まさに
ユダヤ人のビジネス観
商売下手なキリスト教徒は、豪商・ユダヤ人から商売のノウハウを教わることとなる——。
今回は【講談社まんが学術文庫】の中から『ユダヤ人と経済生活』を簡単3分でご紹介します。
結論
この本が教えてくれるのは、ユダヤ人パワーです。
感想
『ユダヤ人と経済生活』との出会い
つい最近まで、ユダヤ人について何も知りませんでした。
ユダヤ人というくらいだから国があるんだろうと調べても国は見当たりません。
そう、ユダヤ人とはユダヤ教徒のことだったのです。
簡単あらすじ
西暦66年のパレスチナ
ユダヤ人とローマ帝国との戦争が始まり、西暦131年に負けてローマ人の奴隷となった。
そして、ユダヤ人は祖国を失い、ディアスポラ(=植民)として各国に離散することとなる。
10世紀 イベリア半島
「ない! ない!」町の商人〈ヴァヒ〉は昨晩、お酒を飲みすぎたせいで多額の資金を失い、嘆いていた。
そこに現れたのは金貸しの〈カヌイ・ヤラッド〉。
彼はいとも簡単に資金を用立ててくれた。
——数週間後、〈ヤラッド〉は〈ヴァヒ〉の家にやって来た。
〈ヴァヒ〉は借りていたお金を返そうとすると、〈ヤラッド〉は「あれ? 足りない」と言います。
お金を数え直すと借りていた金額ピッタリ!
そうです。〈ヤラッド〉は利子分が足りないと言っていたのです。
●〈ヴァヒ〉はキリスト教徒。
キリスト教徒は、他者から利子を取ることを禁じています。
●〈ヤラッド〉はユダヤ人。
ユダヤ人は、ユダヤ人同士で利子を取ることは禁じていますが、他教徒からは利子を取ってもいいことになっています。
〈ヴァヒ〉はすぐにお金を返済できないので、しばらく〈ヤラッド〉の元で下働きをすることになりました。
〈ヴァヒ〉は懸命に働きますが、〈ヤラッド〉は全然働きません。本を読んでいるか、たまに来客対応をしているだけです。
それなのに、なぜか金貨が日に日に増えていきます。
ある日、〈ヴァヒ〉の妻が妊娠しました。念願の初子です。
〈ヴァヒ〉はこれをきっかけに変わることを決意し、〈ヤラッド〉に弟子入りを志願します。
それを承諾した〈ヤラッド〉はまずこの言葉を授けます。
富を得ようとするために苦労してはいけない
賢く思いとどまるがよい
人に知識がないのは良くない
足で急ぐ者は道に迷う
知識を蓄え、頭を使わないと商売は成功しないと説くのです。逆に言えば、知識があれば人の2倍以上の成果が得られると言います。
ユダヤ人の源泉
それは〈4つの基本的特性〉と〈トーラー〉〈タルムード〉です。
4つの基本的特性
(1)主知主義
ユダヤ人は知識や学問を重んじる。価値ある人は知的であり、無知は大罪と見なす。
(2)目的論
目的・目標に準じて行動する。
(3)主意説
成し遂げる意思を尊重する。
(4)可動性
迅速に物事を受け入れ、ただちに対処する。
〈トーラー〉はユダヤ教の聖典で、(旧約聖書の)創世記・出エジプト記・レビ記・民数記・申命記。モーセの十戒のこと。
〈タムルード〉はユダヤ人の生活規範や法律について記された書。
ユダヤ人は、これらの言葉を信仰し、厳守して励むことで財をなしてきたのです。
現代にも通じるビジネスマインド
ユダヤ人は勤勉で努力家です。
「お金儲けは悪だ」とか、「お金を欲しがるのは邪だ」とか言う人に限って、陰で文句を言って何も努力しません。
過去に起きたディアスポラ(=植民)によって、世界中にバラバラに散り、少数になったにもかかわらず不屈の精神で自らの道を切り開く彼らはまさに商売人の鑑と言えます。
読み方
ユダヤ人〈ヤラッド〉の3代の系譜とともに、資本主義社会で活躍する様子が描かれています。
ユダヤ人の知恵と精神は、目をみはるものがあります。頭から冷水をぶっかけられた気分です。w
仕事に対する意識が変わりました。
最後に
まずは漫画で読むことをオススメしていますが、書籍で読むのもいいと思います。
書籍は、図書館や中古本など、たくさんあると思います。
ぜひ探してみてください。
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