まさに
打倒、資本家
結局、俺たちはカネの奴隷になっただけじゃないか!! だが逆に言えば、金さえつかめば全てをひっくり返せるということだ……!
僕が大好きな漫画 『資本論(講談社まんが学術文庫)』を簡単3分でご紹介します。
結論
この本が教えてくれるのは、資本主義社会・資本家とは何かです。
感想
『資本論(講談社まんが学術文庫)』との出会い
『資本論』は【まんがで読破】シリーズで一度読んでいたので、資本主義社会を理解したつもりでいました。
なので、講談社まんが学術文庫の『資本論』を本屋で見つけた時、「また資本論か……」と関心はありません。
しかし、まだ〈これからどう働けばいいのか〉の答えが見つかっていませんでした。
簡単あらすじ
——19世紀。イギリス。
フランス革命後、階級制度が撤廃され、市民は自由を手に入れました。
〈ロイ〉はパン屋を営む青年です。
〈ロイ〉には可愛い彼女〈クレア〉がいて、パン屋の仕事を手伝ってくれていました。
一見、幸せそうな〈ロイ〉でしたが、実はは辛い過去がありました。
〈ロイ〉が子供の時、強欲な資本家〈ゴードン〉の下で働かされていた〈ロイの父〉は体がボロボロになって死んでしまったのです。
なのに、〈ロイの父〉は〈ゴードン〉を悪く言うこともなく、むしろ、「ゴードン様は私たちによくしてくださった」と感謝して死んでいったのです。
父の墓の前にうずくまる〈ロイ〉と〈ロイの母〉の前に〈ゴードン〉がやって来ると、花を無造作に墓の前に投げつけます。
母は言います。「まあ! これはゴードン様! 主人にお花を供えて頂きありがとうございます!」
ペコペコする母と金に物を言わせる〈ゴードンが〉、〈ロイ〉の資本主義社会への憤りへと変化していきます。
数年後、父の後を追うように母も亡くなりました。
「自由、自由! 一体、誰のための自由なんだ!! 結局、俺たちはカネの奴隷になっただけじゃないか!! だが逆に言えば……それは金さえつかめば全てひっくり返せるということだ……! 俺は金をつかむ!! そしてゴードンを俺の足元にひれ伏せさせてやる!!」
そんなある日、旧友〈オスカー〉と再会します。
彼は元貴族で、今、新規の事業を起こそうとしていると言います。
そして、その手伝いを〈ロイ〉に頼んできます。
〈ロイ〉はすぐに引き受けました。
なぜなら、2人には共通の目的があったからです。
それは強欲な資本家〈ゴードン〉を倒すという目的です。
オスカーの工場が稼働し始めました。〈ロイ〉のパン作りのノウハウを活かしたパン工場です。
経営者となった〈ロイ〉は〈オスカー〉の指示で、次に労働者を雇い入れます。
そして、オスカーは金の話を始めます……。
表の商品と裏の商品
「いいか、経営者が扱う商品は……表の商品と裏の商品の2種類ある。
●表の商品はパン。
●裏の商品は労働力。
お前の仕事はこの両方から利益をあげることだ」とオスカーは言います。
例えば——
パンの値段が金貨10枚だとする。
内訳は、パンの原材料が金貨2枚、労働者の賃金が金貨4枚、会社の利益が金貨4枚。
資本主義社会において、労働力も商品だ。
労働力が商品ということは、労働力の原材料は……人間の体力・気力ということになる。
つまり、一日の疲れを家に帰って癒し、次の日に元気に働けるようになるための費用——これを労働力の再生産費という。
要するに再生産費は生活費。娯楽や贅沢も含まれる。
——では、労働者への再生産費を〈金貨4枚→3枚〉だけ支払えばいいとしたら?
資本家は金貨の取り分が1枚増えて5枚になる。——この余分とも言える利益のことを剰余価値という。
自分たちの給料が減れば労働者は文句を言い出す。
しかし、労働力の価値をどう決めるかは資本家の自由。
要するに、ブラック企業もホワイトさを装えば、労働者は喜んで働き、余分な利益を資本家に運んでくれる、というカラクリなのです。
どう働けばいいのか
日本が資本主義社会である限り、この悩みから逃れることはできません。
(1)資本家は労働者を安い賃金で雇い、利益を搾取する。
(2)労働者はクタクタになるまで働かされ、ギリギリの生活を強いられる。
(3)「給料を上げてくれ」と言っても、簡単には上がらない。
(4)不満は溜まるが、すぐに解消される。
……労働組合の発足、福利厚生の充実、別途給料(ボーナス)の支払い。
(5)そして、安くて良質な商品が街に並ぶようになると、「いい世の中になったもんだ」と歓喜する。……正当な給料を欲求する意思を喪失しているとも知らずに。
——では、どうすればいいのか?
その答えがこの本の中にあります。
読み方
ビジネス本で何を買うか迷っているのなら、まずはこの『資本論』をオススメします。
ストーリー仕立てで分かりやすく、お金のカラクリとその問題点が理解しやすくなっています。
僕の人生を変える一冊になりました。
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最後に
他にも〈講談社まんが学術文庫〉には名作がたくさんあります。
ぜひ探してみてください。