【解説】藤子不二雄A『笑ゥせぇるすまん』|結論|感想|読み方

黒いシルエット

まさに

大人の魔法使い

社会人にストレスはつきもの。もしも、そんな社会人たちの夢を叶えてくれる人がいたら——。

喪黒福造もぐろふくぞうは善良な魔法使いです。なぜなら、一瞬でも夢を見させてくれるからです。

 

よーいち
僕が大好きな漫画『笑ゥせぇるすまん』を簡単3分でご紹介します。

結論

この本が教えてくれるのは、不満コントロールです。

 

感想

『笑ゥせぇるすまん』との出会い

1990年頃、深夜に〈ギミア・ぶれいく〉というテレビ番組がありました。

その中で、『笑ゥせぇるすまん』のアニメが放送されていました。

インパクトは強烈。

「ホーーホッホッホッ」という奇怪な声は一度聞くと100%忘れられません。

当時、中学生だった僕はその奇妙な魅力に魅入られ、親に隠れてこっそり観ていました。

しかし2〜3年経ったある日、放送は突如終わってしまいます。

『笑ゥせぇるすまん』は僕の中で風変わりな作品として消えていきました。

 

2度目の出会い

大人になり、結婚をして平凡なサラリーマンとなった僕は毎日に疲弊していました。

世に言う、家族のために働くサラリーマンです。

毎日積み重なっていくストレスに我慢するばかりで解消する手段がない。家庭内での威厳は0ゼロ。ストレスは溜まる一方でした。

「どうしてこうなってしまったんだろう」

何のためにこんなに必死になって働いているのか分からなくなっていました。

そんな時、ある書店の懐かしの漫画コーナーで足が止まりました。

それが『笑ゥせぇるすまん』の文庫本です。全部で5冊あります。

頭の中で喪黒福造もぐろふくぞうの「ホーホッホッホ」という奇声がこだましていました。

 

1冊だけ購入した僕は……

家に帰った僕は部屋に入るなり早速本を開きました。

日常に不満を持った人たちが喪黒福造の力によって夢を現実にしていきます。

(まさに、中年男性の夢!)

ストレスを抱えた登場人物たちは皆、夢の中での喜びに浸っていきます。

しかし、不満が解消された登場人物はそれ以上の欲望が芽生えてしまい、限度を超えたせいで最後には破滅してしまいます。

その喪失感に妙な心地よさが相まって、ページをめくる手が止まりません。

 

『笑ゥせぇるすまん』の魅力

ダメだと分かっているけど。叶わない夢だと分かっているけど。

そんなストレスから解き放ってくれる夢物語。それが『笑ゥせぇるすまん』なのだと思います。

ストレスを抱えた登場人物たちは、必ずと言って最後には間違いを犯して破滅してしまいます。

しかし、全ての話がバッドエンドとは言い切れない部分もあるのです。

欲求を追求した結果、本当に自分がやりたいことが分かって、新たな生活に満足する人も出てきます。

喪黒福造もぐろふくぞうは、そんな悩める社会人の心を汲み取ってくれる魔法使いに他なりません。

 

シンデレラのように

魔法には期限があります。

シンデレラが夜12時になると魔法が解けたように、喪黒福造もぐろふくぞうの魔法の効果は限定されています。

「人生一度くらい夢を見たい」

しかし、何事にも〈超えてはならない一線〉があるものです。

その〈一線〉がどこなのか、それを見ているようでした。

 

読み方

一話完結なので、興味のある所から読むといいと思います。

家庭の話、趣味の話、仕事の話、恋愛の話、エッチな話、賭け事の話。

誰にでも当てはまる不満をテーマにした話ばかりです。

この記事を読んだあなたは、きっと不気味だと思っていた喪黒福造もぐろふくぞうの印象が変わっているはずです。

 

最後に

原作や文庫本、アニメ、テレビドラマ。たくさんあります。

実は、喪黒福造もぐろふくぞうの弟〈喪黒福次郎もぐろふくじろう〉が主人公の本もあったりします。

ぜひ探してみてください。

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よーいち

高校中退→ニート→定時制高校卒業→フリーター→就職→うつ→休職→復職|うつになったのを機に読書にハマり、3000冊以上の本を読みまくる。40代が元気になる情報を発信しています。好きな漫画は『キングダム』です。^ ^

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