【解説】ドフトエフスキー『罪と罰』(まんがで読破)|結論|感想|読み方

斧・殺人者

まさに

正義の殺人

自称天才の青年は”大義のための殺人”は正義であるという思想を証明するため、完全犯罪計画を実行にうつすのだが——。

よーいち
「怖い!」というより「苦しい」。この1冊で、殺人を疑似体験した気分でした。

僕は【まんがで読破】の大ファンで、全139冊読んでいます。

今回はその中から『罪と罰』を簡単3分でご紹介します。

結論

この本が教えてくれるのは、あなたの誇りはなんですか?です。

 

感想

『罪と罰』との出会い

難しくて長いロシア文学——そんなネガティブな印象を持っていました。

マンガの『罪と罰』を見つけた時、「やっと読める!」と思いました。

 

簡単あらすじ

斧は老婆の頭に振り下ろされ、血があふれ出し、その場に倒れます。

——19世紀 ロシア サンクトペテルブルグ

サンクトペテルブルグ

〈ラスコリニコフ〉は絶望していた。

実家からの仕送りは途絶え、大学にも通えず、家庭教師の仕事も辞め、今、家主から怒濤どとうのように滞納たいのうした家賃を催促さいそくされている。

「ここは棺桶かんおけだ」

……カネだ。金さえあれば、田舎いなかの母さんや妹のドーニャたちの手をわずらわせなくてむんだ。もっと違う未来がでに入るはずなんだ。

〈ラスコリニコフ〉が出かけた先は、金貸かねかしの老婆〈アリョーニャ〉の住むアパートの4階だった。

老婆

アパートの階段を登っていると、ドイツ人が荷物を運び出しているのが見えた。ドイツ人は引っ越しをするようだ。ということは、4階の住人はあのババアだけになる。

父の形見の懐中かいちゅう時計は1ルーブル半にしかならなかった。

〈ラスコリニコフ〉が酒場で飲んでいると、見すぼらしい中年男性が話しかけてきた。

彼の名前は〈マルメラドフ〉。

元役所で働いていたがクビになり、毎日酒場に入りびたっているのだと言う。

彼には家族があり、生活がままならなくなった挙句あげくに娘の〈ソーニャ〉を娼婦しょうふにさせ、その金の一部で酒を飲んでいると涙を流すのだった。


——〈ラスコリニコフ〉あてに、母から手紙が届いていた。

茶封筒

そこには妹の〈ドーニャ〉がお金のために好きでもない金持ちと結婚する内容が書かれていた。

「俺に力があれば……今の生活を脱出する金さえあれば……」

〈ラスコリニコフ〉が街を歩いていると、金貸しの老婆〈アリョーニャ〉の妹〈リザベータ〉が露店ろてんで何やら話しているのを見かけた。

どうやら、古着売りの店主から”明日の7時”に手伝いに来てほしいと頼まれているようだった。

「わかったわ。明日の7時ね」

そう〈リザベータ〉が返事しているのが聞こえた。

明日の7時、あのアパートにの4階にいるのはババア1人だけ!

「金は正直で有能な者にこそ使われるべきだ。愚かな死にぞこないの強欲ごうよくババアなぞシラミ同然! 生きている価値なんてない! これは正義だ。正義をくだせ!」


翌日——

庭番小屋にわばんごやにあった斧を手に入れた〈ラスコリニコフ〉は〈アリョーニャ〉のアパートへ向かった。

そして、銀の煙草たばこ入れを持ってきたと言って、背を向けた〈アリョーニャ〉の頭上に斧を一気に振り下ろした。

血飛沫

〈ラスコリニコフ〉は急いで奥の部屋にある金庫を開け、金品をポケットに押し込んだ。

すると、なんということか、〈リザベータ〉が戻ってきた。

「くそっ、見られたからには……」〈ラスコリニコフ〉は無抵抗な〈リザベータ〉を殺し、その場をあとにした。

そして、自宅に戻って盗んだ金品を部屋の隅に隠すと、そのまま次の日の昼まで眠ってしまっていた。

彼を起こしたのはドンドンとドアをノックする音だった……。

 

時代背景

この時代のロシアは農奴解放という革命が起き、自由な社会が到来した時代でした。

しかし、それは土地や資本を持つお金持ちにとって有利な社会でもありました。

封建社会から資本(お金)中心の社会となり、当然のように格差社会の波は訪れます。

せっかく奴隷から解放されたというのに生活はラクにならない。

何が正しいのか分からない時代でもあったのです。

 

主人公:ラスコリニコフはどんな青年だったのか

ラスコリニコフは一般的などこにでもいる青年だったと思われます。

彼には持論がありました。

選ばれた天才には法律なんてカンケーない

まさに〈天才免罪論〉

自分を特別な人間だと思い、『自分は優れた人間なのだから、偉業のために人を殺しても許される』という勘違いをしています。

こう言うと、ごく少数の異常な人間のように聞こえるかもしれませんが、僕はそうは思わないのです。

なぜなら、「社会を変えてやる」「社会を変えられるのは自分だけだ」という考えは、何かを成し遂げようとする人は誰もが抱く感情だと思うからです。

もちろん、何をやってもいいわけではないですが、社会のために役に立とうとしたのに人を殺すハメになってしまったのは、誰もが陥りやすい〈自惚うぬぼれ〉が根底にあったからではないでしょうか。

 

読み方

あの大作が1時間ほどで読めました。

デメリットは、ロシア人の名前に馴染みがないので覚えづらかったことです。

なので、2ページ目の『おもな登場人物』をよく見ておくと頭にスッと入ってきやすいと思いました。

 

最後に

まずは漫画で読むことをオススメしていますが、書籍で読むのもいいと思います。

書籍は、図書館や中古本など、たくさんあると思います。

ぜひ探してみてください。

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よーいち

高校中退→ニート→定時制高校卒業→フリーター→就職→うつ→休職→復職|うつになったのを機に読書にハマり、3000冊以上の本を読みまくる。40代が元気になる情報を発信しています。好きな漫画は『キングダム』です。^ ^

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