まさに
猫から見た人間
偶然住み着くことになった1匹の野良猫(=吾輩)は家の主人や周りの人間を「人間っておかしな生き物だな」とつぶやきまくる——。
僕は【まんがで読破】の大ファンで、全139冊読んでいます。
今回はその中から『吾輩は猫である』を簡単3分でご紹介します。
結論
この本が教えてくれるのは、人生なんて気楽でいいです。
感想
『吾輩は猫である』との出会い
作品の名前はよく知ってるのに、読んだことはありませんでした。
何でも、猫が主人公だとか。
「猫好きの人が読む本なの?」と思っていました。
簡単あらすじ
吾輩は猫である。名前はまだない。
という文言から物語は始まります。
この猫は元々は捨て猫で、あてもなくウロウロとさまよっていると一件の民家にたどり着いたのだがその家の女中(お手伝いさん)に外へ何度も放り投げながらも諦めずに食らいついていると、運よく家の主人に気に入られて住み着くことになったというわけだった。
そして、その名前のない猫は主人について語り始めます。
主人の名は〈珍野苦沙弥〉。仕事は英語教師をしていて、学校から帰るとすぐに書斎に閉じこもる。
細君(妻)や子どもたちや女中は大変な勉強家だと思っている。
しかし、吾輩だけは知っている。主人はいつも机の上に肘をつき、よだれを垂らしてうたた寝をしているのだ。
主人は胃弱にもかかわらず……やたら大飯を食い、その後に胃薬を飲む——そして書斎にこもり、書物を広げ、よだれをたらし、眠りに着くのである。
だから吾輩はこう考えている。生まれ変わったら教師というものになってやろうと。
人間の生態
主人にはセンスというものがないくせに何にでも手を出す癖がある。
先日も画材を買い求めては熱心に絵を描いていたが出来は……。その他にも俳句やヴァイオリンに謳も習ったりもした。しかし、そのどれもが物にならないのだ。
吾輩は人間ほど我儘な生き物はいないと考える……。
子どもら吾輩の尾を持ち逆さ吊りにしたり、頭に紙袋をかぶせたりする。それに吾輩が怒り、少しでも手を出そうものなら……家中総がかりで吾輩をこらしめようとするのである!
いったいどういう理屈なのであろうか……。
吾輩が尊敬している白君(仲間の猫)だって先日……家の書生(学生)に生まれたばかりの赤ちゃん4匹を池に捨てられたと話してくれた。
主人の友人
しばらくすると、珍野家に客人がやって来た。
彼は主人の友人であり、名は〈迷亭君〉といい、美学とやらをやっていて、時々主人と駄弁をかわしに来るのだ。
しかしこの迷亭君、でたらめを言って人を担ぐのを楽しみとする男なのである。
主人はアンドレア・デル・サルトのうんちくを聞かされてその気になってしまったようだ。
正月には別の客人がやって来た。
〈寒月君〉は主人の旧門下生で、今は大学院に席を置く理学士である。
この日、主人は寒月君と外出し、夜遅くまで帰ってはこなかった。
翌日、主人はいつもより遅く9時に朝食をとった。何があったのか……、胃弱にもかかわらず雑煮をバクバクと食っている。何やら、昨日、寒月君と晩酌をして胃の調子が良かったらしい。
またある日のこと、吾輩が見知らぬ客人がやって来た。
彼は寒月君の友人で〈越智東風君〉という詩人なのだという。
彼も迷亭君に一泡ふかされたようで、主人は自分以外にも迷亭君に担がれたものがいると知りご満悦である。
主人はどうやら人としての器も小さいようだ……。
プロローグ
—明治37年—(1904年)
夏目漱石はロンドン留学でのストレス、帰国後の生活での悩みから胃弱や神経衰弱を患っていた。
高浜虚子は俳句雑誌『ホトトギス』に携わっていた。彼はそんな漱石を見かね、文章の執筆を勧めたのである。
漱石はこれまでのうっぷんをはらすかのようにペンを走らせ、実際に夏目家に迷い込んだ猫をモデルとした小説を書き上げた。
その小説は日本を代表するユーモア小説となったのであった——。
読み方
こんなにホッとした気持ちになれたのは久しぶりです。
ストーリーに起伏はなく平坦な日常が描かれています。
なので、どこで読むのをやめてもいいし、どこから読み始めても差し支えなく、気楽に読めました。
最後に
まずは漫画で読むことをオススメしていますが、書籍で読むのもいいと思います。
書籍は、図書館や中古本など、たくさんあると思います。
ぜひ探してみてください。
こころ[本/雑誌] (まんがで読破 ジュニアシリーズ 4) / 夏目漱石/原作 Teamバンミカス/企画・漫画 価格:1100円 |