まさに
何度でも復活する少年
プロのサッカー選手になることを夢見る少年は、いつくもの困難と挫折を乗り越え、才能を開花する!
今回は【講談社まんが学術文庫】の中から『ツァラトゥストラはかく語りき』を簡単3分でご紹介します。
結論
この本が教えてくれるのは、超人の思考です。
感想
『ツァラトゥストラはかく語りき』との出会い
ニーチェの作品の中でこの作品が特に大好きでした。
夢と希望を肯定し、不可能を可能にするパワーを与えてくれる、こんな素晴らしい本は数少ないでしょう。
簡単あらすじ
少年サッカーの大会が行われていました。
〈カツキ〉は相手の攻めを阻止しようとしますが、ゴールを許してしまいます。
悔しい思いをする〈カツキ〉とは裏腹に、チームメイトはニヤニヤとした表情でお互いを慰め合っています。
〈カツキ〉は「なんで真剣にやんないんだよっ。俺はもっと強くなりたいのに」と怒りを覚えるのでした。
——試合は結局、負けていました。
すると〈謎の老人〉が寄ってきて「ぼうや、君には素質がある。これからも頑張りなさい」と言い、去って行きました。
もちろん、知り合いなどではありません。
応援に来ていた母は帰りに〈カツキ〉と教会で祈りを捧げます。
〈カツキ〉は家に帰る前にいつも行く広場でサッカーの練習をしました。
今日のチームメイトのたるんだプレーを思い出し、イライラしてボールを蹴っ飛ばし、塀の先に飛んでしまいます。
ボールを探しに行くとそこはトゲトゲしい林の中——突然、謎の老人が現れました。
「血が出ているな。中へ入んなさい。手当てしてやる」
家の中に招かれた〈カツキ〉はさっきの老人の言葉を思い出して言います。「オレ、プロのサッカー選手になれますか!?」
「……なんだ、それは? あれはサッカーの話じゃない」と、〈謎の老人〉は言います。「それより、君はよくあの教会に行くのか?」
〈カツキ〉は「それは母がクリスチャンだから」と答えます。
しかし〈謎の老人〉は「神様は100回以上頼んでも願いを叶えてくれない」と大笑いします。「あと千回、一万回祈っても君の願いは叶わんだろう。……神は死んだ」
謎の老人は少年に不思議なメガネを渡します。
すると、目の前に魚群が現れます。その魚はカツオ。カツオは小魚を食べます。そして、サメがカツオを食べます。
「そう、世界は弱肉強食だ。しかし、強い者にもまた同族間の争いがある!」
——それが全ての生き物の常識だ!!と謎の老人は言います。「それは人間とて例外ではない」
紀元前586年
中東にあったユダ王国は強大なバビロニア王国に占領された。
首都の街や神殿は破壊され、王も市民も奴隷として連れ去られた。
連れ去られた人々は奴隷として過酷な労働を強いられ、人間以下の扱いを受けた。
ユダヤの民は考えた。「もしかしたら、神様が助けてくれるんじゃないか?」と。
「そうだ、神様がユダヤの民を救ってくれるはずだ!」
「救世主がきっと来る!」
「みんなでお祈りしよう!」
——こうして神は生まれた。彼らの心の中に。
ところが、待てども待てども救世主は彼らの前には現れなかった。
イエス・キリストが現れるまで、実に500年。
しかし、キリストは支配者を倒してはくれなかった。それどころか、とんでもないことを言い出した。「汝の敵を愛せよ!!」
世界の摂理
謎の老人は言います。「おかしいとは思わんか?」
世界は弱肉強食にもかかわらず、キリスト教では汝(相手)を愛せよと言う。
これでは、サッカーをはじめとするスポーツやゲームは成立しない。
なぜなら、相手を思いやっていては勝負にはならないから。
時代や世の中がどんなに変わろうとも、この世の摂理は弱肉強食。弱き者が強き者に食われ死んでいくことに寸分も変わりはない。
だとすれば、キリスト教の教えは何なのか……?
祈り < 努力
強い者には勝てない……かもしれない。
だからと言って、祈っていても望みや夢が叶うはずもない。
勝つためには自分自身が鍛錬し努力するしかないのです。
では、どんな努力をすればいいのか?
それを考えさせてくれるのが本書の醍醐味です。
読み方
挫折しそうな時、挫折した時に読みたい1冊です。
とてつもなく大きな勇気をもらえました。「絶望? 何それ?」ってカンジです。
夢を持つ人にオススメします。
最後に
まずは漫画で読むことをオススメしていますが、書籍で読むのもいいと思います。
書籍は、図書館や中古本など、たくさんあると思います。
ぜひ探してみてください。
【中古】ツァラトゥストラはかく語りき /講談社/フリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェ(文庫) 価格:1,599円 |