〈自分との向き合うことの大事さ〉について書かれています。
自分は人とは違うけど、良いところがある。
他人は気がつかないことに気がついてストレスを感じやすいけど、良いところがある。
自分の良いところを知って、全力で自由に自分らしく生きることができる。そんな内容になっています。
繊細さんが、自分のままで元気に生きる鍵。それは、自分の本音——「こうしたい」という思いを、何よりも大切にすることです。
『「繊細さん」の本 』221ページより引用
読み方
文章はとても柔らかいので、最後までリラックスした気持ちで読むことができました。
内容も難しい言葉はほとんどなく、わかりやすかったです。
なので、普段本を読まない人でも読めると思います。
1〜2時間で読めます。
最後に
『「繊細さん」の知恵袋』、『わたしは繊細さん』があります。
とても良い本なので調べてみて下さい。
とても優しい本です。
「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる 「繊細さん」の本 [ 武田 友紀 ] 価格:1,324円 |